沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)

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レビュー : 222
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104294

作品紹介・あらすじ

「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった…。

感想・レビュー・書評

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  • 国民航空再建のため、総理の要請を受けて関西紡績の国見正之が新会長に就任した。
    空の安全を確立するため、4つに分裂した組合の統合が何よりの急務であると熱く語る国見の姿には、恩地と同じく僕も胸を打たれた。
    これまで労使双方のことを本当にちゃんと考えてくれる経営者がこの会社にはいなかったから。
    国見さんがあと1年早く国民航空に来てくれていたら、あの事故は起こらなかったのではないかと思う。

    飛行機に乗る側にとれば(2回しか乗ったことないけど)離着陸が成功するなんて当たり前のことだけど、機長、副操縦士、航空機関士をはじめ、それに携わる人たちは極度の緊張状態の中で仕事をしているのだということを知った。
    パイロットの仕事のきつさを知るためコックピットに搭乗した国見会長は本当に立派な人だと思う反面、扉1枚開ければ出来ることをしてこなかった今までの役員は一体何なんやろうと思った。
    山崎豊子さん、本当にコックピットの中に入って取材をしたのかな?

    大きな目的を達成するために新たに会長室を設立した国見さんは、そこの部長に恩地を招いた。
    10年間海外の僻地を盥回しにされてきた恩地がようやく日の目を見ることができ、国民航空も良い方向へ動いて行きそうだなと思ったら、どうやら一筋縄では行かなさそうだ。
    政治家、官僚、会社の重役がみな私腹を肥やすことに専心し、国見さんの邪魔をしようとしている。
    次から次に不正が暴かれ、人間の汚い部分を散々見せつけられて、ウンザリしたし怒りが込み上げてきた。
    この会社は腐っている(フィクションであると信じたい)。
    こんな大人には絶対になりたくない。
    国見さんも恩地さんも、自分のことしか考えていない愚かな連中に負けず王道を進んでほしい。
    □□□□
    レビュー400件到達!
    やったね☆
    500件、1,000件を目指して、これからも続けていきたい。

  • 腐りきった組織。でももし自分が同じ環境にあったら正義を貫けるだろうか。

  • 上下巻600ページの小説でしたが、読了。
    主人公の歯がゆさが常に感じられる作品。
    生きることの難しさを感じながら読みました。
    最後もまた、予想外のことが起こり、
    前を向いて生きること大切さ、しみじみ感じます。

  • 4巻目にしてようやく本題に入ったという感じ。
    新社長派と旧国航体制派との対決。

  • 2018/11/6-11/18
    この話って本当にあったの?!って読みながら何回も思う。早くJALについて詳しく調べたい衝動に駆られているが、全て読んでからにしようかと。
    今のようにコンプライアンスもなければ、アナログでの処理が当たり前の世界では抜け道だらけだったんだろうなと思う。関係会社にもいるけど、上の人しか見ない体質、気持ちが悪い。彼らの仕事に対する意欲などは本当にあるのかと聞いてみたくなる。単なる自己満足、ステータスが上がればいいのかなぁ??
    訳の分からないスジだったり、交友関係など、本当に邪魔なだけ。今思えば、今の働き方ってだいぶ良くなったってことなんだよね。今も意味分からないことは多いけど、この時代に比べればマシ。

  • "正義感だけでは、世を正すことがとてつもなく困難な様が描かれている。不条理がまかり通る世界で過ごさざるを得ない状態に身を置くことを考えてみた。賢い人は、その組織を去るのだろう。残るにしても気持ちを曲げてまで組織に残らざるを得ない人は病んでいくほかない。清く動けばつぶされる。
    今2012年にこの小説を読みながら、過去にありえたことなのか疑いたくなるほどの世界がここにある。"

  • # 4巻は文庫版で読む

  •  御巣鷹山事故後、利根川総理(中曽根)は国民航空(JAL)の立て直しを図るために新会長を国見に依頼する。会長就任から時を経て国見と、利根川総理、影の参謀といわれている龍崎との新橋料亭での会話(P396~)この龍崎とは、山崎豊子の小説『不毛地帯』に壱岐正としても登場する人物である。

     後もう一つ、賄賂で腐敗しきった会社の上層部に億の金を用意する格安旅行代理店の風雲児フランクこと永井藤夫ってHISの創立者、澤田秀雄のことか・・・ネットで調べてみるがヒットでず。なにやらきな臭いにおいが(あくまで小説のはなし)

  • なかなか陰鬱とした気分になる内容。
    いかにもこいつら悪いことしてます!って内容が満載だけど、実際JALってどうだったんだろう

  • 国見会長と恩地の会社の立て直しは前途多難。あれだけの悲劇を起こしながら、想像を絶するほどの私服を肥やす魑魅魍魎たち。どう対抗していくのか。

  • 腐りきった会社の体質。

    御巣鷹山の悲劇。
    あの惨劇が再び起きなかったことが奇跡のようだ。

  • 「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった……。

  • 国見会長を迎え、”普通の企業”へスタートを切るも、前途は多難。

  • 機長全員を管理職にすることなどできるのか?労働法上管理職の要件は?

