- 本 ・本 (589ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101111179
感想・レビュー・書評
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笠松では若きアンカツが、上山では中鉢さんの名が。これ読んで荒尾に行きたくなり
行ってしまいました。海は、スタンドのぼらないと
確かに見えないねえ
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全国の地方競馬場を巡り、賭けて食べて泊まって…の紀行文。男の旅、という感じがして読んでいてワクワクウズウズソワソワして、行動したくなる本。今は廃止となった競馬場や、若き日の安藤勝己が登場するなど、競馬ファンには楽しめる。しかし内容にメリハリ、盛り上がりがなく、一冊の本としては面白味に欠ける。
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新刊にあまり読みたい本がなく、本棚に並んでいた競馬関係の本から真打ちとも言うべき本書を遂に抜き出す。
1984年に出た本はハードカバーで読み、その3年後に発売された文庫もすぐに購入。
全国の公営競馬場を訪ねた旅のお話が全部で21話。
ひとつの話が15分程度で読み切れる。順番を問わず開いたところどこから読んでも良い。どのお話も面白い。何度読んでも面白い。ということで、ひと頃、旅に持って出る本と言えばこの本しかなかった。
新幹線で移動し、そこから現場までタクシーまたは迎えの車で乗り付け、来賓席または特別観覧席に通され、お付きの出版社の社員が全てを世話してくれるというあたりには、庶民の競馬ファンとしては多少どうかなぁというものを感じるものの、その違和感を超えて余りある旅情と競馬愛溢れる文章の数々。
まだ食堂車や寝台特急があった頃、東北新幹線が上野発だった頃、両替をして口頭で馬券を買っていた頃、ペラペラの紙の馬券があった頃…。紀行文として秀逸であるし、ひとつの競馬論としても色褪せぬ。
私もこれに触発されて、1984年の帯広を皮切りにポツリポツリと公営競馬場を回り始めたが、最初の頃は怖かったもんね。見知らぬ場所へひとり乗り込んで勝負するような、異様な緊張感。
既にその頃斜陽であったその場所は、訪ねた後に閉鎖されたり、訪ねる前に廃止されたり、あるいは場所を変わって新しくなったり。
行ったことある(現存)…帯広、浦和、船橋、大井、川崎、金沢、笠松、名古屋、園田、姫路、高知、佐賀
行ったことある(その後廃止)…岩見沢、宇都宮、高崎、福山、荒尾
行ったことない(現存)…盛岡、水沢
行ったことない(行く前に廃止)…北見、旭川、上山、足利、三条、紀三井寺、益田、中津
現存して行ったことないのは、本書以降に開設された門別も含めもはや3か所を残すのみだけど、残り少なくなれば何かのついでというのもなかなか難しく、まして北海道・東北となると関西からは些か遠い。
定年後の楽しみにとっておきたいところだけど、いつ廃止されるかと思うとそう悠長なことも言っておられず、今更ながらに気持ちが焦る。何よりこの本を読むともうムズムズしてきたよ。 -
この本を読んで、小生も全国の地方競馬すべて行きました。すりきれるくらい読み返した遠征のバイブル。
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「もしも、そうやって、正しい馬券(実は不的中)を買い続けていたならば、誰だって、間違いなく破産するだろう。
秋の菊花賞(中央)で、僕は、アキビンゴの単勝を買い、連勝はホリスキーの同居する⑥⑥で勝負した。ここぞというときは「たくさん買ってもいい」というケースで、結果はホリスキーの優勝、アキビンゴは最後方から追いあげて五着だったから、勝敗で言うならば惨敗である。しかし、僕は、もう一度、菊花賞の馬券を買えといわれたら、間違いなく、アキビンゴの単勝、⑥⑥の連複を買うだろう。誰に何と言われても……。それが正しい馬券だと思っている。それでいいじゃないか。それが自分の競馬じゃないか。」
...僕も正しい馬券を毎回買っているつもりなのだが。 -
かなり古典ですが、競馬関係の本では名作に上げられる一冊。作家の山口瞳氏が全国の地方競馬を巡っての紀行文です。文章はさすがに上手い。
沢木耕太郎に頼まれた馬券が万馬券的中だったとか、笠松時代の安藤克己(当時21歳)が出てきたりで、なかなか面白い。
ところでこの本は文章もなかなかユーモアがあって面白いのですが、なんとなく嫌らしさも感じる。作家さんの大名旅行的雰囲気というか上から目線というか・・・。
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