- 新潮社 (2016年7月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784101104515
作品紹介・あらすじ
海上自衛隊の潜水艦「くにしお」と釣り船が衝突、多数の犠牲者が出る惨事に。マスコミの批判、遺族対応、海難審判……若き乗組員・花巻朔太郎は苛酷な試練に直面する。真珠湾攻撃時に米軍の捕虜第一号となった旧帝国海軍少尉を父に持つ花巻。時代に翻弄され、抗う父子百年の物語が幕を開ける。自衛隊とは、平和とは、戦争とは。構想三十年、国民作家が遺した最後の傑作長編小説。
みんなの感想まとめ
深いテーマを持つこの物語は、海上自衛隊の潜水艦が釣り船と衝突し、多くの命が奪われる衝撃的な事件を背景に展開されます。主人公、花巻は事故後の厳しい現実に直面しながら、自衛隊の任務や平和の意味を問い直しま...
感想・レビュー・書評
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久しぶりに思い出してみたら感想書いてなかったのか。
山﨑さんらしく社会問題をテーマした壮大なストーリー。。。になってたんだろうね。
本当にまだこれからと言うところで。残念ではあるけど、想像を掻き立てられるのはそれはそれでいいのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山崎豊子さんの未完の遺作。
三部作になるはずだった物語の第一部。
海自の潜水艦「くにしお」と釣り船の衝突により民間人30人の命が奪われる。
世間の批判の目に晒される自衛隊。
海軍内での居場所を失う「くにしお」の乗組員たち。
若き士官、花巻の目線からストーリーは展開していく。
深い海の中でひっそりと、日々命懸けで国防に携わっている彼らの任務。
行間から、彼らの任務の息詰まる緊張感を感じる。
この物語は単なる裁判ものではない。
巻末に作者の没後、プロジェクトチームがまとめたその後のストーリーがおおまかに掲載されている。
真珠湾攻撃にまで遡る壮大なスケールに圧倒され、もはや読むことが叶わないのが残念でならない。
時に批判される「戦争をしない軍隊」への予算や在り方。
「戦争と平和」とは。
戦争を知るものの心の傷。
近隣国との命を削るかけひき。
深いテーマを持ち、命の終わりまで平和への想いを届けようとした著者に改めて哀悼の意を表します。-
山崎豊子さんの本はどれも読みごたえがある。
第1作で完結しているが、その後について読者に想像力を与えてくれた。山崎豊子さんの本はどれも読みごたえがある。
第1作で完結しているが、その後について読者に想像力を与えてくれた。2026/04/02
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1.著者の山崎豊子さん(故人)は、小説家です。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。毎日新聞での上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けたと思います。19歳の時に、学徒動員で友人らの死に直面ししました。
「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏側に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢はあまりにも有名です。「花のれん」で直木賞を受賞後、作家業に専念し、菊池寛賞や毎日文化賞を受賞しています。
2.本書の主人公は、旧海軍士官を父親に持つ、海上自衛官の息子です。乗船した潜水艦が、釣り船と衝突し、多くの犠牲者が出てマスコミを中心とした国民に非難されます。主人公は、自衛隊の仕事に疑問を抱きます。読者に向けて、自衛隊とは何か、戦争・平和とは何か、を問いかけています。本書は、第一部~三部まで予定されていました。しかし、著者の永眠により、この第一部が遺作となり、非常に残念です。
3.先ず、私の琴線に触れた箇所を、感想を添えて、3点書きます。
(1)「国防の仕事に就いている人たちは、どこの国でも、国民に敬愛されこそすれ、こんなに嫌悪されているのは日本だけでしょう・・・、総理以下の政治家も事故が起きれば、保身に汲汲として、隊員を犯罪者呼ばわりする、こんな国の自衛隊って何なのか・・・」
●感想⇒「日本は敗戦国になり、憲法で戦争放棄を謳っています。朝鮮戦争の時にアメリカ軍の補助として再軍備させられたのが、自衛隊のルーツです。現在も自衛隊に関する議論が続いています。一方で、災害発生時等の隊の迅速な対応は評価されています。政治家は、保身行動だけに走るのでは無くて、隊のあり方を明確にし、場合によっては支援も必要でしょう。
(2)「確かに自信のないままに続けて良い仕事(自衛官)ではないからな、但し、責任を取るなら、それが何に対する責任か、自分自身ではっきりさせろ、明確でない責任感は単なる感傷かもしれん・・・」(父親の息子へのアドバイス)
