- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101111346
感想・レビュー・書評
-
父の書斎から拝借した一冊。ベンチャー時代のサントリーを支えた開高健と山口瞳。二人の直木賞作家を輩出したその自由な社風と、やらせてくれるなら人肌脱いで期待に応える職人気質な社員たち。世界に名を馳せるサントリーの創業時代を垣間見てワクワクしながら読み終えました。
管理経営論の授業でこの本を参照にレポートを書いたらSもらえました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「サントリーって何の会社?」って問われたら何て答えます?烏龍茶?はちみつレモン?CCレモン?プレモル?
「マッサン」ブームの最中で、「今売らずにいつ売るんだよ!?」って感じなんですが、この本はどこの本屋に行っても全然置いてないからびっくりした!!ジュンク堂や紀伊国屋等大きい書店にもTSUTAYA(市内で一番大きい)に行ってもない・・・。
ニッカの方の『ヒゲのウヰスキー誕生す』はどこ行っても置いてあるのに、サントリーの鳥井信治郎(ドラマでは堤真一)のこの本はどこ行ってもないんですよねえ・・・。本屋の店員さん、もうちょっと勉強してコーナーをちゃんと作ってください、ホンマに。
最終的に図書館で借りたんですけど、読書習慣の日が浅いんで図書館でまともに本を借りたのは初めてかもしれません。タノシイ。
この本が面白いのは、サントリー元社員の開高健と山口瞳が書いてるところ。自分は開高さんの著作数冊と、山口瞳の『江分利満氏の優雅な生活』の映画版からこの本に辿り着いたんですが、丁度「マッサン」にだだハマりしてる最中でした。「あまちゃん」以来で毎回ちゃんと観てます。
本の内容は良いんですけど、前半の山口さんの文章と後半の開高さんの文章をどうしても比較せざるを得ない。そうすると山口さんの文章はあんまりうまくない。開高パートに入ると硬質で論理的な文章になり、急に面白くなります。まあ開高パートが戦後史ってのもあるんでしょうけどね。
最初に書いた「サントリーって何の会社?」って答えですが、昭和の頃はまだお酒飲めなかった世代なんで、「マッサン」を観るまでサントリー=ウィスキーって発想がまったくなかったんです。赤玉やダルマ、トリスや山崎とかは知ってたけども、ビールの会社かとずっと勘違いしてました。
ビール事業に参入するのが悲願であって、2代目の頃に壽屋からサントリーと名を変えようやく達成できたそうですね。初出が1969年とかなり前に書かれてるんですが、後の1987年、アサヒのスーパードライ発売に端を発する「ドライ戦争」を予言するような開高さんの記述が非常に興味深いです。つか当たりすぎててすげー怖い。
アル中になりかけるほど飲めるけど最近晩酌は禁酒中の友達と、そんなに飲めないけど普通に酒好きの僕の意見を総合してみたんですが、スーパードライは美味しくないです・・・ただ苦いアルコールの汁、みたいな。プレミアム系かせめてラガー以上じゃないと、と・・・一番搾りで充分だけど。あとハイボールも濃いめで作ったほうが美味しくないですか?奥さん! -
サントリー創始者の鳥井信治郎と二代目佐治敬三の赤玉ワイン、ウイスキー、ビールを成功させるための物語。
1.サントリーの精神である『やってみなはれ、みてみなはれ』の精神を感じることが出来たこと
2.サントリーが太陽Sunと鳥井トリイであること
3.アサヒビールとサントリーの関係 -
★★★2019年5月★★★
山口瞳と開高健による『サントリー社史』。
まず、この2人がサントリーに所属していた事を知らなかった。明治時代の寿屋創業時代から、昭和のビール市場参入までの社史を書けば、自然と内容は鳥居信治郎と佐治敬三の伝記になる。
鳥居信治郎。大阪商品を地で行く男。
こうと決めたら絶対にあきらめない執念の持ち主。名より実をとる事を徹底。怒りもまた凄まじかった。一方で弱者への労りの心も人一倍持っていた。
大会社の創業者らしい、エネルギーにあふれる人物だった。
佐治敬三。戦前から戦後にかけての父・信治郎の変わり身の早さに呆れつつも、事業を受け継ぐ。
サントリー美術館など、新しい取り組みをどんどん開始。その最たるものがビール市場への参入。
酒屋でサントリーを飲んでいる人に会えば、最敬礼でお礼をするような人物。
サントリーという会社は、決して現状に満足せず常に新しい挑戦を続けていく社風があるのだろう。
それはいい面でもある。しかし・・・・
ビール市場参入の過程で、武蔵野ビール工場建設で死者(過労死)が出たことを悲痛でもなさそうに、あたかも武勇のように書かれていた箇所にはぞっとした。(P277~278*山崎裕三氏)
このような負の面もあるが
「初心を忘れず」
という気概を持って、変化を恐れず頑張ろう!
そう思える一冊だった。 -
山口瞳と開高健による豪華すぎるサントリーの社史。
芥川賞作家と直木賞作家を輩出し、名だたるクリエイターが席を置いていたサントリーの宣伝部は豪華だった。確かに幼少期の印象だけどサントリーの宣伝はオシャレで、土曜のラジオもよく聞いていた。
鳥井信治郎が立ち上げ、佐治敬三がビールを売り出すまでの歴史が描かれている。やってみなはれの精神でチャレンジし失敗を繰り返しながら成長してきた物語だ。酒を飲まず意外と地味な鳥井信治郎に、学究肌なのに慣れぬ営業に心血を注ぐ佐治敬三に親しみが湧く。サントリーを好きになってしまう。豪快で寛容なサントリーの文化が残っていってほしい。 -
携帯中毒になった自分のリハビリとして選んだ本。
-
軽快で熱量に溢れたサントリー史です。
ウイスキーでも飲みながら気軽に読みたいものです。 -
先に読了していた「洋酒天国とその時代」と比して
より当事者側の視点から、創業者鳥井信治郎の生き様に触れた作品。
芥川・直木賞の伏竜鳳雛を得るという僥倖の、単なる僥倖とは言えない所以が散見されるようにも思う。 -
サントリーの創業者鳥居信治郎と二代目佐治敬三の伝記のような話。サントリー社史と言ってもいいものだから、会社とそのトップを褒めあげている。宣伝部の破茶滅茶ぶりには驚いた。でも会社の勃興なんて運も関係あると感じた。2019.8.13
-
ソニーに飽きたのでサントリーにしてみた。
株主にとっては良くない会社だが社員にとっては良い会社かも。ボーナス60ヶ月とか一度もらってみたい。
著者プロフィール
山口瞳の作品





