しぶちん (新潮文庫)

  • 新潮社 (1965年1月1日発売)
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本 ・本 (198ページ) / ISBN・EAN: 9784101104058

感想・レビュー・書評

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  • 映画化やドラマ化している有名な作品は多いが短編は初めて読んだ。しかしどれも期待は外れず面白かった。さすが社会派小説の巨匠だ。

    ・船場狂い
    ・死亡記事
    ・持参金
    ・しぶちん
    ・遺留品

  • 昭和30年代に発表された短編を収録した、山崎豊子初の短編集。
    山崎豊子作品は今回初読み。スケールの大きい長編作品という印象が強いが、短編もさすがのクオリティだ。大阪・船場を舞台にした表題作「しぶちん」「船場狂い」は、えげつなさが滑稽に描かれ、山崎さんはこういう作品も描くのかと意外に思った。と同時に、作者の船場愛をひしひしと感じる。
    個人的に好きなのは「持参金」「遺留品」かな。え、え、どういうこと!?と、謎が謎を呼ぶ展開、短編ながら構成が見事だ。「殺人のないスリラー」とは、納得。
    まだ…長編は私にとってハードルが高いけど、短編・中編はどんどん読んでいきたいなと思う。山崎さんの描く昭和の描写がとても好きだ。

  • 殺人のないスリラー。
    航空機事故は因縁?

  • 5作の短編集。5作とも全く異なる時代やテーマが描かれていました。
    個人的には遺留品が1番のお気に入りです。

  • やっぱり山崎豊子はすごい!

  • 五篇短篇集。最喜歡的是第一篇「船場狂い」(★★★★★),船場是秀吉當初大阪築城的時候大量移來堺商人的區域,正好是土佐堀川、西横堀川、東横堀川、長堀川四條河川圍起來的範圍,大阪的格式高老舖集中在此處(山崎本人也是生於船場老舖之家)。第一篇的主人公久女住在河的那一側,對船場區域及其欣羨一輩子思思念念就是要成為船場人,並且抱有強烈的執念,儘管其他人都知道可能勉強進去也沒好事照樣被歧視,但久女還是決不放棄。船場人個性尊大,知道你是住在河的那邊馬上態度爆變,久女始終忍辱負重一步一腳印地學習所有船場的風俗與作法,想辦法打入船場交際圈。好不容易把次女嫁入船場衰敗的商家(生意興隆的船場商家沒事基本上不會想跟河的那一邊通婚,只有家業衰敗的靠著暖簾想借通婚找金援才會有這種機會,或者是有啥瑕疵),次女嫁家在戰爭時船場店鋪全燒,久女主導重建店鋪直接進駐,並終於成為她心裡思思念念想被稱呼的所謂御寮人。她嚴格規制所有使用人的用語與遵守船場作法,但那些用語很諷刺地一一成為死語,而由於戰中船場遭空襲幾乎全燒,因此後來進駐的人開始變得各種龍蛇雜處也不是以前的船場了。久女美夢成真甚至完全已經活在夢裡,這個船場已經不是以前的船場了。

    久女這種對於船場無限的憧憬與極度的執念,還有尊大的船場"貴族"們,沒想到大阪也有這種情結,難波神社的祭典裡面只有船場區域的氏子才有各種各種的特權,這實在太令人熟悉了。久女最終達到目標但船場早已不在,這種執迷不悟死守化石的冥頑態度,某種程度帶著滑稽感,但又有一種回不去的悲傷,這篇是真的只有真大阪人、船場人(也已經失去船場的)山崎才寫得出的出色作品。

  • 短編集になっており読みやすかったです。一番印象に残ったのは、遺留品 です。

  • 珍しい山崎豊子さんの短編集。「持参金」に出てくる劇「華々しき一族」や航空機事故を題材にした「遺留品」など、社会派と呼ばれるようになる後期作品への種が蒔かれている?

  • cd

  • 長編作家、山崎豊子氏による短編集。長編はずっしりと重いテーマの作品が多いが、短編はどんな小説になるか、興味深かった。収録されている5編はどれも昭和33年ごろに書かれ、文藝春秋などに掲載されたもの。
    短編はすべて大阪が舞台となっている。関西出身でないと書けないであろうという、かなりディープな大阪弁で語られている。『船場狂い』では、船場という戦前栄えた商家が並ぶ地域の慣わしなど、面白かった。また、『遺留品』には、二十年後に彼女が手掛けることになる大作『沈まぬ太陽』を予想させる箇所があり、驚いた。読後、ほのぼのと感じる人もいるだろうが、私は強烈に胸が痛んだ。
    どの作品も、読み始めると先が気になって本を置けなくなる。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまさき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

山崎豊子の作品

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