次郎物語(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101105079

感想・レビュー・書評

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  • 人格に最も影響するものは何か?
    次郎は周りから見るとひねこびた、こずるい、乱暴者に見えるかもしれない。
    しかし、その内面は繊細で柔らかい。
    というか、そりゃひねくれるでしょうよ!わざとやってんのか!という境遇。
    次郎が本物のこずるい少年にならなくてすんだのは、何故か?
    血?遺伝?環境?
    ものを考える子供かどうか、なのかなと私は思った。

  • 全巻を通したメモです。初めて読書に開眼した本です。小学校の国語の先生が教師になったきっかけとして紹介されたことを覚えていて、大学の卒業旅行に持参しました。貧乏旅行で電車に揺られながら泣いてしまいました。読書で泣いたのが初めてで、自分でも驚きました。論語物語の入口になりました。

  • 読んで良かった。目と鼻から水だだ漏れ。とても、読んで良かった。

  • 次郎ちゃんとにんじんは仲良くなれるな

  • 少年の成長物語。

    長男や三男と違い、祖母や母にかわいがられずに育てられた次男坊の次郎が、屈折しつつも、人や本との出会いによって、まっすぐな男に成長していく物語。

    素直でもあり、ひねくれてもいる、少年期特有の複雑な心情が見事に表現されてますね。

    結構楽しく読めましたが、文字が小さく、文体が少し古いせいか、非常に時間が掛かりました。

    今時のライトな小説に慣れきっている人には厳しいかも。

    故き善き時代の、子供らしい少年の物語です。

    古典の名作と言っても過言ではないかと。

    結構オススメ。

  • こんなにも内面の描写に成功した小説はいまだかつて読んだことがない。

  • 中学生の頃に好きだった本

  • 路傍の石と同時期に書かれた成長小説です。
    前半はけっこう暗い感じでしたが、第一部の最後の母の会話は非常に感動的でした。

    次郎の母は、教育家で厳しい面が強く、次郎は無条件の愛を提供する乳母と比較し、母に反抗することが多かった。けれど、母は病気になり次郎が居候している母の実家に、母が療養のために一緒に住むことになる。次郎を含めた3人兄弟の次郎以外は家に戻るが、次郎は母の周りの世話をすることになる。最初は周囲への評価が気になり、一生懸命身の周りのお世話をするが、次第に彼と母の心は変わってくる。その最後、母は次郎が愛してやまない乳母を呼び、乳母に語る。

    「子供って、ただかわいがってやりさえすればいいのね。」

    この言葉は非常に感動的でした。切り文句では伝わらないかもしれませんが。


    また、

    「『世の中にはね――』
    と、先生は次郎の頭から手をはずして、ゆっくり言葉をついだ。
    『たくさんの幸福にめぐまれながら、たった一つの不幸のために、自分を非常に不幸な人間だと思っている人もあるし、……それかと思うと、不幸だらけの人間でありながら、自分で何かの幸福を見つけだして、勇ましく戦っていく人もある。……わかるかね。……よく考えてみるんだ。』」

    人には、それぞれの人生の成長や転機があるものですが、それぞれに教訓を与えてくれるものがあると思います。一つ一つのエピソードをあげたらそれこそ、無限といえるでしょう。そういうことは、いろんな人から聞くことは多いです。でも、ひとつひとつのエピソードを単発で学ぶことではなく、小説で一人の人間の成長をおっていき、その主人公に影響を与えた教訓、年長者からの指導を自分も学んでいくことで、また違った感覚で自分の中に入る気がします。
    筆者は「この本を世の親たちに読んでもらいたい」と語っています。子供はまだいませんが、いないうちに読めてよかったです。
    昭和初期に書かれたものでも、時代を超えた感動を伝えるものだと思います。

  • 子どもの頃の心の動きを見事なくらい繊細に文章として表した作品。作品の背景上、戦後設定がないのが惜しい気もします。

  • 次郎物語(上)(中)(下)を通して読みました。長かったけど読み応えあり。
    幼少時代から青年期までの次郎の成長物語。次郎の心情や葛藤などが丁寧に描かれている。男の子ってこんな感じなんだなぁと思ったり。
    時代背景とともに状況は変化していき、第5部までが書かれていて、読み終わってもその先の続きを読みたくなった。戦時中、そして戦後の時代を次郎がどう生きたのか、読めないのが残念。

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著者プロフィール

作家、教育者、教育哲学者。      
1884年、佐賀県に生まれる。17歳ころから「内田夕闇」の筆名で文芸誌に投稿し、年少詩人として全国的に知られようになる。1909年、東京帝国大学文学科を卒業し、1911年、母校の佐賀中学校で教鞭をとる。唐津中学校長などを歴任したのち、日本統治下の台湾へと渡った。台中第一中学校校長、台北高等学校校長となり、1931年に教職を辞任。1933年、大日本青年団講習所長に就任し、在任中に小説『次郎物語』の執筆を開始する。1937年に講習所所長を辞任し、文筆活動と全国での講演活動に専念、昭和前期の青少年社会教育に大きな影響を与えた。1938年、『論語物語』を出版。1955年、逝去。主な著書に『現代訳論語』『この人を見よ』 などがある。

「2008年 『論語物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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