沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104263

作品紹介・あらすじ

広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命-。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける。

感想・レビュー・書評

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  • ●若かりし頃、人事部で労働組合窓口を担当し、労使関係を学びました。それもあり、五巻を読破しました。
    ●主人公は労働組合幹部を勤めたばかりに、会社からひどい仕打ちを受けます。そんな会社が存在するとは、意外です。会社と労働組合は、Counter partner として、相互牽制により、社員の幸せに繋がる施策を推進する事が使命です。勿論、お客様第一は言わずもがです。
    ●他にも、御巣鷹山篇は航空事故の悲惨を考えさせます。是非とも一読を‼️

    • ダイちゃんさん
      みきっちさん、今晩は。ダイと言います。コメントして頂き、ありがとうございました。みきっちさんの「沈まぬ太陽」のレビューを、5巻全て読ませて頂...
      みきっちさん、今晩は。ダイと言います。コメントして頂き、ありがとうございました。みきっちさんの「沈まぬ太陽」のレビューを、5巻全て読ませて頂きました。特に、御巣鷹山編のレビューは、良かったです。みきっちさんの素直で飾らない気持ちが、文章に滲み出ています。私のレビューはビジネス的なので、勉強になります。今後もよろしくお願いいたします。
      2022/02/13
    • みきっちさん
      ええ〜〜!ありがとうございます!飾りたいけど飾れない私!?ですが、よろしくお願いします!
      1年前突如息子のオススメ本を皮切りに読書にどハマり...
      ええ〜〜!ありがとうございます!飾りたいけど飾れない私!?ですが、よろしくお願いします!
      1年前突如息子のオススメ本を皮切りに読書にどハマりしました!ダイちゃんさんの本棚もまた覗かせてもらって、幅が広がればいいなと思います✨
      2022/02/13
    • ダイちゃんさん
      返信して頂き、ありがとうございました。
      返信して頂き、ありがとうございました。
      2022/02/13
  • 【感想】
    主人公はアフリカ駐在の職員。
    アフリカ象のハンティングから始まり、そもそもこれって一体何の物語なのかと思案した。
    どうやらエリート中のエリートである職業である航空会社の社員ながら、僻地であるアフリカで働いている主人公。
    何か左遷の雰囲気が漂っているが、一体なにがあったのだ??
    と、気になるところから物語はスタート。

    東大卒のエリートなのに、何があってこのような事態に陥ったのか?
    同期である行天とは何があったのか?
    そう感じていると、物語は急に回想シーンへと移り変わってゆく

    まずは労働組合会議という闘いの熾烈さ。
    そもそも何度も辞退したリーダーに勝手にされた不運さは可哀相。
    そしてやるからにはと頑張って行なった活動が、結果自分の首を絞めてしまうことに・・・
    その組合会議で、堂本という謎の男との出会い。(堂本とは一体何者?)

    結果、組合では活躍したものの、報復人事を受けてパキスタン・カラチに。
    パキスタンでの凄まじい生活環境、カースト制、荒んだ職場環境と人間

    2年間の流刑という言葉を信じ、壮絶な環境でも仕事をこなしていく恩地。
    しかし、その約束は決行される事無く、イランへの赴任が決まる・・・

    主人公・恩地は稀に見る正義漢で、労働組合という望んでもいない与えられた仕事にすら実直に取り組み、それが原因で不当人事の身にあうという悲惨な男。
    おそらくスペックは非常に高く、期待されていた人間だったのだろう・・・
    不器用で、まっすぐだけど、確かに管理職からしたら面倒くさい存在だろうなあ。
    実際こんな奴と一緒に働きたくねぇし。笑
    こういう人がトップだったらイイ組織で非常に楽しいんだろうけど。

    そもそも、労働組合ってこんなに血気盛んな場なんだなと改めて実感。
    「アカ」とか「共産党」という言葉に時代を感じるが、日本の昭和後期はリスキーでブラックで面白そうな時代なんだな!


    全5巻というコンパクトさからも、今後に期待が高まる1作!


    【あらすじ】
    広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。
    恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。
    エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。
    人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。
    人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける!


    【内容まとめ】
    1.主人公は東大卒エリート、しかし今は訳あって流刑に処される・・・
    2.航空業界、昭和ならではかもしれないが、こんなにドス黒い業界なのか。
    3.行天、堂本との今後の争いに期待が高まる!!(てゆーか、行天は簡単に堂本にしてやられすぎ。)


    【引用】
    p309
    夫から、郷に入れば郷に従えと口酸っぱく云われているが、親子4人の家庭に6人もの使用人がいることは、子供の教育上からも好ましくない。


    p335
    行天のサンフランシスコ支店赴任の内示
    サンフランシスコ支店は、将来のニューヨーク路線を踏まえたアメリカ最重要拠点の支店であり、これ以上の栄転はない。
    かつての組合委員長をカラチへの懲罰人事で左遷し、組合と袂を分かった副委員長は陽にあたるサンフランシスコ支店へ抜擢…
    これほど明暗を分けた人事はない。


    p394
    あと2ヶ月で任期を終えるはずが、突如としてイラン・テヘラン支店開設委員という内示が出ようとは…

    それを桧山社長自宅直送で抗議文を出したがなしのつぶて…
    結局内示は変わらず。

  • 5巻にて感想。

  •  登場する会社名は国民航空となっているが、話の展開から恐らく日本航空を描いた作品であることは察しがつく。大会社の内情とそれに翻弄されながらも自らの信念を貫く一社員の格闘を描いた全5冊の巨編小説。本書はその1冊目。
     アフリカ篇となっているが、本書は主人公が何故にアフリカに派遣されたのかをそこに至る経緯を中心に描かれている。アフリカ在中を現在として、過去を振り返る形をとっている。
     労働組合と大会社の対立、それに対する非情なまでの報復人事。その一方で、それを利用してうまく立ち回る人々もいるのも事実。報復人事をまともに喰らった主人公はいかにするのか。そこまでして会社に居残る理由は?働くことの意味合いを考えてしまう。

