- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101109534
感想・レビュー・書評
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ベテラン女子行員・原口元子が勤めていた銀行から7500万円を横領した。それを元手に銀座のバアのママとなる。そのバアの常連客であった医者から5000万円を巻き上げる。元子の欲望はまだまだこれから。前編終了。
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まだ誰も死んでないぞ。
サスペンスというより、昭和の女の事件簿、的な展開です。
バーではなくバアという表記が時代を感じさせます。
黒革の手帖がまた活躍しちゃうのかしら。下巻の盛り上がりを期待します。 -
上下巻 完読
さすがです!
行員として職務にまっとうする日々の中で
仕事ができても会社に長年尽くしても
決して女子行員は高みを望めない
真面目に働いてきたのにもはやお局として煙たがられる存在
元子はうんざりしていた
絶望していた
経験と信頼を「黒革の手帖」に書き留め
銀行から〝ちょうだい〟した7000万円で銀座にクラブをオープンする
愛も情も知らず大人になってしまった元子
欲だけが彼女の活力となり這い上がろうと
お金に人生を捧げる姿は何故か哀しい
お勉強になります
人が思う人としての幸せは人それぞれ
だとしても幸せになれない人はどこまでいっても結局は幸せにはなれない
なぜなら幸せはお金や地位や人から与えられるものでなく、ただ単純に自分で感じるものだから
人の恨みを積み重ねたきた結末がちゃんと辻褄の合ったミステリーでやっぱ最高。
2019.9.5
今年の15冊目 -
女子行員が横領した金で銀座の高級クラブを経営、更なる金を引き出す為権謀を巡らすサスペンス。
タイトルの手帖に恐喝のネタが載っている訳だが、恐喝にならぬ様な情報収集、証人の確保、場面設定などは犯罪者でなくとも勉強になる事がある。 -
黒革の手帖(新潮文庫)
著作者:松本清張
発行者:新潮社
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
夜の街をのし上がる悪女を描く迫力ある小説。 -
この作品は、確か著者が70歳の頃に書かれたものだと記憶する。
社会派ミステリー作家の旺盛な創作欲を感じる作品である。
下巻が楽しみである。 -
銀行の預金係りの女が、
架空名義口座から着服、、横領。。脅迫紛いの念書を取り、
黒革の手帖からカルネと言う名のクラブを銀座に構え、
話は大きく深く発展して行く。。 -
ドラマを先に見ているのですんなりと頭に入ってきました。
ドラマとは時代設定が違うから細かい部分は違うけれど。
女の強さ、したたかさ、怖さがしっとりと書かれた作品。
屈辱や孤独を味わった女性がいかに強いかということをしみじみと感じます。
主人公・元子が“女”という性を使わずにのし上がっていくのは同じ女性としてかっこいいとさえ感じます。
上巻では、上昇気流に乗っている元子。
下巻でどう転落していくのかどう機転を利かせるのか、楽しみです。
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ドラマで武井咲が演じたのを見て、原作に興味を持って読み始めた。
時代も昭和50年代だし、主演の元子は銀行員でも、派遣ではなかった。
しかも、美人でもなかった。
それでも、ドラマとはまったく違ったストーリー展開がすごく引き込まれるものがあり、これが松本清張なのか!と、実は初めて松本清張も読んだのだ。
固いイメージがあったけれど、とても読みやすい文章。手に取るように思い浮かんでくる情景。
顔と違って、優しい文面。
色んな意味で驚いた。
何度もドラマ化されている理由も分かる気がする。
すぐ下巻読みます。
著者プロフィール
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