白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.02
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本棚登録 : 2244
レビュー : 170
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104379

作品紹介・あらすじ

開始された医事裁判の控訴審は、原告側弁護人や里見たちの献身的努力によって、予断を許さない展開に。そして、財前自身の体に不吉な病魔の影が…。厳正であるべき"白い巨塔"大学病院の赤裸々な実態と、今日ますますその重要性を増している医事裁判に題材をとり、徹底した取材によって、人間の生命の尊厳と、二人の男の対照的生き方とを劇的に描ききった、社会派小説の金字塔。

感想・レビュー・書評

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  • Kindleのprime readingにて一巻が無料であったため、よく聞くタイトルでかつ医学についての知識がつきそうだな、ということから読み始めた。読むのが遅い私だが一巻は思いの外スラスラと読めてしまった。2巻からは有料となるがAmazonの思う壺だとわかりながらも、この最終巻まで読み終わる事に購入していった。

    昭和45年たりの話という事で、私にとって2世代昔の大阪での医療政治の話という風に捉えて作品を見た。

    特に、最終巻での裁判後の急展開には非常に驚かせられ、最終章はまさに5巻分のフィナーレを飾るような見事な結末であった。特に最後、夏の打ち上げ花火のようにクライマックスで上手く輝く作品であるという点において、ここまで人気で訳が頷けた。

  • ハイボールがよく出てくる。

  • 医者のミスかどうか、医者の倫理、を裁判で問う。ワンマン社長が急に亡くなり、残された家族の生活と執刀した教授の生活の差、大学病院の封建的な仕組み風土、教授を取り巻く思惑、それぞれの弁護士の思い等、丁寧に描かれている。一審は財前教授方の勝訴、いざ控訴審は…佐々木側の勝訴。しかし、財前教授は、すでに末期癌。センセーショナルな結末。

  • さすが、不朽の名作といったところか。
    病院だけではなく、大学内の権力闘争、裁判と。
    たくさんの要素が複雑に絡み合う。
    このはなしが、文学部を舞台に~などでは大分難しいだろう。
    テーマのチョイスも素晴らしい、

    このあとで、動画サイトで田宮二郎版をみるとまさしく財前がそこにいた。

  • 232
    本書が刊行されたのは1965年。当時は今ほど医事裁判はなかった。なのにこのリアリティー。加えて、著者が医療関係には全く素人であるというのに、綿密に取材され出来あがった本書。凄いとしか言いようがない。
    同著者、読了2作目。

  • 環境に左右されない確固たる自分自身を持った生き方に勝るものはない、里見医師。 対照的に、毀誉褒貶に振り回され、名誉と欲望を求め続けた財前医師。

    環境に適応することを目的に生きるのか、それとも使命に生きるのか。
    自分に甘く生きるのか、自分に厳しく生きるのか。
    一番大事なものは自分か、それとも自分以外の何かか。
    周囲には利害に群がる人間か、それとも心から信頼し支えてくれる人間か。

    花森ケイ子
    「あの人はすごい人やわ、もっさりした服装をしてぼさっとしてはるけど、心の厳しさというのか、何か侵しがたいものごあるわ、私みたいにどんな一流会社の社長にも、有名人にも体をはって、操縦しようと思えばできないことのない人間でも、あの人だけはどうにも歯が立たへんわ、だから、あんたも誰に勝っても、最後は里見さんには勝てないのと違うかしらー」

    弱い自分に打ち克てる人こそ、最も強き人なのだろう。

  • 裁判と学術選挙に追われ次第に余裕がなくなっていく様子が印象的だった。ケイ子の、今の財前はつまらなくなったという言葉が読者としても心に残る。また、これまでの財前の不運ともいえる長期にわたる裁判の原因を作ったともいえる里見を酷く恨みつつも、最後には最も信用して自身を診察させる場面は印象に残った。
    古い作品だけに、現代の医療からすると内容にギャップを感じるところもあるが、大学教授たちの人間関係をリアルに描ききった興味深い作品だった。

  • 完結。まさかの結末。いわゆる、悪人にはバチがあたるというか、勧善懲悪というか。輿論を気にして落としどころを探ったのだろうか。死を前にしてなお生に固執しつつも、自らの体を今後の研究材料にしてくれと頼むところがすごい。人の生死に真正面から取り組んでいる。なかなかできることではない。主人公の考えや行動は、作者の投影なのだろう。

  • 開始された医事裁判の控訴審は、原告側弁護人や里見たちの献身的努力によって、予断を許さない展開に。そして、財前自身の体に不吉な病魔の影が…。厳正であるべき“白い巨塔”大学病院の赤裸々な実態と、今日ますますその重要性を増している医事裁判に題材をとり、徹底した取材によって、人間の生命の尊厳と、二人の男の対照的生き方とを劇的に描ききった、社会派小説の金字塔。

    78年版ドラマでは駆け足になっていた結末が、じっくりと描かれる。全体としては、原作の持ち味を生かした、よいシナリオになっていたと思う。

  • 久しぶりに再読。40年以上も前の作品なのに、全く古臭さを感じない。現代にも通じるテーマがあるものの、決して説教臭く無く、物語として面白い。

    2019年6月4日
    再読3度目。相変わらず面白い。前回の再読から10年近く経っているが、全く古臭くならない。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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