- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101109695
感想・レビュー・書評
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著者、松本清張さん(1909~1992年)の作品、ブクログ登録は29冊目になります。
本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。彼女は赤坂のホテル支配人・小滝にそそのかされ夫を焼殺し、行方を絶つ。直感で民子を疑った刑事・久恒はその行方を追ううち、民子への欲望をつのらせ、政財界の黒幕・鬼頭の女になっていることを突き止める。
人倫の道を踏み外したものがたどる〈けものみち〉とは。
---引用終了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思った以上に読みやすい作品でした。上巻が終わった瞬間に下巻が読みたくて仕方なくなりました。
かなり昭和の感じがする時代背景ですが、男女の駆け引きから主人公の女性がどんどん悪女になっていくのが面白い。そして政治がらみが出てくると、そんなに古い時代とは感じなくなりました。今も同じような感じが残っているのでは・・・と。 -
黒革の手帳、砂の器、わるいやつら、と読んだので、次はこれ。
割烹旅館で働く民子、脳軟化症の寝たきり夫に縛られ、家に帰れば理不尽に責められ迫られて、その描写がねちねちしてて非常に気持ちが悪かった。民子が可哀想だと思って読んでたら、料亭の客として知り合ったホテル支配人の小滝を足掛かりに、夫を事故に見せかけて焼殺、その後政財界の黒幕の愛人に収まってちゃっかり見返りを要求するなかなか根性の座った太い女だった。またこの政財界の黒幕の鬼頭という老人が気持ち悪いこと…そして、民子の夫殺しを疑って独自捜査をしている久恒という刑事も、正義心からではなく民子の身体目当てだったり、とにかく強欲な人間ばっかりが出てきてうんざりした。
人の道を踏み外しけものみちに迷い込んだ人々の辿り着く先は…
下巻に続く。 -
初、松本清張小説……!
かなり読みやすく、先が気になる展開でスラスラ読めた。結末は結構泥沼そうだけど……
下も読んでみたいと思った。 -
鬼頭洪太の存在は、政治的な黒っぽい雰囲気の中に影絵のように泛んでいる
/この一文だけでも、松本清張節が感じられる。 -
身分を変え夫を殺し、別の人生を読むことにした民子隠居した大物の世話をしながら、 ホテルオーナーの小滝に惹かれていく。
上巻ではあまり印象深いシーンがなかった。
下巻に期待。 -
けものだな
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ノンフィクションだけど、何だかとってもリアルな作品。お金も権力もなくても、穏やかな生活が一番です!
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主人公は中風のろくでなしの夫を持つ妻。夫とはホステス時代に出会って結婚。その中風の夫を放火で殺害。中居として務めていた料亭で出会ったホテル支配人の仲介で中居を辞め、高齢の大物のもとで仕えることに。しかし、仕えた高齢男性も寝たきりの中風だった。放火に不信を持った刑事の思惑も主人公に接近。
著者プロフィール
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