パルタイ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.45
  • (18)
  • (35)
  • (69)
  • (4)
  • (4)
本棚登録 : 368
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101113074

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • パルタイと非人しか読んでないけど。この世代の閉鎖的な感じは伝わってきた

  • 1日中お腹がキリキリ痛い状況の中でパルタイに手が伸びる。一気読み。もうこの痛みがどこからくるものだか判別つかない。この本は私の少女期の形成に大きく関わっている。今でも自分の細胞の一部を成していることを確信。メビウスの輪のように表裏かわる世界と反世界。嘔吐もよおす存在自身。どうしようもなく魅せられる。この倉橋由美子の初期の作品群には「なぜ私は本を読むのか?」その理由が潜んでいるような気がする。

  • 聖少女に引き続き。
    パルタイがデビュー作なのか。ずいぶんの「労働者」「学生」「組合」の話が出てきて、反政治臭がする。熱く語る彼や、何もわからないまま飲み込まれていく主人公の戸惑いと組織の仕組み。
    非人。集金人。寮費の滞納。主張の失言と自信のなさ。しっぽ。
    貝の中。貝の蒸れて生臭く密集した女性たちのルームメイト。
    いくつかの短編を読んで、登場人物がKやらLやらというところと、不条理で自分だけ噛み合わない社会での立ち位置の不安定さに、カフカの『城』を思い出した。

    密告が一番良かった。幻想的で粒ぞろいの比喩。言葉の紡ぎ方。PとQ。Lへのサディズム。「ぼくは無を分泌してあなたがたの世界に円筒形の穴をうがち、世界の裏、無の、虹色の反世界をみていた。」

  • パルタイ
    非人
    貝のなか

    密告

    第12回女流文学者賞
    著者:倉橋由美子(1935-2005、香美市、小説家)
    解説:森川達也(1922-2006、兵庫県、文芸評論家)

  • 共産主義の理念・理想がなく
    共産主義者らしき人々の活動の断片の存在。

    冷えた女性の傍観的人生観。
    裏かえしの文学。

  • 簡単な小説ではない。詩のような小説。最後の「密告」は著者も言うようにジュネのよう。一筋縄ではいかないので何度でも読みたくなる。

  • なんかカフカか公房かって感じでわけわかんなさにあまり新鮮さを感じられなかった。

  • そーいう時代やったんやなあと思いながら読みました。
    閉鎖的な空間ていうのはきつい束縛があって、それはその分だけ自由なのかもしれないと望んでいるんだけども、でも全然救いようがない感じ。
    「非人」「蛇」「貝のなか」辺りがよかった。

  • うーん、難しい。

    難解さというよりは、不可解さが際立つ。全て一人称で進んでいくんだけれど、どれも男なのか? 女なのか? そもそも人間なのか? という疑問と一緒に進んでいく。

    世界観や設定を詳しく、というのはきっと無粋だろう。だけど、何と言うか落ち着かない。淡々とした、無機質な一人称も一因かもしれない。

    とにかく、ディズニーランドに一人で迷い込んじゃったくらいの疎外感とソワソワ感。

    それと、読んでいて社会主義的な匂いを感じ取ったものの、社会派というわけではないのかな? 違うな。

    性に関する描写をはじめ、私の苦手な汚い・下品なものの描写が結構多くて辛い。けれど、婉曲表現がすごく詩的でさりげないところに助けられた。

    不快感を与えないように気を遣っているわけではない気がする。むしろ、率先してそっちの話題を拾っていく感じ。

    汚物を汚物としてそのまま受け入れているんだな。不快感を不快感のまま留めておくのだな。この胃もたれの様なむかむかをどうにかしようとしなくてもいいのか。そうか。

    作中に似たような言葉があった気がする。すぐに読み直して確認しようという気分には正直ならなかったけど、読み終わってからそんなことを思った。

    そういうところは主観だが、著者から女性らしさを感じる。「汚い描写」は女性の方が圧倒的に上手いと思うんだよなぁ。

  • ぼくは無を分泌してあなたがたの世界に円筒形の穴をうがち、世界の裏、無の、虹色の反世界をみていた。世界はいたるところでねじれ、裏返しになり、みえない穴だらけになっている。世界は血をたたえた瞳のようなアナでいっぱいだった。その穴はあなたがたの皮膚の裏につづいているのかもしれない。いまあなたがたは裏側の世界を信じるだろう。

全34件中 1 - 10件を表示

パルタイ (新潮文庫)のその他の作品

パルタイ (文春文庫) 文庫 パルタイ (文春文庫) 倉橋由美子

倉橋由美子の作品

パルタイ (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする