白い巨塔〈第3巻〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104355

作品紹介・あらすじ

財前が手術をした噴門癌の患者は、財前が外遊中に死亡。死因に疑問を抱き、手術後に一度も患者を診察しなかった財前の不誠実な態度に怒った遺族は、裁判に訴える。そして、術前・術後に親身になって症状や死因の究明にあたってくれた第一内科助教授の里見に原告側証人になってくれるよう依頼する。里見は、それを受けることで学内の立場が危うくなることも省みず、証人台に立つ。

感想・レビュー・書評

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  • 山崎豊子はいつも「しがらみ」をテーマにしていますね。現実にも似たような話がどれくらいあるんだろう。
    もう40年以上も前の小説なのに全然「古さ」を感じさせません。

    自分が里見教授の立場だったら同じように法廷で真実を語れるだろうか。
    そのポストを手に入れるのに苦労をすればするほど保身に走ってしまうのはよくわかります。

    それから敬語の勉強、若造の権威者に対する立ち居振る舞いの勉強になります。

  • 前半のドイツ訪問時のアウシュビッツ見学の際に、主人公が感じた凄惨さと、後半での受け持ち患者の死に至る経過の中での自身の感情が、同一人物かと思われるほどの差を見せます。利害関係が発生した時の自己防衛、自己を正当化し保身に走る心理は分からなくもありません。原告側の人々の心理と、真実を追究する姿勢の対比が素晴らしいと思いました。裁判での唐木教授の証言にも心打たれました。

  • ハイボールがよく出てくる。

  • 3巻目は裁判ですね。裁判ものは、現実を読ませて置いた後にそれをトレースする展開なのでそれぞれの立場による思いや、嘘や真実がないまぜになる展開に興味がでるが、それよりも知った内容の再現が筋なので判決に興味が集中してしまい中だるみを感じる。そして判決は自分としては少し意外な結果に。要は患者の家族が精神的なケアをされなかった点が原告の訴えのポイントであり、そうであれば判決は妥当ともいえる。
    それにしても里見助教授は浮かばれないですね、この時点では散々です。もちろん、自分が患者やその家族だった場合は里見先生にお願いしたいですね。
    話の筋とは違うので無理やり感はあるが、ドイツのアウシュビッツ収容所での描写は作者が特に書きたかったのでしょうね。それとも、その後のストーリーに少しは絡むのでしょうか。

  • 【23/150】長い下積みを経て得た地位や権力を手放すのは、何よりも代え難い・・・のだろう。そんな心理を絶妙に描いている。しかしその欲望は絶えることがない。1つ登るとまた次の欲がでる。結局いつも飢えている・・・。

    今の地位から転げ落ちると、「もう立ち直れない、人生が終わる」と考えている人にとっては、なにがなんでもしがみつきたいと思うのだろうな。

    小説だけど、この人間の心理はリアルだ。

  • この巻を最後まで読んでこのタイトル『白い巨塔』の意味の深さが分かったような気がする。医者とはどうあるべきなのか。里見がいう高貴な精神ももっともだと思う。ただその反面医療が高度化したとしてもそこにはやはり治せないものもあると思う。そういう意味においてあの裁判の判決自体は実に的を得ていたと思ってしまった。それはいけないことなのだろうか。里見の立場、財前の立場それぞれがよく分かった。これから財前があの判決を胸にどう生きるのか、4巻が楽しみ。

  • 非常に面白い読み物でした。
    医者ではないのに、医療界のゴタゴタをこんなにリアルに
    描ききるなんて、山崎豊子さんすごいです。

  • 五郎が一番輝いた時期ではないでしょうか。前半は招待された外遊の出来事が主で、後半は医療ミスを訴えられた五郎が集との財力、教授の権力を駆使して裁判に挑む。

  • 学問の国境がないというのはうそです。現にここでは、人間の命を救う医学においてすら、東と西の国境がある。
    英語によってこの収容所の惨状を描くことは到底不可能である。彼らは死んでいった、自由のために、正義のために、名誉のために。

  • なんか面白くなってきた
    これだけ色々は人たちの心情をうまく書き分けて、専門的なこともしっかり書いているのはすごい。。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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