●感想⇒仕事だけでなく、いろんな場面で不都合が生じた時には、逃げ出したい気持ちになるものです。しかし、逃避は何の解決にもなりません。事の事実関係をキチンと整理し、関係者への影響に十分配慮して、判断を下すのが良いと思います。しかし、理屈的対応では難しい事もあるでしょう。私のような未熟者には、信頼出来るアドバイザーが欲しいと願います。
(3)「国を護る、戦争を起こさない努力をする仕事こそ、困難であろうとも、やはり自分が命を燃やす甲斐のあることではないのか」
●感想⇒世界各地では、戦争が勃発しています。私達は、日本は平和である、という絶対神話を作り出し、その中に埋没し、「今さえよければいい」症候群に陥っていないだろうでしょうか。グローバル化が一層進行している中で、こうした現代的課題について、具体的行動は難しいでしょう。しかし、問題意識を持たなければならない事と考えます。
4.まとめ;
著者は、19歳の時に、学徒動員で友人らの死に直面したという戦争体験が があります。本書は山崎豊子版「戦争と平和」で、自衛隊の存在をどう考えるかを問う作家生命をかけて書かれた作品と言われています。普段は議論しないような 非常に難しいテーマです。戦争体験のない私には適切なコメントが見つかりません。山崎さんは、晩年病魔に襲われ、最後は口述筆記になることがあったそうです。「どんなことをしてでも書き上げる」という執念を感じたという証言もあります。私もファンの一人で、「沈まぬ太陽」は、愛読書の一冊です。著者の執念に感動し、人間考察の為に、今後も著者の本を読みたいと思います。 -
海上自衛隊の潜水艦が、遊漁船と衝突事故を起こし、多くの犠牲者を出す。主人公は、海上自衛隊員で事故を起こした潜水艦に乗船していた花巻二等海尉。事故後の事情聴取、マスコミの追い討ち、海難裁判と苦悶の日々が続く。
未完の作品ではあるが、平和が日常であった日本での自衛隊への意識。平和であるとしながら、緊張が続く国境付近。それらに、優秀な先輩自衛官、恋人候補、悪役的同僚など個性的な登場人物を加えて、読み応えある作品でした。
大河小説としては、導入部分でしかなく、花巻は、辞意を固めつつ次の任務に向かいラストとなる。この作品のチームによって、第2部は花巻の父親を通しての“戦争とは”、第3部は父の気持ちを引き継ぐ形で、花巻のこれから“平和とは”という感じのシノプシスが加えられる。
現在のロシアの戦闘行為は、この作品の結末にも影響するかもしれない。未完であるので、想像するしかないし、それは、その時代で変化していくのかもしれない。
戦争しないための軍隊という希望が続いて欲しい。
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未完の作品になってしまい本当に残念すぎる。
山崎豊子の真骨頂、と言うような展開になりそうだったのに。 -
父が貸してくれた本で、実際にあった潜水艦事故とは知らずに読みました。
過酷な潜水艦での生活や任務の様子が興味深く、これからどうなる!?と思ったところで、本が終わり、そこで未完と知りました。
巻末に、山崎豊子さんが書き残した第2、3部の構想が書かれています。
完成したら山崎豊子さんらしい壮大な作品になったことだろうな。
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面白かったです。第一部のみとなっているのがすごく残念でしたが、楽しく読み進めることができました。世間への問題提起の思いも込めた山崎豊子さんの他作品も読みたいです。
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さすが山崎豊子さん。面白い。続きが読みたかった。
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緻密な取材に基づいた確かな筆運び山崎豊子らしさ出た一作。
潜水艦乗りの花巻と海難事故を扱った作品。
一部完でこれからの展開が楽しくなるところだったが、作者が逝去したことにより続編は骨格しか分からないものとなった。
本来は花巻の父が、真珠湾攻撃の捕虜第一号になった苦悩に触れ、主人公が自分の職を見直すという流れだったようだ。続きが読めなくて残念。 -
自衛隊の潜水艦と民間の船が衝突し、多数の死者が出た事故をきっかけに、自衛隊の在り方を問う話。山崎豊子ならではの世界。
残念なのは、三部構成の予定だったそうだが、残り二部は未刊のまま、山崎氏が亡くなられたこと。
編集チームの補足により、氏がいかに丁寧に取材をされ、一連の小説を書くのに膨大な時間をかけられていたことがわかり、改めて、これまでの数々の作品の重みを感じるとともに、読み直してみたくなった。 -
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山崎豊子さんの『約束の海』を読み、その未完の物語に深く考えさせられました。特に、自衛官である朔太郎と、真珠湾攻撃で捕虜となった父親の間で交錯する思いが印象的でした。
