南蛮阿房列車: 乗物狂世界を駆ける (新潮文庫 あ 3-5)

  • 新潮社 (1980年11月1日発売)
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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784101110059

感想・レビュー・書評

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  • 阿川弘之氏の本です。
    近頃では娘さんの方が有名になり、阿川弘之?ああ、作家の阿川佐和子さんのお父さんね、と言われ苦笑したなどと言う記述をどこかで読みました。あ、まんぼう先生との対談を読んだ時だったかなあ。
    文章が上手な方だ、と言うことは色々な方が示唆しておられますが実は著作をきちんと読むのは初めてかも。百閒先生の阿房列車にちなんでいるということでとりあえずこの本から読んでみようと思いました。

    海外旅行に行ってとりあえず悩まされるのは交通手段のわからなさではないでしょうか。
    タクシーに乗ったって目的地がきちんと通じるかわからないし駅では切符の買い方から降りるところまで全て皆目見当がつかないしバスなんてのものは日本でも知らない土地だと乗り方・お金の払い方からして全て異なっており到底旅行中などに活用することは考えられない小心者の私ですからこの本を読んでとりあえず凄いなあ…と感心致しました。作中にもありますが発展途上国では汽車と言うものはどちらかと言うと貧しい人が乗るものであり、富裕層は自家用車もしくは飛行機での移動がもっぱらだそうです。

    そういえばアメリカにいるときにメトロを使うと言ったら驚かれたことがありましたっけ。
    DCは比較的安全な場所でしたがそれでもメトロの駅はなんでこんな辺鄙なところに?と思うような場所に作られているケースが多く、何でも駅が出来ると不良がやってくるので地域住民に反対されたなんて話を聞いたことがあります。(むか~しの日本でもそうだったみたいですね。今はそんなことは無くむしろ新幹線の駅を作ろうと政治家が必死になってるみたいですが)

    話がそれましたが遅れるのが当たり前、無事に着くかどうかも微妙な異国の長距離鉄道を嬉々として乗っていらっしゃる様は凄いなあと思いました。やってみた…くは無いかな。私はちょっと怖いかも…。でもそのうち機会があればイギリス・フランス間とかは列車で渡ってみたいかも。(その前の飛行機で挫折する可能性大ですが…)

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著者プロフィール

阿川弘之
一九二〇年(大正九)広島市に生まれる。四二年(昭和一七)九月、東京帝国大学文学部国文科を繰り上げ卒業。兵科予備学生として海軍に入隊し、海軍大尉として中国の漢口にて終戦を迎えた。四六年復員。小説家、評論家。主な作品に『春の城』(読売文学賞)、『雲の墓標』、『山本五十六』(新潮社文学賞)、『米内光政』、『井上成美』(日本文学大賞)、『志賀直哉』(毎日出版文化賞、野間文芸賞)、『食味風々録』(読売文学賞)、『南蛮阿房列車』など。九五年(平成七)『高松宮日記』(全八巻)の編纂校訂に携わる。七八年、第三五回日本芸術院賞恩賜賞受賞。九三年、文化功労者に顕彰される。九九年、文化勲章受章。二〇〇七年、菊池寛賞受賞。日本芸術院会員。二〇一五年(平成二七)没。

「2023年 『海軍こぼれ話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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