- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101106113
感想・レビュー・書評
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赤瀬川源平のエッセイ。彼のカメラ愛が感じられる本。読んだ当時(1995年頃)はまだフィルムの時代で、カメラは高価でホイホイ買えるものではなかった。この本にはレトロなカメラも多く紹介されているが、高価なカメラには全く馴染みがなく、彼の考察もマニアックであまり理解できなかったが、彼のカメラ愛だけは感じられた。
現在、自称写真家を名乗るアマチュアが多いけれども、実体は写真家ではなくカメラ家であったりする。カメラに拘りがあるなら、この本は一読の価値があると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カメラに対する愛に溢れた1冊。
まだ金属カメラの新品が出ていて、
オートフォーカスが真新しい技術だった時代。
「艶消しブラック仕上げの光学通り」のまぶしい文章が好きだー。
連載していた雑誌の休刊にともなって、
最後に書ききれない思いをまとめた1章もすごいが
なお文庫のあとがきになっても、
まだまだカメラを語って止まらない、というのが面白い。
久々に『金属人類学入門』を再読してみたい。 -
15/10/07、ブックオフで購入。
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ふと思ったことからぐぐっと思考を伸ばしていく、ひらがなのしの字を太い毛筆で書いたような文章。がいっぱい。
文章にちょこっと挿まれるちょっと視点をはずしたくすぐりが好きです。
尾辻克彦( 赤瀬川原平)さんは読みなおすと自分がすごく影響されているのがわかって恥ずかしい。 -
とても面白い。自分はカメラに詳しいわけではないけれど、いちいち面白い。渡辺和博(故人)の解説も秀逸。こんな人たちと友達になれたり、一緒に仕事ができたりしたら幸せだろうな。
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赤瀬川原平こと尾辻克彦によるカメラ・エッセイ集。1980年台の著作のため、デジタルカメラは当然出てきません。時代的にはちょうどオートフォーカス化が進みどんどん便利になっていったころですね。
とにかく古き良き時代のクラシックカメラ、当時最先端のAF一眼レフカメラ、人気だった高級コンパクトカメラと、撮影そっちのけでカメラという機械そのものに淫し続けるのが素晴らしい。偏愛、とでもいうべき愛情が文体の端々から伝わってきます。
「撮影」ではなく「カメラ」を欲望の対象としたエッセイの嚆矢であり、今読んでも古びていません。クラシックカメラに誘惑されそうになってしまうほどです。
残念ながら絶版ですが、古書で容易に入手可能。お好きな方は是非どうぞ -
カメラ無しでも生きてはいける。カメラは生活の必需品ではありません。でも、不必要なものだからこそどうしても「必要以上」に欲しくなる・・・。そんな欲求に憑かれた著者が、20年前に買ったニコンに始まって、キャノン、ミノルタ、オリンパス、ステレオカメラにスパイカメラ、愛するカメラの断面模型、ついにはレーダーカメラや衛星カメラまで考案し、語ってやまないカメラへの愛の遍歴。(本書より)
ちなみにヒツジ堂のカメラは最近ニコンに変わりました。ソニーのデジカメを修理に出したら見積もり二万円と言われたので、二万円で買えるニコンを買いました。臼井さんも野中さんも鈴木さんも使っているニコン。ニコンだじょー。
尾辻克彦の作品





