女の勲章 (下) (新潮文庫)

  • 新潮社 (2005年12月21日発売)
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本 ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784101104393

感想・レビュー・書評

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  • 山﨑豊子の小説はドラマチックで面白い。
    この本はファッション業界における、女たちの虚栄心に満ち溢れた物語。
    人間の心の中のドロドロした部分がストレートにかかれていて面白い。
    私はこういう人間の心の汚い部分を書いた物語が好きなので楽しく読みました。ページを捲る手が止まらなかったです。

  • 「白石教授に式子を奪われまいとする自分の嫉妬と未練でもあったのだ。」
    この1文が泣ける。
    式子も銀四郎も、どっちも。
    異性に対する関係を、きちんと愛情として考えたことがなかった。それが不幸だった。

  • 船場を描いた小説から社会派小説へと繋がる橋渡し的な作品。主人公は従来の船場小説から出てきたような嬢さん育ち、だがその周囲の(年下の)キャラクターは、いずれも野心を秘め、白い巨塔や華麗なる一族以降に出てくるような要素を持つ。一方、(これも船場小説時代には目立たなかった)仏文学教授や記者のような、良心的存在もきっちり配され、以後の山崎作品の特徴が出始めてる。ストーリーとしては男女関係の泥沼があざとく、(良いキャラの)男の性格設定も非現実的な印象だが、一気に読ませる面白さは相変わらずで、ラストも伏線を活かしたうまい描写。何より、敗戦後15年という時期に、早くもファッションデザイナーの世界が舞台になってるのが驚き。

  • 価値観が現代と違いすぎて感情移入できなかった。
    銀四郎がクソすぎるが、彼の生い立ちなどなぜこんな人間になってしまったのかが全く想像出来ない。
    式子と白石教授の逃避行が現実から離れすぎ。

  • 昭和36年の作品と思えないくらい生々しく男女のドロドロした感情や煩悶がリアルに描かれている。山崎豊子作品は仕事のできる真人間の男性が主人公の作品ばかり読んできたが、この女の勲章は女性が主人公で男女のドロドロした騙し合い裏切り合いが描かれ全く違う凄みがあった。
    個人的に意外な結末も含めて読み応えのある作品でした。

  •  印象的だったのはパリ、ポルトガルでの描写で、自分の頭で情景を思い浮かべて読んだ。
     上巻を読み終わった時点でこのままハッピーエンドで終わるはずもなく、絶対にどんでん返しが来ると思っていたが、やはり!

  • ファッションデザイナー界での栄光を掴むため邁進する主人公。その背後には主人公を操る男の存在。女の世界の嫉妬や騙し合い、人間の欲望、愛憎、あらゆる感情が剥き出しで、ファッションビジネス面でも面白く、読み応えたっぷりな作品でした。

  • 少し中途半端な終わり方で消化不良気味。
    男に翻弄され続けてきた式子がかわいそうだ。
    銀四郎、白石教授の二人のキャラクターが憎らしくて仕方なかった。
    こう思ってしまうことが、山崎豊子の術中にハマっているのかもしれない。

  • つらい。新聞で告発されるとか、せめてなにか一矢報いるような希望を描けないものかと思ってしまうが、ここまで至ってしまってら打つ手なしが現実的なのか。それにしても後味悪し。

  • 上巻の後半から面白くなってきて、私にしては一気に読んだ。
    ラストは仕返しして終わるかと思いきやで全体通しても面白かった。
    登場人物が誰も好きになれなかった。
    特に式子が白石教授のどこに惹かれたのか謎でした。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまさき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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