  • 第5巻でまとめて

  • ますますイラつく4作目。ほんとうに酷い会社・・・ 最後ももやもやが残るんだろうなあ、実際のあの会社の話だし。ああ、やだやだ。

  • 事故当時の機長たちの様子の描写がリアルで、
    恐ろしかった
    続きを購入予定

  • 奥深いよね、山崎豊子さんの小説は。

  • これが本当に実話なのだろうか、国民航空の悪役達の悪辣ぶりが生々しい。業務上横領をはじめ、愛人との営みの描写など、遺族が読んだらいたたまれないだろう。
    会社を食い物にする人物たちのヒドい行いがこれでもかと言うほど描かれており、最終巻で回収できるのかが不安になるほど。
    終盤の遺族たちの切なる叫びが胸を打ちます。

  • 御巣鷹山の日航機話

  • 恩地があまり出ない。

  • レビューは最終巻で。

  • レビューは最終巻にて。

  • 総理直々のお願いで国民航空のトップに立った国見会長の国民航空の立て直しのストーリー。この人すごいできる人間で理想主義者なのに、どれだけくだらない人間が国民航空に多くて足を引っ張りまくることか。マジ腹立つ。既得権益への固執、馴れ合い、ごますりとか本当にだっせーとか思うけど、そういう人間って多いよね実際。正直そんなことしても成り立っちゃうくらいこの頃って経済成長もしてるし、企業に余裕があるんだろうね。みんな頭よくて能力あるのに視野が外に向けられてなくて、内向きだから、どうでもいいことばかりに頭使ってて本当にあほくさい。あと時代が時代だからしょうがないけど、共産党嫌われ過ぎ(笑)
    もう本当にムカつきながら読んでるわ~。
    次ラストだけど、あと一巻で国民航空が立て直せるとは思えないな(笑)どんなラストになることやら。。。

  • 御巣鷹山の墜落事故を機に、国民航空を立て直すべく財界から手腕を買われた国見が総理を後ろ盾にして会長に就任する。恩地も会長室部長として重責を担うが、旧態依然とした会社を食い物にしていた勢力の執拗な妨害工作が繰り広げられる。しかも総理やその対抗勢力も国民航空から利権を我が物にしようと国見を送り込んだのだった。良識派の監査役による長期の為替予約(その巨額の為替差損は副総理の蓄財に利用された)や子会社の不正が次々と明らかになるも、それは政府首脳の望んだことではなかった。そして遂には国見は会長を辞任、恩地はナイロビへ左遷される。しかし結局東京地検特捜部が出てきて幕引きとなるのだが、この終わり方は無いでしょう。まぁ当時は良かったのだろうけど…

  • 前巻で史上最悪な飛行機事故を起こしてしまった、国民空港。
    特殊法人な故に、総理大臣ご指名の別会社の会長が、
    国民空港の会長に就任し、腐りきった社内改革のために奮闘する話。

    4巻では、会社の役員やグループ会社の役員の
    利権に溺れている様や、癒着の様子、金策の様子など
    事故を起こした会社とは思えぬ腐敗っぷりをたっぷり披露する1冊となっています。

    会長室に呼ばれ、組合統合に奮闘する恩地さん、
    海外から戻ってきても、色々苦労続きの話が続きます。

    4巻は5巻に向けた前ふりの一冊であったかもしれません。
    正直何も進展しないのが本作です。

    でもそのため最終巻がどう終わるのかが非常に気になります。

  • 一転して、国民航空内の暗闘が描かれる。これまでの派手さはないが、取材に関してや、その後のクレームのことなど、もっとも困難が伴う巻なんじゃないだろうか。こういうことも含めて書ききってしまう山崎豊子さんの執念に脱帽。

  • 3巻位からぐいぐい引き込まれ、4巻も私にしては早めに読破。
    大会社及び政治家の世界って本当に黒い。
    魑魅魍魎。

    今も変わらずなんだろうな~。と
    政治資金不正の話がTVで花盛りなだけに、思ってしまう。

    今、本当にクリーンな政治家なんて1人でもいるのだろうか??

  • まとめて書きます。

  • サラリーマンとしては、コメントするのも恐ろしすぎるので割愛します。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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