わるいやつら(上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109084

感想・レビュー・書評

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  • 経営意欲も財力もなく女たらしの主人公。
    最低な男と思いながらもストーリーは読み進めてしまう。松本清張さんマジックなのか。
    結末を楽しみに下巻を読みます。

  • 病院長の戸谷信一は医学会のお偉いさんだった父の後を継いで病院長になったが、仕事をろくにせず、経営に熱心なわけではない。赤字の病院経営の負担を女から奪いとっていた。金を女からむしり取り、別の女にも手を出す悪党。出てくる女も一癖も二癖もある家具屋の奥さんや看護婦長やデザイナーとどれも油断ならない。色と欲に狂った戸谷は、女に利用し利用され犯罪に手を染めていく。
    この頭脳を経営や仕事に使えばいいのにと思ってしまう。2023年8月17日上巻 読了。

  • 亡父の跡を継ぎ病院院長を勤める医師・戸谷。彼には別居中の妻がいる。病院経営にはてんで興味は無く、事業は衰退する一方、彼は骨董品集に余念がない。そのお金の補填で事業家の夫ある妻たち複数人と同時並行で関係を深めて行く。他方、亡父の愛人だった歳上の看護婦長との関係も若い頃から続いている。上巻では、その関係ある不倫相手の夫、続きその愛人、そしてもう1人の愛人の夫、さらに看護婦長をも次々、殺害していく。主人公・戸谷が目下夢中なのは、独身女性事業家であるデザイナーを口説き落とすこと。しかし、友人である弁護士の不審さ。

  • 秋の夜長に松本清張。
    とにかく戸谷がドクズのクソ野郎なので、こいつがどのようなしっぺ返しを食らうのか、ワクワクが止まらない!
    それにしても、ど直球なタイトル「わるいやつら」
    今後どんなわるいやつらが出てくるんだろうか。下見沢作雄も何だか怪しい感じだし、槙村隆子も腹に一物抱えてそう。
    下巻に続く。

  • 結構分量あるのに、上下巻一気に読める。
    登場人物全員悪いって言うけど、本当にそうかな?戸谷に関わらなければ皆実直に生きるだろうよ。そして私が〇〇の立場でも、搾取されてる女性達を助けるために策略を巡らせるだろうし、そのついでにうまい話に乗ったところでバチは当たらないだろうと思う。
    とはいえ、こんなに胸糞悪い主人公でも、追い詰められる段になると「もうやめてあげてくれ」という気持ちになった。

  • わるいやつら(上)(新潮文庫)
    著作者:松本清張
    発行者:新潮社
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    登場人物みんな悪い奴らで愛と欲望が渦巻く小説。

  • ある病院の院長のお話。この院長はとても悪い奴で、病院の経営がうまくいかないにもかかわらず、骨董品などにお金を使い浪費する日々。経営の損失を補填するために女から金を騙して取り、そして病院にお金を使うのではなく、自分の遊びのためにお金を使う。そして、この院長の愛人たちも悪い奴らであるように思える。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101109087
    ── 松本 清張《わるいやつら 上 19660330 下 19660510 新潮文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101109095
     
    …… 取調べが進むにつれて、ゾンザイな呼びかたに変って、被疑者を
    追いつめる。「先生、先生よ、あんた、お前、貴様、おのれ」……。
    ── 松本 清張《わるいやつら 19600111-19610605 週刊新潮》
    https://q.hatena.ne.jp/1477061335#a1259812(No.1 20161022 13:12:53)
     
    (20191018)
     

  • 途中から人間模様が変化してゆき、主人公の思惑、それぞれの登場人物の思惑が渦巻いて、とても面白かった。
    医者による完全犯罪、一つの綻びから全てが根回しされて、最終的に全てを失うと言う話。
    ただ、一番悪いのは幼馴染の弁護士でないだろうか。

  • ゆっくりと力強く転落していく様が克明に描かれている。放蕩に生きる戸谷が、二度と平静に戻れない道をまっすぐに進んでいく様子がむしろ心地よい。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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