わるいやつら 下 (新潮文庫 ま-1-9 新潮文庫)

  • 新潮社 (1966年5月12日発売)
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感想 : 79
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本 ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784101109091

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。戸谷の貪欲が自滅に向かう。たびたび、昭和の電話が出てくるが、そういえば混線ってあったなぁ。

  • 戸谷の視点で上下巻ずっと書かれていたから、最後の警察に問い詰められるシーンは、読んでるこっちまでハラハラ。

    このハラハラは初めてかも。

  • 胸くそ悪いけど何故か読み進んでしまうストーリー、エンディングも満足できるオチでした。

  • 下巻。
    期待通りに戸谷が追い詰められていく様が愉快だった。
    他人を弄んで手玉に取ってたつもりが、逆に手のひらで踊らされていたっていう、なんて哀れで滑稽なんだろうか。
    読み終わって改めて「わるいやつら」というのは面白いタイトルだなと思った。
    本当のわるいやつらは誰か…?あの二人か?いや、やっぱり一番悪い奴は戸谷だと思う。身から出た錆、自業自得、因果応報。
    上下巻一気に読んでしまった。松本清張は読みやすくて面白い。
    「黒革の手帳」「砂の器」「わるいやつら」と読んだから次は何を読もうかな。

  • 上巻までは優男とダメ女達の情念物語、って感じだったが
    まさかの裏切り者・藤島チセを追っての東北旅行あたりから先を読むのがもどかしくなった。

    徐々に戸谷が追い込まれて行くスピード感が楽しめる。

    多摩の死体の確認の大雑把さや、交換手を介しての電話で互いに居場所が分かってしまうところなんかに時代を感じるけれど、人間の内面に潜む悪の姿が現代においてもまるで色あせないところがさすがの松本清張。

    最後の最後、一番のわるいやつらが判明したところではやられたー!って感じ。
    この二人は一体どのあたりからグルになって手を組み始めたのだろう。

  • わるいやつ「ら」、、
    男と女、金と欲にまみれ。。
    結局、一番悪いのはやつらwww
    昭和30年代にこんな完成され、ワクワクする作品、とても素晴らしい!

    「長編ベスト5」残りの3作品が楽しみだ♪
    1.砂の器
    2.点と線
    3.わるいやつら
    4.ゼロの焦点
    5.黒革の手帖

  • 出だしは男が女を誑かし翻弄する話かな、と思ってなんとなく『黒革の手帖』の対になるような作品と思っていたら、進むにつれて主人公の方が翻弄されてなんとか切り抜けていこうとするもので、また違った面白さがあった。
    仕事には一切の興味を示さず、己の欲望のままに過ごす姿は突き抜けていて一周回って清々しくも感じた。彼と関係を持っていた女性達の目線での描写はなく、あくまで主人公の推測の元で心理描写がされていたが、微妙に噛み合わずもっと昏くドロドロとした思惑が絡み合っていてさすがの描き方だと思った。
    途中杜撰に見える主人公の行動も、それが元で全てが狂っていったり、序盤でのシーンが終盤で重要な意味を持っていたりと、全てが計算され尽くされていて素晴らしい。上下巻とも分厚く長い小説だけれど、巧妙に作り上げられていて最後まで目が離せなかった。

  • 上巻に続いて、約15年振りの再読。

    もう最高の転落劇。
    スカッとしたというか、笑ってしまうというか。
    同じ敵ができたときの、女の団結力はすごいからね。チセとトヨが組んだのは納得。

    そして結局、下見沢みたいな一見冴えない男が高嶺の花をうまいこと手に入れるものよね。
    戸谷の横武たつ子なら絶対自分の味方だったと思える根拠のない自信が拍手したいくらい素晴らしい(笑)

    案外、網走でも自己肯定感高く生き延びていきそう。

  • おもしろかった!まさか自分が松本清張読むようになるとは。

  • 背筋が凍るような感覚がありつつも下巻は一気に読んでしまいました。
    戸谷の焦りや恐怖が自分のことかのように感じられ、終盤は気が気ではなかったです。
    最後まで自省がなく他責思考なのは反社会性パーソナリティなのかな、なんて思いました。救いようがない愚かな人間をここまで描写できるのは流石としか言いようがありません。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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