  • WOWOWでドラマがスタートして第1話観たら面白くて、原作も気になって読み始めたっていう単純な理由(笑)

    主人公の恩地さんは間違ってないんだよな(愚直で融通が利かないのが、あれだけれど)業績が右肩上がりの会社、だけれどもそれ故に現場で勤務している人間に強いられる勤務環境、給金もろもろ。。。これ、今でいうブラック企業に近いよなぁ。
    この時代から現在に至るまで、変わってるようで根底は変わってないんだな、この国の労働環境って。

    しかも、上に逆らえば僻地に飛ばされたり閑職につかされたり。逆に上に上手く取り入ったり、金で解決させて昇進したり。。。
    この1巻でも、上の人間の汚い、醜い部分がえぐり出される様に描かれていて私まで、腹立たしさで地団駄踏みそうな勢いになった。
    恩地が不遇の道を歩まされる事が読んでてとても辛いのだがこの先、彼がどの様な生き様を描いていくのか気になるので引き続き2巻も読む予定。

  •  以前、アマゾンのPrime Videoで無料で見れていたが、いつの間にか有料になっていた。
     エピソード1の途中まで見ていたが、有料なので見るのをやめた。
     Prime Videoの「沈まぬ太陽」は本書の内容とほぼ同じだった。
     本書を読み終わって、恩地元への報復人事の酷さに、思わず「ひどいなあ」と呟いてしまった。
     現在では、コンプライアンスの面から、考えられないことが昭和の時代には普通に起こっていた。
     「報復人事」という言葉が普通にまかり通っていた時代に、恩地元の生き様は不器用ではあるが、信念を通す生き方に感動を覚える。

     国民航空本社では、飛行機事故が起き、事故隠しを行い、果ては美談にすり替えるという操作が行われていた。
     恩地は、この事を組合委員長の沢泉からの航空便で知らされた。
     アフリカ篇(上巻)はカラチの劣悪な環境に耐え、2年の任期を終え、日本に帰れると思っていた恩地が、今度はテヘランへ飛ばされる、報復人事で終わる。

     アフリカ篇(下巻)は報復人事による、さらなる苦難が恩地を待ち受けている。
     物語とはいえ、事実を題材にした内容に、憤りを覚えつつ、下巻へ。

  • 報復人事かぁ…昭和の時代にはまかり通っていたことなのか。令和の時代にもあるのか。
    実直に自分の職務に向き合っただけなのに、上司に睨まれ僻地に左遷。こんな会社は許せないとは思うが、どうしてもっとうまく立ち回れないのかとイライラもする。自分の信念に正直すぎて、エリートコースから脱落し、家族にも迷惑をかける…昭和の男の価値観は複雑だ。

    アフリカの夕日の雄々しさ、自然の荒涼感、野生動物の躍動感の描写は素晴らしく、オレンジ色に染まった景色と黒く染まったキリンのシルエットが、まさに眼前に広がりました。

    2巻が楽しみだ。

  •  様々なサイトで評価の高い作品。5巻の長編小説に気後れしたが、思い切って読み始めて良かったと思う。必ず先を読みたくなる。

     経営や体裁を一番に考え、人権や健康をむしばむ凶器である組織と戦ってきた恩地元。

     男として信念を曲げない生き方は、家族、出世、友情、といった多くの犠牲を伴い、想像を絶する過酷で苦しいものであったであろう。しかし、彼を応援する多くの組合員が存在することは事実だ。応援は財産。自分も、彼を応援し続けながら読み進めていきたい。

    全巻の感想は五巻へ

  • 一巻ということで恩地は辛い目ばかり。
    自分がもっと若い頃ならば、この恩地に共感して憤っていたかもしれないですが、この年で読むと、なぜもっとうまく立ち回れないんだろう、結局周りの人まで不幸にしているじゃないかと、感情移入できません。恩地の最後の最後まで詰めてしまうところ、欠点だと思います。

  • 組合員、、、高校を出て就職した会社で年一回組合の集まりでスーツを来て三重から名古屋まで行っていた事を懐かしく思った。

    当時組合とはなんぞや?のまま言われるがまま参加し一回りも上の先輩お兄さん達がまとめてくれていたが、さらにその上のリーダー達が実は会社と振り幅は違えど大変なやり取りをしてくれてたんだなぁ、!としみじみ。

    主人公の恩地の人柄の良さ実直さ、強すぎるほどの正義感、、、それが故におそまつな経営陣に振り回される。

    アフリカの広大な自然や職場や家庭での恩地の姿が鮮明にイメージ出来き、読む手が止まらなかった。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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