- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101104317
感想・レビュー・書評
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(上下巻合わせてのレビューです。)
久しぶりの山崎豊子。やっぱりテッパンです。
姉妹3人の遺産相続にからみ、その周囲も巻き込んだドロドロ劇に
読み手である自分もあっという間に飲み込まれていきます。
山崎豊子のやり口が分かっているだけに、何となく先の展開が読めてしまいますが、
それでも面白い小説であることには変わりありません。
眠い目をこすって、あっという間に読んでしまいました。
残念なのは、著者がもう亡くなってしまっていて、
こんなにも素晴らしい小説にも作品数が限られているということ。
もっともっとたくさんの小説を生み出して欲しかった。。
全ての作品を読み切るのがあまりにもったいないので、
チビチビ読み進めることとします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あまりいない同じ名前に惹かれて購入。
面白くなってきましたね。最初は言葉も難しく、調べながら読んだ。不甲斐なし。
女三兄弟は犬神家もそうだが、お互いを牽制しつつ、結束するとどこまでも酷い事ができて面白い。一癖も二癖もある宇市さんと共に、今後どの様な展開になるのか楽しみ。 -
本は自分の頭の中で登場人物の表情を想像してるなぁと当たり前のことを再認識した。
人間の欲とエゴ、それが露わになった瞬間の顔が、これを読んでて感じ取れた。
そしてそれを感じ取った時、おぞましかった。
この人の善人だと思ってたけど、違うかも!みたいな。
もはや、人間に善なんてものはないのではないかな。
山崎豊子さんの本は読みやすくて面白い。
女性や大阪を舞台にしたものが多いから、なお親しみが持てるのかも。 -
舞台は大阪・船場の代々続く米問屋。「御寮はん」だの、「大番頭はん」だの、いつの時代やと思ってたら、なんと昭和34年。戦後!?「わろてんか」に似てるから明治かと思った。主人公は三姉妹。次女が婿を取って家を継ぎ、三女は未婚、長女は・・・出戻り居候・・・うちと似ているところもあるけどこうはならないようにしよう。こわこわ。
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藤代さんのキャラクターがイマイチ定まってないように感じる。
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面白くて一気に読んでしまった。
作品に出てくる日本の美、景色、食事、着物を実物として思い浮かべることができなくても(着物の種類など知らないし)、その贅沢さ、美しさを感覚的に感じられ、ひきつけられる。
女性の強さとは、欲と直結していて怖い、けれども人間らしく、そして美しいと感じられる作品である。
暫くの間は、愛犬に話しかけるときに「~でおます」といってしまうだろう。 -
五年位前に読んだ本だけど、今だに強い印象が残ってます。どろどろ、べたーっとした人間関係だけど、最後は爽快。山崎豊子さんの本で、唯一最後がスカッとした。
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さすが山崎先生!先生の書くどろどろの愛憎劇はハズシがありません。
ワクワクするほどドロドロです。
大阪船場の老舗木綿問屋、矢島屋は代々跡つぎ娘に婿養子をとる女系家族。
四代目の主人が亡くなったときには既におかみさんは他界しており、
その遺産を娘三人で分け合うことになる。
美人三姉妹がお互いをだまし合い、けん制しあって骨肉の争いを始める。
そこに腹黒い大御所番頭はんが加わって、事態はいっそう悪化。
お金があり余るほどあるのに、まだ取り合うのかね。恐ろしわぁ。
「女系家族」はTBS系でドラマ化されていたのですね。見逃した〜
三姉妹が高島礼子、瀬戸朝香、香椎由宇
三人の着物姿は見事だったでしょうね。
行事の度ごとに艶やかな着物で登場するサマは、小説の中だけでも充分圧巻です。
映像で見たかったなぁ。テレビドラマでどこまでお金をかけられるか、という問題はありますが。
亡くなった主人の愛人に米倉涼子。したたかな女が定着してきましたね。
「でっしゃろ」「おます」「さかいに」「そうだすな」
今でも船場ではこんな言葉を使ってるのかどうかは知らないけれど、
京言葉と同じく耳障りがとてもいい。
美しい姿と美しい言葉、なのに根性がねじまがっているアンバランスがおもしろかった。