東京路上探検記 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1989年10月1日発売)
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感想 : 5
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784101106120

感想・レビュー・書評

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  • 時々 引っぱり出してきて
    読み始めてしまう 一冊です
    何回も読んでいるのに
    ついつい 読みふけってしまう

    再読、再再読の良きところは
    どこから読んでも
    その時に感じていた
    「あぁ それそれ そのこと」
    が瞬時に蘇ってくるのがうれしい

    名エッセイたるものの所以でしょうね

  • 本書は文: 尾辻克彦、絵: 赤瀬川原平、役立たずであるが、ゴミともならず街中に保存されている物=超芸術、後に『トマソン』(かつての巨人軍助っ人、ブンブン丸三振王)と名付ける。純粋階段は建物脇に引っ付いているが扉は無く上り下りのみ。阿部定電柱は途中でぶった切られた木製電柱。で、消えた上半分の電柱の化身が新聞の三行広告であるとするのが怪しい芸術家赤瀬川氏である。ところで本文を書いているのも赤瀬川氏、尾辻克彦は彼のペンネームで、『父が消えた』で芥川賞を受賞。前衛美術家当時『千円札模型』裁判で執行猶予付き実刑判決を受けが、芥川賞受賞で一気に周りの見る目が変わった、と述懐している。
    閑話休題、三行広告の面白さには共鳴する。「ミエ 連絡を待っている おかあちゃま」、「隆 父心配のあまり重症 何も聞かぬ無事だけ知らせ 真佐子」、「隆 やさしい隆 涙の親に一目会って助けてくれ どんな相談にも乗る 過去は心配いらぬ 無事なら是非知らせよ」、「隆 父吐血して高松の中央病院10階へ入院 母だけで待つ」、「隆 父キトクすぐ帰れ 高松中央病院入院中」、「隆 父死亡した すぐ帰れ」。一億人の内何人が見ていただろうか。おそらく隆と真佐子たちのほかには、誰も見てはいなかったのに違いない。
    街歩きが好きな家元、観察が大好き。風景だけでなく人間を見て脚本を書いたり、馬鹿ノートに徒然なるままに心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば、 云々。

  • 久しぶりの再読。購入が赤瀬川さんの亡くなったのと重なるとはね。シミジミと読み返す。

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