男性自身 卑怯者の弁 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1989年12月1日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784101111223

感想・レビュー・書評

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  • 表題作『卑怯者の弁』は清水幾太郎の論文に対する戦後民主主義的な回答なのだが、確かにこの時代、こういった言葉に共感した人は多かったのだろうと思わせる反面、世代が変わるとどうしても届かなくなる言葉でもあると感じる。
    サントリーの広告部にいた人が中野重治に心酔していたというと、今から見ると随分意外な感じがするけど、戦後民主主義が息づいていた時代というのは、そういうものだったんだなぁ。

  • 国家よりも身の回りのコミュニティ、軍事力よりも野球談義、紛い物の理想社会には衣食住の一喜一憂で対峙する筆者の日常が時代を経ても活き続けている。市井の人々の粋はたわい無い言葉や所作に潜み、娯楽は別段お金をかけることにあらず、という当たり前の姿勢に共感する。これだけ物価が上がる情勢で防衛予算確保に懸命になるこの国は何処を目指しているのか、権力を監視する目がすなわち私たちの防衛力となる。

  • 20090722-20090725

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著者プロフィール

1926年東京生まれ。小説家、随筆家。『江分利満氏の優雅な生活』で直木賞受賞。おもな著作に31年間連載したコラムをまとめた「男性自身」シリーズ、『血族』『居酒屋兆治』など。1995年没。

「2014年 『ぐつぐつ、お鍋 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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