二つの祖国 中 (新潮文庫 や-5-20)

  • 新潮社 (1986年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (589ページ) / ISBN・EAN: 9784101104201

みんなの感想まとめ

戦争によって引き裂かれた兄弟の物語が描かれ、家族の絆と葛藤が深く掘り下げられています。兄は日本で教育を受けたアメリカ人として戦い、弟は日本に残り、軍事教育に洗脳されて日本側で命を懸けて戦ったという対照...

感想・レビュー・書評

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    上巻を読み終わってからこの中巻まで少し間が空いてしまった。理由は他の新刊図書を読んでいたから。新刊の多くはTSKのお世話になっているので期限までに返却しなければならない,というシバリがあってこれが結構読書意欲を強制的に高める。本書の様に所蔵してしまうとなかなか読めないモノなのだ。さてまあ本作はミステリーでは無いので あまりネタバレ等を気にはしなくていいと思うが,自分自身が気になり興味のあるところをつまみ上げて淡々と感想しまする。

    フィリピンでの日米戦闘場面で米軍が日本兵の投降を促すために航空機から戦場に散布したチラシの事が書かれている。非常に興味ある内容が書かれていたので,無粋ながら本文から以下少し抜粋する。『二世である忠は(チラシの:追記感想筆者)本文より広告の方に目が行った。ウイクリーマガジン大のビラの下の広告欄に,郷愁をそそるためか日本のキッコーマン醤油,グリコ,清酒・正宗などの広告に混じって,サンキストの干し葡萄,フィラデルフィア・クリーム,チーズの懐かしい広告が出ている』

    日本兵の投降を促すのだから日本の広告を載せるのは分かる。でも何故アメリカの広告まで載っているのだろう。戦場にいるアメリカ兵も拾って見るからだろうか。するとそこで疑問が。そのサンキストなどの広告は英語なのか。いやいや投稿を促すチラシに英語はまずいだろう。これが並の本なら僕は立ちどころに「おかしい間違いだ,ミスだろう!」と反発するが,山崎豊子はこういう場面の考証は確実に行うだろうから何がしかの意味と理解の仕方があるのだと思うが僕にはそれがわからない。ちょっと悔しい。誰か知らないか!

    太平洋戦争の終戦,そして東京裁判が始まる。僕は東京裁判についてほとんど何も知らなかった。なんだか学校の授業では積極的に仔細は取り上げられなかった様な記憶もある。この本を読んで少し詳しくなったかもしれない。別名は極東国際軍事裁判とも呼ばれるらしい。誰と誰がどう云う具合に裁かれて,と云った事が断片的ながら分かる。裁判そのものがメインテーマなのではなくそこに関わる主人公たちの言動や想いを通じて読み取る事になるから僕の記憶にもなんとか残るのだと思しい。

    過日 森見登美彦という僕より20歳ほども若い作家の新刊を一冊読み終わった。彼は結構売れっ子でベストセラー作品も沢山ある。僕は彼の作品をデビュー以来全部読んでいるつもりだ。だが小説作品としての文章力や語彙力,ストーリーのプロットなどを山崎豊子と比べると もうプロとアマチュア程の違いを感じる。森見の作品は拙い。もっとも彼はSF/ファンタジー系の作家で山崎とはジャンルが違っているので単純な比較は難しいのだろうが。それにしても両人ともプロとはいえ大人と子供程の差がある。

    この差は一体何なのであろうか。職業作家に成ろうとする人達の若いころからの読書量や作文努力はそれは凄いものだろうなぁと僕は思っている。山崎と森見ではそこが決定的に違うのであろうか。いやそれとも取材に掛ける労力の差なのだろうか。山崎は本作を描く為に実に多くの場所に行き多くの人に話を聴いたらしい。森見が作品を書く時にそんな事をしているだろうか。いやしている姿が僕には想像できない。ま,そういうことなのだろう。(いや決してけなしてはいない。とりあえず森見の作品もまだ十分面白いから)

    今更ながら気になる表現や内容は沢山ある。

    当時の日本は畑での野菜類栽培の肥料として人の糞尿を普通に使っていたので・・・,という記述がある。当時どころか僕らが小学校低学年(昭和40年代前半)の頃までは普通に糞尿を肥料としていた。便所は簡単に汲み取れるような構造になっていて別に専門の業者ではなくとも普通に家の爺さん婆さんが汲み取ってかついで畑に行き撒いていた。

    僕の田舎ではその作業を「こえたんごかつぎ」って呼んでたなぁ(笑)。で,人々はサナダムシなどを代表とする蟯虫(ぎょうちゅう)という奴らをお腹に飼っていたのだった。それらの蟯虫は卵を腹の中で産みその卵は屎として尻から排出さる。そしてその卵は肥料として畑に撒かれ野菜に付着し人はそれを食べて又蟯虫を腹に宿す。このサイクルの繰り返しなのであった。虫下しという名前の薬があってそれを飲んで蟯虫を尻からひり出したものだった。僕自身にも経験がある。今思えばかなり貴重やなぁーあの経験。

    終戦時は既に日本とアメリカ間の多くの移動手段は航空機を使っていたみたいだ。もっとも軍関係に限ってはいたみたいだが。へえ一回の給油ではとどかないだろうな,と思って先を読むと「グアム島とジョンストン島で給油」とあった。ジョンストン島 ってどこだぁ? すぐにGoogle Earthだ!ああここかぁ(笑)。ハワイの西方およそ1000kmに位置する本当に航空基地しかない島だった。どうしてハワイじゃないのかなぁ,と僕は思った。グアムからだと当時はHawaiiまではとどかなかったのか!?

    あ そうそう そう言えばこないだ読んだ記事を思い出した。記憶定着を願ってここに書いて置こう。なんでもオーストラリアのメルボルンからはロンドンやニューヨークへの航空直行便はいまだに飛んでいないのだそうだ。もちろん燃料が足りないのがその理由。777や340なら単純な計算では足りるのだけれど 万一何かがあると燃料切れを起こすので未だためらっているのだそうだ。

    ロンドンもニューヨークも飛行経路に大型の旅客機が降りられる他の空港が沢山あるんだから直行便として飛びたってもし万一の時はそこへ降りる事にしたらいいのになぁ と思ったが,待てよ 逆の航路はやばいのか。メルボルン空港の近くにはそういう空港が無いのか!知らんけど。

    上巻と相も変わらず鹿児島弁がキツイ。そこだけ読んだのでは理解不能な話し言葉が多く,前後で賢治がしゃべる文脈かっらでないと意味が取れないことが有る。例えば本文412ページ天羽の親父がしゃべった「ないよ,忠を撃った・・・・・・」の「ないよ,」は「無いよ」ではなく,たぶん「なんと!」に近い意味なのだろう。山崎さんどこまで忠実なんだろうなぁ。まあ検証と云うかサポートしてくれる鹿児島人は廻りに居たのではあろうが。

    フォックス眼鏡 という言葉が出て来る。それなんだ?早速調べたら言葉通りで 狐の眼を模したデザインの眼鏡のことを言うらしい。目が吊り上がっていやメガネのフレームが吊り上がっているのだ。たぶん戦前からずっと有って今もあるのだろうなぁ。街のそこいら辺ではあまり見かけはしないが。

    日本で言う8月15日「終戦記念日」(僕はこの記念日という言い方を“終戦”というどちらかというとネガティブな言葉につけて語るのはどうも好きではないが)は,当たり前だがアメリカでは「戦勝記念日」と云うそうだ。まあしかしアメリカでは8/15を日本ほどには重要な日としては扱ってはいない様だけれどが。

    本書の単行本は1983年の発行。僕は会社に入り仕事を始めて三年目。24歳であった。もちろんその当時この小説に興味を持った筈も無く,世に言う高度成長期の時代でもう毎日が仕事最優先でギリギリの生活状態だった。毎晩日付けが変わるまで仕事し(飯はどこかのタイミングで食う)帰ったら風呂入って寝るだけ。そして翌早朝からまた仕事にまみれる。僕の仕事は機械設計だったが今の様にパソコンなどは無く製図はもとより技術計算もなにも全部自分の手で行うしかなく遣る事は山の様にあった。

    あまり見たことがない言葉遣いは他にも時々見られる。空襲による戦禍を逃れた東京山の手の洋館のたたずまいを称して「宏荘」と云っている。ルビが振って有り読みは「「こうそう」。意味は知らなかった。ググった。漢字変換は出来なかった。候補にもなかった。つまり最近はほとんど使われていない言葉だ,ということ。意味は「広く大きくりっぱなさま。広大で壮麗なさま。」だった。まあ前後の文意からそういう事だろうなぁとは思ったが。こうやって調べればもうほとんど新しい言葉を覚える能力が失われつつある僕の記憶に残ってくれるかも。

    なんと東京裁判には中華国清朝最後の皇帝にして後の満州国皇帝の 溥儀 が 連合国(その時はソ連に捕らわれの身だったらしいが)側の証人として裁判で証言している事を僕は初めて知った。証言内容は非常に興味深く物語の筋にも深く関わっているのでここでは伏せる。愛新覚羅溥儀は沢山の小説や映画に取り上げられていて僕も溥儀の登場する物語は浅田の二郎吉親分 の書を始めとして結構沢山読んでいる筈なのだが,溥儀が満州国の皇帝になる前に清朝の皇帝に二度もなっていた事を本書でキチンと認識した。

    「愛新覚羅」 あいしんかくら と読むが僕はあいしんぎょろ と覚えていた。前出の浅田の二郎吉親分 の某著書で その読み方/言い方を覚えてしまった様な記憶だ。何が違うのだろう。まあ満州言葉なのかそれとも朝鮮語なのか中華国語にも北京語と広東語があるしまあそのなかのどれかなのだろうなぁ。

    その溥儀証言中の法廷休憩時間に被告達(旧日本軍の大将や中将格)が控室にて自由に溥儀の不義(本文にその表現有りw)についてしゃべっている場面があって,僕は正直驚いた。裁判の被告達を自由に会話させて良いものだろうか。ちなみに一般の刑事事件で容疑者として逮捕された被告たちは絶対にお互いに会話させたりはしない。口裏を合わせられると困るからだ。この東京裁判の様な集団裁判の被告であるなら問題ないのであろうか。大いに興味がある。

    457ページの溥儀の証言/説明に「…凌陞の妹が,私の息子と婚約していたのですが,…」という事が明記されている。僕は あれ?溥儀って子供いたっけ? とその時思った。するとその後470ページには田中という通訳の話として「…溥儀は…男色のせいか,あるいは子種がないためか,皇后にも妃にも子供が生まれなかったのが悲劇だ,・・・」ともある。ふーむ山崎豊子ともあろう方がこれはどうした事だろう。それとも僕の何か解釈の違いなのだろうか。この件もとても気になる。

    東条英機被告が自分語りをしている下りもある。ページ数にするとほんの数ページだけど東条英機が自分の言葉で物語の進行を語っている。ありがちだけどこういうふうに突然単発的に語り手が変わる小説と云うのは実は珍しいのではないかと僕は思う。他にはあまり知らない。まあこれぞ山崎豊子ならばこそ可能な技(わざ)なのかもしれないなぁ。

    さてぼちぼちと下巻に取り掛かるつもりだけれど,例によって他の本も読んでいるので果たしていつ読み終わる事やら。ところでこの中巻は一体いつ読み始めたことであったろうか。随分と前だったのは間違いないが具体的にはちっとも覚えていないなぁ。まあでもこの作品は一々面白いので下巻も気長に読むつもりだ。

  • 中巻。
    太平洋戦争終結。
    運命の悪戯で二つの祖国に別れて、敵として戦場で相見える兄弟。。。

    弟を想う気持ちに絶望的な壁が立ち塞がり、哀しくも必然的にすれ違っていく二人。。。

    やるせない。

    舞台が変わり東京裁判の推移に頁の大半が割かれ始めると、一挙に読む速度が落ちてきた(苦笑)。
    面白いけれども日本史不選択だった自分には少々難解。後半は、娯楽としてより勉強として読んだ感じ。

    ★3つ、7ポイント。
    2017.04.14.図。

    ※賢治と梛子の相愛は・・・。
    基本的に不倫愛の病者に正義は無いと考えている身だが、あまりにも身勝手なエミーの振る舞いから、珍しくこの恋を比較的好意的に受け止めている(苦笑)。

    地下にいたとはいえ爆心間近にいた梛子にはきっと原爆症の発症が待っているのだろうし、賢治が最後に自殺するということだけは何かの拍子に目にしてしまっているので、続巻を読むのが辛そうだ。

  • 兄弟で戦わなくてはいけなくなった太平洋戦争。兄は日本の教育を受けて日本を知り尽くしているがアメリカ人として戦い、弟は学業をするために日本に残りアメリカに帰れなくなったまま軍事教育に洗脳され日本側として命をかけて戦った。同じ日本人ではあっても、弟が兄を恨まなくてはならなくなった心情がいたい。

    そして、アメリカ側のリトルボーイが及ぼすこれからの世代の影響。治療手段を知らずに投降した事実や無知さ。放射能が人間に受ける影響とした人体実験をする目的で投下したのか。同じ側のイタリアやドイツには落とさず日本だけに2度とも落としたのには人種差別が入っているのではないかと疑わずにはいられない。
    日本側としては、アメリカがなぜリトルボーイを投下せずにいられなくなったのかの理由を考えなくてはならない。

    国際裁判に入ってからの日中ソや米ソ連内での対立はリアルさを物々しく語り特に、ソ連の不気味さは尋常ではない。もっと大東亜戦争、日中戦争、日露戦争を詳しく勉強していたならさらに深く理解できたのにと悔しくも思う。そしてこれからの勉強の課題にもなった。

  • 血みどろの太平洋から、ヒロシマを経て、GHQ、東京裁判へ。

    三角関係や兄弟相撃つ家族パートはありがち感だけども、東京裁判の臨場感は凄まじい。

  • ★評価は再読了後に。
    しかしまぁ何ですな、先の展開がある程度見え見えで、加えてこれでもかと言わんばかりの情報過多ぶり。
    うーん、こういう感じの作家でしたっけ?そうだったかも。何か現在の読者としての当方が求めるものとは少々相容れない感があるなぁ。
    上巻からの印象は変わらないまま終わりそうだけれども、最後まで読みます。

  • 重い。
    二つの祖国に挟まれる葛藤。
    二人の女性に挟まれる葛藤。
    大変です。

    通訳として、日米戦争に関わる日系二世。
    こんな人もいたんだなぁ。

  • 大長編過ぎて、非常に読むのに時間がかかった、、、


    中巻は東京裁判の序盤まで。



    気になったのは、ポツダム宣言は無条件降伏ではないんだけど?と本筋とは違うところだけど気になった。

  • 鬼頭軍曹、天羽忠、ブレイクにー弁護人、などが登場します。

    ブレイクニー弁護人;「・・・アメリカ人弁護人として・・・!」

    日本人の中には正々堂々とした人、卑怯な人、狂人と化した人がいたでしょう。アメリカ人も同様。正義に忠実な人、怒りに駆られて公正さを失った人もいたでしょう。

    いろんな人がいるんだと思います。

    そんな中で万国共通の価値観、それを身に付け、発揮できるだけの強靭な精神力。それも素質なのかなと思わせるのは、天羽乙七です。

  • 米軍に志願した末弟はヨーロッパ戦線で戦死を遂げる。
    日本に残り、日本軍に志願した次弟はフィリピンでの玉砕戦の
    真っ只中にあった。
    そして語学力を買われて
    語学兵として南太平洋戦線に従軍する主人公。
    過酷な運命が兄弟を、家族を残酷に引き裂いていく。

    そして原爆の投下。終戦。

    あまりにも惨く、不可解な戦争は終わったが、
    それはまた新たな犠牲者を要求していたのだった。

    ...正直、気が重くなる内容の小説であるが
    どんどん引き込まれていく。

    重いテーマをそのままに深く掘り下げていく作者の姿勢が伺える。

  •  これまで「大地の子」、「不毛地帯」等の戦争三部作以外にも「白い巨塔」や「沈まぬ太陽」等、山崎豊子の小説を読んできたが、何か心に残る一節や感動が残ることは少ない。
     山崎豊子の小説は、登場人物に感情移入する類の本ではなく、氏の緻密な取材・分析に基づく、氏が構築した過去の事実を知るための本だと思っている。
     「二つの祖国」の主人公には正直共感できない部分の方が圧倒的に大きいが、この小説の肝は戦争を直接体験したことのない私達現代に生きる人間に、太平洋戦争時の日系アメリカ人の置かれた状況、戦争の凄まじさ、東京裁判の理不尽さ等を一端でも伝えることにあると思う。

     小説としてはまるで面白さを感じないが、太平洋戦争を学ぶためには必読の一冊だと思う。

  • ロサンゼルスの邦字新聞『加州新報』の記者天羽賢治、ケーン。
    彼とその家族の運命を通し、真珠湾攻撃、ヒロシマ、東京裁判と
    太平洋戦争の荒波の中で身も心も切り裂かれながらも、
    愛と祖国を求め続けた日系人の悲劇を描いた感動巨編。

    山崎豊子を読むのは沈まぬ太陽以来2作目。
    例によって、本屋で平積みになっていたので、
    何気なく買っただけでしたが、またしても
    山崎豊子の世界に引き込まれました。

    父祖の国日本に対する誇り、そしてアメリカで生まれた
    ものとして、自由の国アメリカに対する誇り。
    二つの祖国に対する誇りの中で葛藤していく賢治。
    そして、正義を貫けば貫くほど回りには理解されない
    このジレンマ。

    先の戦争の中で、多くの人々が苦しみを味わいましたが、
    彼らほど数奇な運命をたどった人もいないでしょう。

    今まであまり詳しく知ることのなかった、フィリピンでの
    激戦の様子や東京裁判のことについても、彼女ならではの
    記述で詳細に知ることが出来ました。
    日経新聞で東京裁判の検証が特集記事になっていましたが、
    こっちのほうがその裏の人々の心情まで描かれていて、
    その場の雰囲気を感じることが出来ます。

    ちょうどこの本を読み終えたとき、靖国神社の
    すぐ近くで結婚式でした。翌日、なぜだか靖国参拝
    したいという気持ちになりました。

    それは二つの祖国の間に挟まれながらその人生を
    送った賢治の忠魂の気持ちなのか、激戦の中で
    日本の勝利のために命を捧げて逝った日本兵のことを
    思ってなのか、はたまた、勝者の裁きによって、
    死刑となったA級戦犯のことを思ってなのかは
    自分でもよく分かっていません。

    ただ一つ確かなのは、人々をこうやって引き裂いてしまった
    戦争を繰り返してはいけないんだというその祈りを
    捧げたい。そんな気持ちが芽生えたということだと思います。

    今また戦争歴史観が話題となっていますが、
    結果的には、アジア諸国に対して日本が侵略行為と
    取られる行為を行ったというのは覆しようのない事実です。
    しかしながら、その時々を生きた人たちにとって、
    自分の立場でそれぞれが正義だと信じる路を歩んだんだと
    思っています。
    国家のレベルと個人のレベルでは分けて論じるべきかと。

    http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2008-11-02

  • 山崎豊子さんの本は徹底したリサーチでその舞台を見事に描きだすし、綿密な状況描写で人物の心理状態をうつし出すのも素晴らしいとは思うのだけど、後半は延々とその緻密さで裁判のやり取りが繰り返されるのに食傷気味。ま、頭が疲れてて、集中力に欠けてるときに読むべきじゃないってだけかもしれないけど。改めて読んでみたら、もっと入り込めるかもしれないけど。Nov 29, 2009

  • 矢野提供本。

    私が好きな本の ベスト3に入る本です!
    重く暗いテーマですが、人間の強さともろさ、希望と絶望・・そんな相反するものが、常に隣あわせにあります。
    天羽賢治の生き様は、なぜこんなにもせつなく、心に響くのでしょう。。。

  • 古本屋で(上)(下)巻セットで売っていたので買ってみた.
    ら,なんとこの作品は(上)(中)(下)の3巻セットだった・・・
    (上)を読み始めたらもう止まらなくなり,図書館から(中)を
    取り寄せてなんとか完読しました.

    日系二世がアメリカで戦時中どんなに大変な目にあったのか,
    ぼくは初めて知りました.ベストセラー作家の作品な上に
    1984年に大河ドラマ「山河燃ゆ」として映像化もされて
    いたので多くの人は知っていたことだと思いますが・・・

    主人公の日系二世である天羽賢治のモデルになった人が
    実際にいるようで,「二つの祖国」「モデル」などで
    ぐぐるとでてきました.

    • ryoukentさん
      おおなんと20年程も前の感想文ではないですか。凄いですねー!しかし20年も前からググルという言葉はもうあったのですね。アッパレ!Google...
      おおなんと20年程も前の感想文ではないですか。凄いですねー!しかし20年も前からググルという言葉はもうあったのですね。アッパレ!Google!
      2024/07/30
  • 日系アメリカ人が第二次世界大戦の中で、二つの立場、二つの思考、二つの差別、二つの国に板挟みにされながらも、強く生きていく話です。
    しかし兄弟でアメリカ軍側と日本軍側に分かれたり、アメリカ側の人間として、国際裁判の通訳をしたり、非常に複雑な時代の中で生きるしかなかった人たちがいたんだなと思いました。
    血と国籍が戦争するという、どちらにとっても敵扱いを受ける立場は、何とも言えぬ悲しみがありました。

  • 登場人物の名前が異なるが、不毛地帯と重なる部分があることに気付いた。はじめに登場人物などは架空の人物であるとのことわりがあるが、どうやらこの作品では実在の人物をモデルに本名で記載しているらしい。二世であるがゆえ、日本人からもアメリカ人からも責め立てられる兄弟、戦場で敵として相まみえるシーン、読んでいてとても辛くなる。さらには帰国していた在米日本人や二世であるその子供たちも原爆の被害を受けるが、昔、カナダ人の英会話の先生に日本人だけが被爆者ではない、と言われたことを思い出した。

  • ヒロシマへの原子爆弾が投下されるところが描かれますが、そこを読んでいるところで、ちょうど、今年の終戦記念日を迎えました。今年は終戦79年。感慨深いものがありました。

  • 個人的には中巻がピーク。舞台がWW?なので痛覚が鋭敏になるけど、兄弟が敵味方に分かれて戦うというのは、有史以来見られるテーマかと。ずーっと、真田家(信幸と幸村)を思いながら読んだ。

  • 天羽賢治と忠の関係修復はならず、梛子とひかれあい関係が深くなる。そこにエミーが2人の子供を連れて来日するという。これからどう展開するのか?

  • 下巻でレビューを書きます。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまさき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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