物語の中で描かれる「鎮魂の海」としてのテーマは、戦争の悲劇を二度と繰り返さないために、私たちがどのように考え、行動するべきかを深く問いかけています。
この作品を通じて、自分自身もまた、戦争の重みと平和への願いについて、深く考えさせられました。 -
海上自衛隊の潜水艦と釣り船が衝突。若き士官を襲う過酷な試練。
その父は昭和16年、真珠湾に出撃して-。
時代に翻弄され、時代に抗う、父子100年の物語が、いま始まる。 -
高校に入ってから図書室にたくさんの本をリクエストして買ってもらっている。この本も買ってもらった。久々に“本”を読んだな、という印象。空母いぶきを見て海自に興味を持って読んだが、国同士ではなくマスコミとの戦いがリアル
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絶筆だから読みたいと思いつつも、未完だからと躊躇する気持ちもあり、これまで横目で見ながら手に取らなかった作品。
加齢によって体力は低下し、その反面自分の立ち位置と存在意義を確認したいという欲求にも駆られ、自分のやりたいこと、やるべきこと、そして出来ることの線引きがぼやけ、なんとも心許ない毎日を過ごしてきた中で、またこの本と対面した。
爽やかで正義感が強く、いかにもヒーロー然としていながらも、迷いや弱さを抱えて時には間違うことも、誰かを傷つけることもある、著者が描く人物像に触れたくなり、とうとう頁をめくることにした。
著者の構想の半分にも満たない作品からは、迷いの中でどう進んでいくかのヒントを得るどころか、もっと難解な問いを投げかけられた。
好き嫌いを問わずそれぞれの登場人物に感情移入し、もし自分ならばこのストーリーをどう展開させる、ラストをどう着地させるのか、答えのない問いかけこそが、著者からのメッセージかもしれない。
後を引く読み応えのある作品。 -
山崎豊子さん、最後の未完作品。
二つの点で興味惹かれる小説である。
* 高齢と病身である山崎さんの渾身の力はいかなるものなのか
* 作者テーマである「戦争と平和」を描くとしても、自衛隊から掘り起こすとは
上記は当時(2013年)文芸関係で話題になった。
氏の秘書野上孝子さんも解説で
「まさか先生、自衛隊を書くのではないでしょうねと、飛び上がった」
と書いていらっしゃる。
「先生には『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』という戦争三部作がある。
その作者がどういう視点で自衛隊を書くのだろう。」
山崎氏全作品読破のわたし、文庫になるのを満を持ししていたので、さっそく。
さすがです!
自衛隊が批判にさらされた「潜水艦なだしお事件」を題材にフィクションが始まる。
その潜水艦の若き乗組員が主人公。
一般人の犠牲者がたくさん出た、あってはならない事故である。
たまたまその事件に遭遇してしまった真面目な悩みを通して
自衛隊とは何かを問う設定。
読んだところ、かなり自衛隊を肯定している。
「かなり」っていうところが今の国民の気持ちだと思う。
山崎節炸裂の力作ですが、第一部完結とはいえ、物足りないのは仕方ありません。
でも、書かれなかった全体の予定構造の概略が巻末に付録してあって、
第二部、三部と続くらしいが、それを読むのがわたしには非常に面白かった。
病魔と闘いながら、きちんと第一部を終わり後の構想を残しておく。
残念だけど好感持てる終わり方。
最後まで書きながら死ぬ、これぞ作家冥利ですよ。 -
三部作構想で、残念ながら作者逝去により第一部で未完の作品。三部作完成していたら間違いなく戦後の日本という国を改めて考えさせられる大作になっていたに違いない。何に正義を置いて自衛隊の存在意義を捉えながら職務を遂行するのか、花巻の答えを最後まで追いかけたかったです。
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未完が推しすぎる。
自衛隊の矛盾。
テーマが深すぎて著者にぴったりです。 -
何かで聞きかじった約束の海
面白いかなと読み始めて
さすが山崎豊子さんと思いながら 引き込まれていった。
先が読めないなぁと ワクワクしていると
えっ!
ああ 仕方ない事だった -
山﨑先生らしい感じで、時代を問わず読み進められる一作だと思った。未完となってしまったことが無念。
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山崎さんが続編を書いていたら、
おそらく、
「国際紛争を解決する手段としての戦争を永久に放棄した国家が、
尖閣諸島の問題にどう立ち向かうのかを真正面から取り上げるだろう」
から、かなり考えさせられる物語になったんだろうなあ、と思いました。
山崎さんの続編を読んでみたかったな~。
昭和の最後の時代にあった、潜水艦なだしおの衝突事故をモチーフにしてます。
こうして何十年かしてから振り返ってみると、当時の報道の問題点なんかも
よくみえてきます。
相当量の知識がないと、活字報道を鵜呑みにして感情的になっちゃうよね~。
勉強大事。
20161231
著者プロフィール
山崎豊子の作品
