文学と私・戦後と私

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101108018

感想・レビュー・書評

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  • 夏目漱石を読破したら江藤淳の『夏目漱石』を読もう、と思っていた。でも取り付き難かったら厭きるよな~と逡巡中、あ、ちょうどエッセイ撰集の文庫版が復刊、飛びついたわけ。

     暮れの忙しい中とお正月ののんびりの内で読了、いい時読んだと思う。よく珠玉のエッセイ集という言い方があるけれど、これがそう。

     読書感想などという得意でもないものを書くのに、こんなに参考になったエッセイは初めてで、気分もあらた、力も湧いてきた。

     わたしはワセダマン派だからケイオーボーイふくいくの文章はちょっと気にさわったが、本筋には関係ない。

     わたしの姑は「落ちぶれた」と何かにつけて慨嘆する。「過ぎた事はしょうがないじゃないの」とそれがすごく嫌だったが、江藤淳の文章を読んでなるほどなーと理解できてきた。

     「戦後の悲哀と喪失感」はわたしたち世代「何もなかったがあたりまえ」にはわからないこと。

     たとえばカステラの話が出てくるが、それがすっかり無くなった時の悲しみは、戦後カステラが出回って食べた時「こんなおいしいものがこの世にあったんだ!」と思った世代には共有できないことだ。

     むしろ「知っていたんだよ」と言われると悔しくなってしまうほどおいしかったのである。思い焦がれて、やっと食べられるようになって感激した世代とのずれである。

     飼い犬のことについてのエッセイもわたしの感覚をたわめてくれた。(長くなるからまたの機会があったら書こう)また、もちろん文学、夏目漱石、生活等々心地よい文章であった。

  • 昭和時代に生きた江藤淳の短い随筆集。敗戦と没落の喪失のなかで、愛から遠い環境でもがきながら生きてきた筆者は痛ましく素直。それを癒すような愛犬との溺愛が対をなしている。

  • 2009/
    2009/

    半分くらい読んだかな。内容は忘れました。

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    怒っているアメリカ:

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    『冷血』と連続射殺事件:読了
    永山則夫についての記述をトルーマン・カポーティの冷血と同時に論じている。このエッセイを読んで江藤さんを好きになった。

    現代と漱石と私:

    漱石の中の私:

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著者プロフィール

江藤 淳(えとう・じゅん):文芸評論家。昭和7年12月‐平成11年7月。昭和31年、「夏目漱石」で評論家デビュー。32年、慶應大学文学部卒。37年、ロックフェラー財団研究員と してプリンストン大学留学。東工大教授、慶大教授などを歴任した。新潮社文学賞、菊池寛賞、日本芸術院賞、野間文芸賞など受賞多数。

「2024年 『なつかしい本の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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