二つの祖国(三) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104478

感想・レビュー・書評

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  • ついに始まった東京裁判。
    言語モニターとして、裁判に参加する賢治。
    父の見舞いでアメリカに一時戻った賢治は、リトルトウキョーの裏庭に埋めた日本刀を掘り返したことで、日本人としての血が騒ぎ出す。

    東京裁判をまとめた巻、読む進めるのに苦労しました。
    賢治と梛子のシーンが出てくるとホッとします。(笑)
    梛子とエミーを比べたら、やっぱり梛子よね、と思いますが、エミーはホントに性格的に損をしてるなと…。
    彼女に起こった不幸も本人が招いたことでもあり、結果賢治との仲も上手くいかなくなるなんて。
    エミーの出方次第で修復するチャンスはあったはずなのにと思います。

    いよいよ最終巻。
    ドラマで結末は知ってはいるものの、やはり先が気になります。
    このまま次巻に進みます。

  • ついに始まった、東京裁判。
    南京大虐殺や、真珠湾攻撃の真相が、徐々に明かされていく。
    日本は、被害国なのか、加害国なのか。
    だが、敗戦国なのは、間違いない。
    敗戦国が裁かれる未来とは。
    その中で、賢治も、己の未来と日本の未来に揺れ動く。

  • 東京裁判をどう評価するか? 東京裁判史観をどう捉えるか。
    日本を加害者と捉えるのか被害者と捉えるのか。

    東条英機に対しては、A級戦犯とドイツとの絡みであたかも独裁者の典型のように取り扱われている。しかし実際には彼は大日本帝国の政治システムにおいて彼の地位は機能していたわけで。

    うーん、難しいなぁ。
    歴史学の業績は日本海軍性善説を否定し、日本陸軍悪玉説についても一定の留保するにまで至るが、まだまだ日本人の意識を変えるまでにもいたらない。

    ただ歴史に対する見方で、肯定的に見る見方が少しでも出ると「右翼」否定的に見れば「売国奴」となる言説にはどうにかならんのかね。

  • 二世の人と聞けば、生まれながらに母国語が2つも出来るから羨ましいと単純に英語で苦労している私は思ってしまうのだが、その両国が戦火を交えることになったとき、どれほど苦しむだろうか。
    主人公の天羽賢治には弟が二人いて、次弟は日本の大学に学んでいる間召集にあい、日本兵として出征する。一方アメリカに生まれ育ってそこから出たことのない末弟は、合衆国に対する当然の義務として米軍の志願兵となる。アメリカ市民としての義務を果たしたいと願う一方、両親の母国であり自分も10年間育った日本に対し、限りない愛着を持つ賢治は、その狭間で苦しむ。どれほど個人の能力が優れていたとしても、一介の市民に大きな歴史は容赦なく牙をむく。
    日本が太平洋戦争でどれほど苦しんだかという話は数多いが、敵国の中で生きていかねばならなかった彼ら日系人を扱った小説はあまりないように思う。人種差別に思想の対立が折り重なった収容所で生きていた人々への鎮魂の書として、読み継がれていくべき作品だと思う。

  • 一巻に記載

  • 3巻は東京裁判で通訳の適正をチェックするモニターとしての仕事と、東京裁判の審理が描かれている。まさに’’小説東京裁判’’というべき内容。

  • 賢治の苦悩と東京裁判の審理過程が並行的に進む。最終巻まで気が抜けない。

  • 2017/10/18

  • 戦争が終わり、戦争犯罪人たちを裁いた東京裁判が始まる。
    東京裁判のモニター役を任された賢治は、その重圧と家庭や弟との不和から、次第に追い詰められていく。

    今までは賢治たち二世の境遇がメインだったが、この巻からは東京裁判の描写にかなりの比重を置かれている。
    漠然と「戦犯が国際法で裁かれたものだ」と記憶していたのだが、そんな簡単なものでは無いことを思い知った。

    印象に残ったのは、日本側の被告を弁護するアメリカの弁護士である。
    アメリカ人でありながら、日本の弁護に全力を尽くし、ともすれば祖国アメリカの正義にも臆せず疑問を呈す姿に感銘を受けた。

  • レビューは最終巻にて。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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