空白の意匠 初期ミステリ傑作集 二 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2024年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784101109787

作品紹介・あらすじ

Q新聞広告部長・植木欣作はある日の自社の朝刊を広げて目を疑う。和同製薬の広告のすぐ上に、同社で売り出し中の新薬「ランキロン」を注射された患者が中毒死した記事が出ていたのである。憤激する広告代理店と悪びれない編集部の板挟みになった植木は……。組織のなかで苦悩する管理職を描く表題作をはじめ、男女の恋情と打算を描く「一年半待て」「支払い過ぎた縁談」など初期の傑作8編!

みんなの感想まとめ

組織内での苦悩や人間関係の複雑さを描いた短編集は、社会派ミステリーの魅力を存分に発揮しています。特に、広告代理店と新聞社の板挟みとなる管理職の苦悩を描く表題作や、男女の恋情と打算を巡る作品群が、リアル...

感想・レビュー・書評

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  • Q新聞広告部長・植木欣作はある日の自社の朝刊を広げて目を疑う。和同製薬の広告のすぐ上に、同社で売り出し中の新薬「ランキロン」を注射された患者が中毒死した記事が出ていたのである。憤激する広告代理店と悪びれない編集部の板挟みになった植木は……。組織のなかで苦悩する管理職を描く表題作をはじめ、男女の恋情と打算を描く「一年半待て」「支払い過ぎた縁談」など初期の傑作8編を収録。

    ちょっと調べてみたら、この短編集の8作すべて映像化されているらしい。どれもなかなかの仕上がりであった。

  • 巨匠による社会派ミステリー短編集。相変わらず男女の暗い機微はあるし本作では新聞社と広告出稿社などのリアルすぎる人間関係が描写されている。社会に生きる人間の冷酷な面はブラック企業に限らず散見される好例であろう。
    個人的には可能性の犯罪の発展系である『一年半待て』や犯人と作家の攻防に見応えがある『地方紙を買う女』が面白かった。

  • 1957~1959年にかけて発表された作品から選ばれた八編から成る短編集。

    「一年半待て」、「地方紙を買う女」、「遠くからの声」、「白い闇」、「支払い過ぎた縁談」は男女の恋情と打算を描いた作品。

    「巻頭句の女」は保険金目当ての殺人事件、「紙の牙」は市政新聞に脅される市役所職員の姿、「空白の意匠」は組織のなかで苦悩する管理職を題材にしている。

    「紙の牙」では、地方の役所に巣くう地方新聞のたかり的な実態、「空白の意匠」では、新聞社と広告代理店の関係、新聞社内での編集部と広告部の確執が露呈され、清張お得意の社会派推理小説の醍醐味が味わえた。

  • 松本清張の1957-1959までの推理小説短編が入っている。おもしろかった。
    「一年半待て」「地方紙を買う女」「遠くからの声」「白い闇」「支払いすぎた縁談」「巻頭句の女」などはみな男女関係をあつかったミステリー、「支払いすぎた縁談」は、田舎の嫁き後れのインテリ(短大出)の女性が焦点になるのだが、やるせないラストで、それでも生きて行く内容なので、ずっしりときた。
    「紙の牙」と「空白の意匠」は役所・企業の小説で、犠牲になっていく男を書いたもの。これにも魅力的な女性がでてくる。
    感じたこと
    1. 松本清張的な「女」や「男」を昭和・平成とかけて克服しようとして来たのかなと思った。
    2. 庶民は料亭などに行ったことがないから、松本清張的な世界で知らない世界にふれていたのかも知れないなと思う。
    3. 夜行列車や電報など、現代では見られないものがあるのですでに古典で、読むのに準備がいると思う。すでに70年ほど前だ。

  • 1957年から59年に執筆した作品から8篇選集。推理小説にして、文章が重厚である。ほとんどが既読のはずだが、新鮮に読めた。2024.11.14

  • 新聞広告部長・植木欣作はある日の自社の朝刊を広げて目を疑う。和同製薬の広告のすぐ上に、同社で売り出し中の新薬「ランキロン」を注射された患者が中毒死した記事が出ていたのである。憤激する広告代理店と悪びれない編集部の板挟みになった植木は…。(e-honより)

  • 松本清張の1957年から1959年に書かれた初期短編集。「1年半待て」「地方紙を買う女」「白い闇」「空白の意匠」など、男女の恋や打算や組織の中で苦悩する中間管理職やマスコミの記事に怯える公務員などリアルな人間関係に悩み追い詰められてゆくまたは暴いて行くストーリーはさすがだと思う。個人的には「1年半待て」「白い闇」「空白の意匠」の最後の結末が余韻を残していい。
    2024年9月7日読了。

  • 時代感が良い どれも好き!

  • 初期作品集であり、ミステリーの王道をいく感じ
    特に発見はないけど、どこかで読んだことがあるような印象をもつけど、日本ミステリー界の王道だからかな
    設定が昭和30年くらいなので、違和感はあるけど、時代を感じることができます

  •  いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。
     このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。
     初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。どの作品を読んでも、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。

  • 短編集。「一年半待て」「地方紙を買う女」「遠くからの声」「白い闇」「支払い過ぎた縁談」「巻頭句の女」「紙の牙」「空白の意匠」の8つ短編が所収。
    このうち「遠くからの声」「支払い過ぎた縁談」の2編は初めて読むもの。いずれも『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短編コレクション(中)(下)』に収録されているようである。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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