沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 281
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104300

作品紹介・あらすじ

会長室の調査により、次々と明るみに出る不正と乱脈。国民航空は、いまや人の貌をした魑魅魍魎に食いつくされつつあった。会長の国見と恩地はひるまず闘いをつづけるが、政・官・財が癒着する利権の闇は、あまりに深く巧妙に張りめぐらされていた。不正疑惑は閣議決定により闇に葬られ、国見は突如更迭される-。勇気とは、そして良心とは何かを問う壮大なドラマ、いよいよ完結へ!。

感想・レビュー・書評

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  • 5冊に渡った沈まぬ太陽の最終巻。

    総理大臣の依頼で責任者になった国見会長と、会長室部長の恩地さん、
    その他利権に目がくらんだ人たちの人間模様が展開されます。

    もうどんどん状況は悪化していく感じが、非常にスリリングでした。
    最後どうなるのかと思ったら、総理大臣自体が利権を行使して、
    国見会長を更迭し、その後恩地さん自身も再び海外に飛ばされるという始末。。。

    もう最悪としか言えない中、命を懸けて発信した社員の告発で、
    いよいよ様々な利権に司法のメスが入りそうな部分で、
    本作は終わります。

    一網打尽にされて、すっきり終わってほしい気もしましたが、
    最後まで追い詰められても本当に沈まない恩地さんに関心します。

    恩地さん自身が国民航空の太陽なんだということが最後まで読んで
    改めて伝わってきました。

    フィクションとノンフィクションの融合の小説なので、
    リアリティが最後までありすぎでしたが、傑作だと思いました。

  • いよいよ最後、読んでて国民航空の上層部には腐ったやつらしかいなくて、どいつもこいつも最後にはズバッっと粛清されて会長と恩地が勝つのを信じて読み進める。ページがどんどん少なくなって、おいおい、一気にひっくり返すのか?と思ったら、会長辞任、問題解決してない。もっと残りページが少なくなる、恩地が再びアフリカに左遷に、出発直前に悪事発覚で全員捕まって左遷はなしか!?と思ったら、一部は発覚するが恩地はそのままアフリカへ。
    なんという中途半端な結末!・・・ここまで読んでこの終わり方はないわー。悪いやつらを一網打尽にしてスッキリ読後感を期待していたのだがめちゃくちゃ消化不良でトホホ・・・

  • 最終巻。
    あれだけの惨事を起しながら今なお反省もなく、国民航空の役員および政治家と官僚たちは利権を貪ることばかり考えている。
    雑誌記者に国見攻撃をけしかけた国航開発社長・岩合宗助。
    国見会長の辞表を受け取らず、策謀をめぐらせて更迭扱いにした利根川総理。
    そして、恩地をまたも僻地ナイロビへ追いやった広報部長の行天四郎。
    もうホンマに許せん!!!!!
    小説を読んでこんなにも怒りが込み上げてきたのは初めてだった。
    奴ら全員にスーパーパンチを食らわせたい!

    「末期癌」と形容されるほどに腐敗しきった国民航空。
    国見会長があまりにかわいそうで、こんな会社放っておいて関西紡績に帰ればいいのにって何度思ったか知れない。
    それでも空の安全のために自らの信じる道を進んだ国見さんは本当に人間の鑑だと思う。
    恩地が会長室部長を辞任する意向を述べると「このような理不尽にも、私がなぜ耐えているか、君なら解ってくれると思う」と説き、また、海野社長および三成副社長には「君たちは、そうやって、寄ってたかって臭いものに蓋をし続けるのか!」と吠えた。
    勇気、良心、正義とは何かを国見さんに教わった。
    正しいと信じるものがあって、それに賛同してくれる人が1人でもいるなら、いわれなき非難にも耐え抜いて進み続けなければならない。
    国見会長のように寸暇を惜しんで、身命を賭して仕事ができたら素敵だろうなあと思う。

    □□□□□

    読み終えた後、図書館で1985年8月の朝日新聞縮刷版を見て、母に当時の話を聞いた。
    新聞には小説に出てきた河口博次さんの遺書が載っていて、何とも言えない悲しい気持ちになった。
    事故原因については後部圧力隔壁の修理ミス説が最も有力であると判断されたようだ。
    事故から25年、僕も25歳の今年、この作品に出会えて本当によかったと思うし、心血を注いで取材に取り組み、航空史上最大の事故を小説にして後世に伝えてくれた山崎豊子さんに感謝したいと思う。

  • 正義と信念の蟻は長年はびこる魑魅魍魎に勝てず、か…。

  • 読みながら泣いてしました。

    色々考える事がありましたが、伏せさせて下さい。
    言える事は、日本人として読まなければならない本、知っておかねばならない事だと思います。

  • 最後もハッピーエンドで終わらないことも、この物語らしい。
    今後の生き方に対して、とても勇気付けられる本

  • 一~五、素晴らしい小説だった。

  • 「御巣鷹山事故をこのまま風化させてはならない。(中略)許されざる不条理にたち向い、それを書き遺すことは、現在を生きる作家の使命だと思った。」とあとがきにある通り、主人公・恩地と同様に著者も多くの理不尽さに立ち向かって書かれたものと思う。まさに、御巣鷹山事故を知らぬ自分のような人間が知るべき痛みに満ちていた。

  • 面白くなくはない。というところでしょうか。
    小説としては★3というところです。
    行天がニューヨークでホテル買収の情報を一足先に持ち帰り
    何かことを起こすかと思えばそのことについて何も書かれていなく、
    おや?と思ったことなど、あれはどうなったんだろうというところがある。
    しかし、あとがきを読んで評価が変わりました。
    山崎豊子さんの取材はすごいというのは聞いていましたが
    膨大な取材から得られた事実を元にしたフィクション。
    その事実の部分の重みはずしりときます。

  • 2018/11/18-11/22
    やっと読み終わった…。あとがきを読むとこれがほぼ本当にあった話だと言うことがわかるが、酷いね。酷すぎる。
    権力を持ってしまうと人は変わってしまうものだということがよく分かる。ちょうど日産のカルロスゴーンが逮捕されたところも重なった。
    リーマン的に言うと、「根回し」というのが勉強にはなった。これを正しい方面で活かしたいと切に思う。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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