不毛地帯(一) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104409

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    戦後11年間のシベリア拘留を経て、近畿商事という総合商社に入社した元日本陸軍中佐の物語。

    シベリア拘留のエピソードが生々しくて、読んでいてかなり衝撃を受けました。
    戦後、異国であんな風に虐げられ苦しんだ人がたくさんいたんですね。。
    「終戦」とは名ばかりで、戦争が終わっても、戦争中かもしくはそれ以上の苦しみを味わっている人がいる。
    安易な一言ですけど、、、やっぱり平和が1番ですね。

    あと、先物取引関係が難しすぎてまったく理解できず…
    ただ商社の多忙さやバイタリティーの描写は見ているだけでわくわくしたなぁ。
    商社マンのエリートっぷりは本当にカッコイイ!!

    600ページ強のボリュームで時間かかったが、とても面白く読めた。あと3巻あるけど楽しみ(^^)

    • トミーさん
      きのPさんと
      認識しないまま
      レビュー拝見してました。

      山崎豊子とにかく恐るべし
      すごい資料でしょうね。
      また山崎豊子に溺れてた時期がなつ...
      きのPさんと
      認識しないまま
      レビュー拝見してました。

      山崎豊子とにかく恐るべし
      すごい資料でしょうね。
      また山崎豊子に溺れてた時期がなつかしい。
      ほんとはまた読みたいのですが
      何しろ本は膨大です。
      一人ばかりにはまれなくて〜
      2021/03/25
  • 山崎豊子・戦争3部作 『不毛地帯』第1巻。

    大本営参謀・壹岐正。戦後11年間、シベリア抑留、強制労働…
    あまりにも過酷… 絶句しかない。
    寒さと飢え、寒い、痛い…
    俘虜を人ととして扱わず、単なる労働力としか見ないソ連…
    その振る舞いは現代につながる…

    近畿商事社長・大門の熱心な誘いにより、第二の人生を商社マンとして歩むことを決意した壱岐。『商戦』という名の戦いへと…

    第2巻へ。



  • アメリカの産軍複合体と、防衛庁、元大本営参謀がらみなど、きな臭い話を、山崎豊子はよく取り上げたとおもいます。田中角栄が失脚した背景を含めて、日本の連合国軍の占領統治がまたおわっていないような錯覚を覚えました。

  • 内容紹介
    拷問、飢餓、強制労働――地獄のシベリアから生還した男。
    商社マンの孤独な戦いを通じて戦後史を活写する記念碑的長編。

    大本営参謀・壹岐正は、終戦工作に赴いた満州でソ連軍に抑留される。
    酷寒のシベリアで、想像を絶する飢餓と強制労働に11年にわたって耐え抜き、
    ついに昭和31年、帰還を果たした。
    その経歴に目を付けた近畿商事の社長大門の熱心な誘いに応え、
    第二の人生を商社マンとして歩むことを決意。
    地獄の抑留生活の傷も癒えぬまま、再び「商戦」という名の新たな戦いに身を投じる。

  • 極めて個人的な理由があって、今更ですが読むことに。実は初山崎豊子。
    まず、1巻はシベリア抑留の話、という背表紙の解説を読んで、いきなり読む気をそがれてのスタート。
    というのも、シベリア抑留から帰還、と聞いただけで、過酷な環境で理不尽に耐え続ける重苦しい話だと想像できてしまうから。できればこの巻は飛ばしたい気分なんだけどな、などと思いつつ読み始めた。単純に、辛い話に対する耐性が年を取るにつれどんどん弱くなっているからなんだけど。

    右翼っぽいナレーションにややゲンナリ。
    この時代の話を日本人が描くと、どうしてこうなっちゃうのかしらん。

    将校クラスが捕虜となった時の待遇が一兵卒より優遇されて当然、的な考え方は、別に山崎豊子さん個人の考えではなく、国際法的にも常識的にもそうなのかもしれないけど、個人的にはなんだか納得いかない。
    一歩兵だろうと高官だろうと人権は同等じゃないの~?と叫びたい。

    終盤で、やっとシベリア抑留の話が終わってホッ。
    ここからが読みたかった部分なので。
    後半の相場の話はちんぷんかんぷんだったけど、でも意味もなく虐待される話はもう十分だったので、そこから私のテンションはやや上向きになった。

    ソ連が終戦直前で日本との条約をアッサリ破って参戦したのは、ほんと、なんつーか、いつ聞いても、国として、国際社会では必要な「ずるさ」かもね~などと思ってしまいまふ。
    平和な時代の一個人としては必要ない能力ですけどね。

    ということで、今のところ読む前に想像したとおりの流れで特におもしろくないです。今後に期待。

    壱岐氏が近畿商事に雇われた理由はおもしろいと思う。
    実に商社っぽいとも思う。

  • 極寒の中で強制労働を強いられた方々の辛さをわかったと言うことは出来ませんが、昔の日本やソ連、戦争の悲惨さなどを改めて考えるきっかけになりました。

  • 2018年12月9日、読み始め。
    2018年12月23日、読了。
    大本営参謀・壹岐正が主人公と思われるが、シベリア抑留から商社マンになるまでのことが書かれている。
    シベリア抑留時代は、重い内容。

  • シベリア抑留編は必読ですね。想像を絶するものがあります。

  • シベリア抑留という言葉しか知らなかった僕に、前半部分だけでも十分な衝撃を与えてくれた本。

    日本人が経験した悲劇を少しでも教えてくれる。

    そしてシベリア抑留で話が終わるわだけではなく、抑留から生還した元参謀が、商社マンとなるところから後半部分。
    なるほど、生還した人達にはその後の人生もあったんだと。
    戦後の輝かし高度成長期の裏で、繰り広げられる商戦。
    その中をその男が生きぬいていく姿まで描写されてるなんて・・・読むしかないっしょ。

  • 凄惨なロシア編はすごくリアルで、自身だったら肉体的にも精神的にも耐えられないだろうと思う。一方小説としてはやや冗長的な所もあるが、現代に戻ってからの壹岐正の葛藤も垣間見えて面白くなっていく。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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