状況曲線(下) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109640

感想・レビュー・書評

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  • しかし、深い小説ではなかった。トリックも特筆すべきでもなく、ストーリーも単調であった。こういう清張にぶつかるときがたまにある。

  • 主人公の建設会社専務がダム湖で死体となって発見される。ここからストーリーの主役は捜査にあたっていた天竜署刑事に移る。東京の警視庁、京都府警と三社による捜査が、それぞれの事件について始まる。

  • まぁまぁ。読みづらかった。時代が違うからかなぁ。

  • 上 参照

  •  陰謀に巻き込まれた談合建設会社専務味岡。まさかの誰得小太りおっさん。
     上巻の終わりから不穏な気配がしていたけれども、下巻はメインヒロイン味岡から、主謎を解く刑事に視点をバトンタッチして物語が進む。
     下巻は上巻の謎が解き明かされるので読みやすく面白い。


    (以下ネタバレあり感想)


     しかし、終章の駆け足どころじゃないあらすじはどうなのか。雑誌の人気ランキングが悪かったのか、或いは作者が飽きたのか。上巻のクオリティに比べると下巻があまりにもおざなりでどうなのって思う。
     また近代手法で捜査している割に警察の見落としが多すぎて、読者にとって公開されるべき情報が隠匿されている。もし隠匿していないならば、推理が乱暴すぎる気がする。
     そして、ラストの駆け足あらすじにより、謎がどのように解けるかを魅せる物語というより、説明を「ハァ」って受けている気持ちになる。アレだ「犯人は実は異母兄弟だった(物語には出ていない)」的な気持ち。
     上中下でいいのでもっとみっちり書いて欲しかったなぁ……と言う気持ち。

     これ、調べてみたら2時間ドラマ化されていたようなんだけれども、どんな感じだったんだろう。

  • 上巻で起こった二つの殺人の嫌疑が自分にかかることを恐れ、ノイローゼ気味だった味岡の死体がダムで発見され、慶次が操作を始めていくところから始まる。自殺だと考えられていたが、不審を抱いた刑事の矢田部が味岡の周囲から操作を粘り強く続けていく。
    矢田部の捜査を黒幕達が先回りするかのように難を逃れていく部分がたまらなく面白い。しかしながら、刑事のプライドと経験から黒幕の裏の裏をかいて矢田部たちが追い回していく。
    今でもニュースになる談合事件。作品は古いが内容は古さを感じさせない。刑事と黒幕の緻密な計算による殺人事件は松本清張ならではの面白さだと思う。

    今日の味方は明日の敵。建設業界と政界の闇を見れて面白かった。

  • ねっとりと3つの殺人事件とその解明が進んでいくが、結末は偶然とも言うべき、ちょっとしたいざこざが全てを解決させてしまった。この作品の価値は、建設業界と官庁との談合という黒い関係を取り上げ、大きな社会問題に発展した端緒となったことだろう。我々の就職の時も話題になって、「談合を会社から指示されたら、あなたはどうするか。」といった問題が就職試験に出されたことを、懐かしく思い出した。13.10.10

  • トリックの突飛さが面白い作品で、松本清張によくあるいわゆるドロドロした人間ドラマとは毛色が違う、どちらかというと普通の推理小説です。ただ、建設業界の談合という題材は、読み応えあります。

  • 何度目かの再読。

    上巻でおぼろげに浮かぶ犯がの影を追う側に視点か移ります。トリック解明では少し加速するものの、進行中の計画の阻止と犯人を追い詰めるラストは、またジリジリと。

    テンポの良いのもいいけど、焦らされる展開もやっぱり楽しいのです。

  • 味岡の捜査にあたる地元刑事は、京都、東京、長野と味岡の足取りを追い、ついに味岡が嵌められた罠の正体に気付き、暴いていく。

  • 松本清張の本。1992年。物事を円滑に進めるために、談合がある程度必要とも考えられている。本当はないほうが良いのだが。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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