ゼロの焦点 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 351
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109169

作品紹介・あらすじ

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。ようやく手がかりを掴んだ時、"自殺"として処理されていた夫の姓は曾根であった!夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作『点と線』と並び称される著者の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 松本清張氏の代表作を今更ながら読んでみました。

    戦後まもなくの昭和30年代の東京、金沢を舞台とする推理小説。内容、文章はあまり古さを感じさせず、すらすら読める印象。最近のミステリーものに比べるとシンプルで少し物足りなさも感じたが、戦後の時代背景は興味深かった。

  • 初めて松本清張の作品を読みました。
    ミステリーではありますが、トリックなどに重きを置いたタイプではなく、当時の時代背景を色濃く反映し、その人間模様が味わい深い作品です。北国の寒々しくも美しい描写が印象的でした。
    時間が経つとまた読み直したくなる作品かもしれません。

  • 犯人や、トリック云々よりも、北陸特有の曇天・吹きすさぶ湿った空気と戦後の暗い雰囲気、それが松本清張の作風とマッチングして気高いミステリーとなっている気がする。金沢に住んでいたこともあるので、時代は違えどあの風土は実感できる。 新婚早々、失踪してしまった夫。妻の禎子はそれを追うが、夫の謎は深まっていく....。この禎子、落ち着いていて理知的なナイスレディ。じっくりと事件に取り組む様子は、気の短い私からすると感心しきり。本全体の雰囲気は重いのだけれど、そこはかとなく気品が感じられる文体が好きな作品。

  • 初の松本清張作品。450頁以上のボリュームなので、読了に時間が掛かるかと思いきや、場面の情景や空気感、登場人物の心情を的確に捉える圧倒的な描写力に引き込まれ、一気に読み終えてしまった。流石に前時代的古臭さは禁じ得ないが、最後の最後まで真相の明かされぬ展開は決して読者を飽きさせないし、敗戦の余波が色濃く反映された切実な犯行動機も胸を打つ。現代作品では馴染みのない溢れんばかりの旅情感も味があり、これは俄然他の作品にも興味が湧く。勝手に癖の強い文体をイメージしていたので、こんなに読み易い文体だとは思わなかった。

  • 昭和34年に刊行された本作。
    全くもって古めかしさが無い。
    むしろ今の時代に、これだけ濃厚な推理小説が無いので逆に新鮮で新しい。

    まさに「名作は時代を選ばず」の象徴。

  • 結婚して半月足らずの夫が,出張から戻らず
    失踪した。夫が結婚前に過ごした石川県を
    訪れ数々の謎を1つ1つ広い集めていくうちに
    謎の死を遂げる協力者達。
    知らなかった夫のもう1つの顔と人生。

    戦後が色濃く残る時代だからこその物語が
    新鮮だった。最初は難しいのかと中々手を
    出せずにいたから禎子が夫の失踪事件に
    迫り真実に近づく度にページを見捲る手が速くなる。

  • 内容知っていても、面白いって松本清張はスゴい。今から考えると時代遅れやなぁと思うところはたくさんあったけれど、それを抜きにしてもじゅうぶん読みごたえはある。しかし、禎子をていこじゃなくさだこって何度も読んでしまったのは、何でなのかなぁ。禎子は新婚ホヤホヤやのに亭主の鵜原憲一が失踪してしまって、警察を頼らずに自分で捜査していくのが、不思議といえば不思議だった。想像だけで犯人を特定するのも、ご都合主義だといえばそうだけれど、時代感も感じ取れるしとても面白い作品だった。松本清張また読みたい。

  • 個人情報などの言葉がなかった時代かえって人間味を感じるところもある

  • さすがに時代背景が古くなってしまったりはするが、外れがない。それってすごいことだと思う。余計な、回りくどい文章がなく、でも最近の本のように、あらすじだけをなぞったジェットコースター本でない。行間があるって言うの?すごい作家なんだと思う。

  • 時代が違うものの、金沢のどんよりした雰囲気の描写や、色鮮やかな衣装など、場面の描写や表現が的確で秀逸。
    そういう意味で楽しめた。

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著者プロフィール

●1909年、福岡県に生まれる。印刷工、新聞社社員を経て42歳で作家の道へ。「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。『点と線』『眼の壁』『砂の器』『ガラスの城』『黒革の手帖』など推理小説の第一人者として多くの作品を発表する一方、『日本の黒い霧』『昭和史発掘』などノンフィクション分野でも活躍。日本ジャーナリスト会議賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。1992年死去

「2017年 『徳川家康 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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