点と線 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109183

感想・レビュー・書評

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  • 捜査は足で稼げ。現場100回、お茶汲み三年などの印象がわたしには強い昭和の刑事たち。推理小説ではあるけれども、容疑者を地道な捜査と執念で追い詰めていく刑事たちの物語、人間ドラマに感情を持っていかれました。推理というよりも“刑事の勘”が何かおかしいと、三原刑事や鳥飼刑事たちを揺り動かしてるようです。彼らの前に立ちはだかるのは鉄壁のアリバイ。それを崩すために身を粉にしながら捜査を続けます。あぁ、三原刑事は何足靴を駄目にしたんだろう。。。暴力や残虐な描写などは一切なく、また刑事たちも声を荒げることも拳銃を発砲することもありません。ただ刑事たちの一途な姿に好印象を持ちました。わたし的には上司を抑えながら三原刑事のやりたいようにさせてあげる、笠井主任が好きですね。アリバイが崩れていくさまに引き込まれていきます。

  • 偶然と作為
    刑事の直感からアリバイを一つ一つ剥がしていく
    犯人探し的な要素はないがストーリーに引き込まれる
    やがて、点が線へと変わり、謎が解明される。。が真実は闇の中。。

  • 松本清張の代表作。ミステリー史の中では「探偵小説」の奇想天外さから脱却した「社会派ミステリー」を形成したと位置付けられるという。
    短い小説であるが、アリバイ崩し、執念を燃やす警察官、社会的路線、現実感路線など様々な要素を凝縮していて、当時としては斬新な推理小説物であったことをうかがわせる。
    物語の背景には時代を感じさせるが、プロットも少し時代を感じさせる。話の論理概要を振り返ってみると論理は流れているようにみえるが、全体として空想的か。
    物語のスケールはダイナミックであるが流れるように進むため、安心かつ興味を共有しながら読み進めることができた。

  • 歴史に残るミステリー…なのにこれまで読まずに来てしまってましたので。
    で、四つ☆か?
    叱られそうですが、ごめんなさいm(__)m

    広く浅くミステリー界を徘徊しておりますので、よく言えば目が肥えてる?悪く言えば擦れてきてるので、いろんなびっくりを知った上でこれぐらいじゃぁ~といい気になってしまってます。
    重ねてすみませんm(__)m

    映像化も何もこれまで見ても来なかったので、本当に初「点と線」でした。

  • 時刻表を駆使したトリックにゾクゾクする。交通網が発達した現在では作りえないミステリーであり、時代を見事に反映している部分が、今読んでも逆に新鮮味を与えてくれる。トリックも見事だが、推理小説にしては短い尺ながら、冒頭から結末まで緻密に構成されていて、無駄が完全に排除されているのも驚く。長尺で伏線を組み立てて行くより、簡素ながら緊張感を切らさないことの方が難しいだろう。素直に「すげぇ面白い」と感じられる一篇だった。

  • 句読点が多用されていて、一文一文がテンポよく、今の時代にあっても非常に読みやすかった。

    関東、福岡、北海道と個人的にゆかりのある土地ばかりが舞台になっていて、それもまた面白かった一因になっていた。

    社会派はほとんど読んだことがなかったが、印象としては倒叙を読んでいる感覚に近かったかな。既に明らかな(もしくは想定される)真相があって、それがどんどんとあばかれている様が緊張感があって、楽しく読めた。

  • ブログをこちらに書きましたので、宜しければお読みください。

    http://sommelierofbooks.com/fiction_nonfiction/dotandline/

    言わずと知れた巨匠松本清張の代表作です。
     
    西村京太郎なんかはこの作品に憧れて、作品を書いていたんだろうなあ、という、いわゆる『電車ミステリー』の走り的な作品。
     
    博多の海岸で発生した心中事件。
     
    しかし、それは単なる心中ではなかった。
     
    今となっては当たり前になった感のある、時刻表を使ったトリック。
     
    この作品から始まってるんだなあ、と感慨深いものを感じます。
     
    『電車ミステリー』の原点を知りたい方には、ぜひおすすめしたい作品です。

  • ミステリー短編。小説を読みたい、特にミステリーがいい、とふと思い立ったときに選んだ一冊。厚さはそこまでなくミステリー初心者の自分には丁度いいと思い選んだことを覚えている。古くも軽い文体が読んでいて心地よく、登場人物の描写も良くスッとイメージが入ってくる。内容は時刻表を使ったアリバイを崩すといったもので、読みながら共に推理していく類の推理小説ではない。全体として淡白な感は否めないが、何か小説を読もうと思う人、人間に興味がある人には丁度良い作品。

  • ラジオで紹介していたので図書館で借りてきました。以前、ビートだけし主演でドラマもやってましたよね。列車時刻を駆使したトリックをやぶるアリバイ崩しは以外と新鮮でした。最後は安田の妻・亮子の執念も感じましたが、いつの時代も女の情念は怖いですね〜。

  • こういうのは恐らく歴史的に見てこそ価値があるのであって、今私が初めて読んだところで面白いかというと、別の次元なんだろうなぁ、というのが正直なところ。

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著者プロフィール

●1909年、福岡県に生まれる。印刷工、新聞社社員を経て42歳で作家の道へ。「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。『点と線』『眼の壁』『砂の器』『ガラスの城』『黒革の手帖』など推理小説の第一人者として多くの作品を発表する一方、『日本の黒い霧』『昭和史発掘』などノンフィクション分野でも活躍。日本ジャーナリスト会議賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。1992年死去

「2017年 『徳川家康 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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