砂の器(下) (新潮文庫)

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レビュー : 231
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109251

感想・レビュー・書評

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  • マジシャンのようにネタをお客さまに一つ一つ並べて見せておきながら、しかもミスリードさせながら最後に。

    時代が生んだストーリーなのでしょうね、病気、空襲。
    偶然の再会が無ければ何一つ悲劇は起こらなかったのに、そう思うと第一の被害者の善意がますます哀しく感じられます。
    日本各地、物見遊山させてくださって今西刑事ありがとう。
    (お陰さまでゆっくりできなかったけれど)

    キーパーソンの一人と同郷で、何やら親近感が沸きました。
    日本各地の地名を挙げてゆくとこういう効果もあるんですね、なるほど。

  • ラッキーハプニングだらけの捜査、事実から飛躍した推理、そして最後のトンデモトリック。松本清張氏の最高傑作として謳われるが出来はどうであろうか。

  • 散々ドラマや映画で観たが、原作は未読。
    あれ?ドラマと違う、こんな話だったっけ?と思いつつ上下巻一気読み。相変わらず列車移動が好きな人ばかりで。トリックに疑問があるし、目撃者なし物証なしで状況証拠と主人公の捜査員の推理で逮捕できるんかい、とつっこみどころ満載だが、この作品の意義はそこにないのでしょう。それよりも、小説が発表された1960年に清張がハンセン病を題材に小説を書いたその気概に注目したい。やはりそこは凄い。戦災の記憶がまだ息づき、既成秩序打破の熱と政治の季節のなか、差別と貧困を背負った青年の野望と闇を見事に描いている。日本の60年代の空気を知る上でも貴重な小説。

  • 被害者はなぜ上京したのか。二度も入った映画館で彼は一体何を見たのか。この問題に取り組む今西刑事の執念は、いかにも昔の刑事という感じで面白く、読み応えあります。
    ハンセン氏病を取り上げ、戦争時の混乱もあり、昔の作品ですが、古さより時代を感じられる小説と思いました。
    ただ終盤、解決に至る過程が、それまでの地道な捜査に比べるとテンポが速すぎるのではないかと。え? それで殺したの? あれ? その人そんな近くにいたの? みたいなかなり都合のいい展開も上巻から何度か見受けられました。その辺が少し残念ですね。

  • 未明の蒲田操車場で見つかった惨殺死体。手掛かりは、被害者の東北訛りと〝カメダ〟という言葉だけだった。ベテラン刑事の執念の捜査は、社会の光と闇を巡りつつ、父がハンセン病であったがゆえに家も故郷も失い、別人になりすまさねばならなかった一人の新進音楽家へと向かっていく。緻密な構成と意表を突く展開に多彩な人間模様を盛り込みながら、心に空洞を抱える青年の悲運と凶行を通じ、戦後の日本という巨大な〝砂の器〟が逆照射されていく。

  • 相変わらず粗い…。重要参考人が都合よく次々刑事の前に現れ、極めつけはたまたま読んだ文章に証拠隠滅の様子が登場し、ありえん、ザ推理小説ってかんじ。連載の時は少しずつ面白おかしく進んだのかもしれないけど、一気に読むとなんだそりゃ?!と驚く。人の心に触れそうでどんどん読んでしまうけど読み終わると意外と浅くてもっと丁寧に書けなかったのかしらと思ってしまう。だからいろいろな監督がかえってインスピレーション刺激されてうまく脚色加えて映画やドラマ化するのかな。

  • 面白かった

  • 元巡査の三木は、偶然目にした集合写真に懐かしい面影を見つけ、いても立ってもいられなくなって上京した。三木の純朴な人柄が、和賀にとって恐怖以外の何物でもなかったのがあまりに悲しい。
    タイトルは和賀の虚構の半生を象徴するほか、ヌーボー・グループのような見かけ倒しの才能への皮肉が込められているのかもしれない。
    遠方からの書類を首を長くして待っていた、当時のアナログな通信手段には人間的なぬくもりがあったなぁ。

  •  初めて読んだ松本清張の作品。冗長な部分はあるものの、全編に渡る描写と雰囲気の濃さに一気に読んだ。音を用いた殺人という凶器は腑に落ちなかったのだけど、その納得感の薄さを差し引いても面白く読めた。読者が今西と同じ目線に立って読めるようになっているからだろう。

     レビューで「ハンセン氏病の差別について書かれていた」とあったが、ラスト近くにあっただけであまりその意図は感じられなかった。ただ、関川が恵美子との関係をひた隠しにするなど、一見華やかな人物の後ろ暗いところの隠し方など、ハンセン氏病に限らず「触れられたくないこと」に対する人間のやましさ、臆病さについてはよく書かれていると思う。

  • 最後までどんどん読んでしまったけれど、やっぱり夜中に読むには怖くなります。
    この手の本は、明るいうちに。
    刑事ってすごいですね。
    執念です。
    これだけの登場人物が出てきたのに、ごちゃごちゃしなかったのもすごいです。

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著者プロフィール

●1909年、福岡県に生まれる。印刷工、新聞社社員を経て42歳で作家の道へ。「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。『点と線』『眼の壁』『砂の器』『ガラスの城』『黒革の手帖』など推理小説の第一人者として多くの作品を発表する一方、『日本の黒い霧』『昭和史発掘』などノンフィクション分野でも活躍。日本ジャーナリスト会議賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。1992年死去

「2017年 『徳川家康 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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