喪失の儀礼 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1978年2月1日発売)
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感想 : 15
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  • 本 ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109435

感想・レビュー・書評

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  • 医師の大量失血死変死事件から意外な真相に行きつくミステリー。鋭い人やミステリー好きなら赤い髪の女の正体については勘付きそうだが関連のなさそうな死体からの動機解明についてはさすが松本清張氏だと思う内容だった。

  • 大量失血の変死体。が、奇妙なことに、その傷口には絆創膏が貼られていた――。
    医学界を舞台に起きた、奇っ怪な連続殺人を描く(「小説新潮」連載。原題「処女空間」)。

    都内の大学病院に勤務する38歳の医局員・住田友吉が、名古屋のホテルで他殺死体となって発見された。手首を切られ、3リットルもの大量出血によって脱血死したのだった。刑事の大塚らの捜査で、住田が匿名で医学界の腐敗を暴く記事を雑誌に寄稿していたことが明らかになる。そして2ヶ月後、第二の殺人が――。
    目撃証言相次ぐ「赤い髪の女」とは一体何者か。震撼の医療ミステリー。

  • この作品は、昭和44年に連載されたので、清張が60歳位の時に書かれたものである。

    俳句のことが出てきたのは、少々興味をもった。
    俳句のことが出てくる作品は、「巻頭句の女」がある。
    これは読んだが、他にも、「菊枕」、「花衣」などがあるようだが、読むことがあるかどうか。

  • 時間をかけて読んだせいもあるが中だるみ感があった。
    一応、読了したが他の作品と比較して面白いとは思わなかった。

  • 松本清張の医療ミステリー。都内の大学病院の医局員 住田友吉は名古屋のホテルで他殺死体となって発見される。大塚刑事らは彼の身辺を探っていくが、なかなか真犯人や動機に辿りつけない。2ヶ月後今度は都内の個人病院の病院長が殺される。連続して医療関係者が殺される。大塚刑事と須田刑事はこの不可解な殺人事件に挑んでいく。目撃される赤い髪の女とは誰なのか。推理小説では動機が重要と語る清張らしいミステリーです。2024年2月8日読了。

  • 安定

  • 名古屋と東京で起きた殺人事件。弱い戦でしか繋がっていなかった2つの遺体が結びついたと同時に悲しい事実が明らかになった。読了感はすっきりではないが、読ませる作品だった。

  • 昭和47年に文庫化された作品。名古屋で開催された医学内科学会の出張の後、名古屋のホテルで失血状態で死亡発見された東京の大学病院の講師・内科医。ここから事件はスタートする。殺害された内科医は、現代俳句の趣味を持つ同人誌の選者でもある。名古屋署と東京の警視庁の刑事の合同捜査が繰り広げられる。続き、起こり殺人事件も失血。俳句に秘められたメッセージ。そして他の松本清張作品に比べて、会話構成が多いような気がする。

  • 最後まで動機を明かしてくれず2つの殺人がどう繋がるかわからなかった。バラバラのピースが後半になってやっと繋がるサスペンス。私の中では面白いと思えるものではなかった。松本さんの特徴の悪意の人物描写もなかったし。中盤は中弛みした。ストーリ~医者が2人殺された。違う日、違う場所で殺されたが殺害方法が似通っていた。2人に接点はない。製薬会社の外交員が捜査線上に浮かび動機もありそうだかアリバイあり。被害者と俳句で繋がっていた老女。彼女の行動も怪しいが動機がわからない。

  • 被害者がどのように殺害されたのかから始まって、とても詳細にかかれている。登場人物の数がとても少ないので、途中何度も真犯人が分かりかけてくるが、真犯人探しを読者にさせるお話ではない。被害者が殺された理由、その為に実行されてきた環境作り、この2つが最後の最後に明らかになる。
    この小説の一番最後の段落、これは強烈だった。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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