大人のための残酷童話 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101113166

感想・レビュー・書評

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  • 昔話の要素が合わさってどろどろになって変形して。
    醜くて残酷なのにグロさは感じなかった。

    最後の教訓が痛烈でいいね。
    「坊やには恋をする資格はないのです」

  • もともとある話を少し変化させただけで、とくに驚きとかは無かったです。1話が短編すぎるからでしょうかね。
    どの話も印象がそんなに残らなかったです。

  • グリム童話や日本昔話、宇治拾遺物語、中島敦の短編などを換骨奪胎した童話集。
    話の終わりに倉橋さんの教訓が一行添えられているんだけど、それが怖い。
    「虫になったザムザの話」はカフカ感、変身感がぎゅっと凝縮されていてすごいと思った。
    好きだったのは「鏡を見た王女」「子供たちが豚殺しの真似をした話」「魔法の豆の木」。

    教訓すごいと思ったのは「養老の滝」。

  • 笑ってしまうほど、皮肉と毒にまみれた短編集。
    『反悲劇』が難しすぎて、このまま読み進めても分かるまい…と思ってとっつきやすそうなこの作品から。

    このタイトルだと、『本当は怖い〜』の仲間みたいだけど、全然違う。

    ひとつひとつの短編に、話の教訓が付されているので分かりやすく、特にこちらなりの解釈をする余地はあまりないと思うけど、「新浦島」の亀の内部の描写→教訓(オチ)なんかは上手いな、とニヤリとしてしまいます。

  • 暗くじっとりした倉橋さんの作品。読みやすかった

  • 本屋さんでふらっと買った一冊。
    本当に怖い童話とかと違って、作者がひとひねりふたひねり加えた童話集で新鮮だった。
    人魚姫の半身が逆になっただけでなんとなくグロテスクな話になるなあというのが強烈な印象。
    ただ、中国の説話とかもともとの話を知らないのが何作かあったのが残念。
    総じて、女を怒らせると怖いといった話が多かった印象。

  • 知っている童話から「こう来たか」と。それぞれの話の最後に倉橋先生らしい「教訓」も付け加えられている、それが皮肉めいていて笑えるのです。

  • グリムやアンデルセンといった西洋の童話だけじゃなくて、日本昔話や中国の故事、ギリシャ神話からカフカまで、幅広いジャンルのブラックなパロディ。個人的には、魚の部分と人間の部分が上下逆になってる人魚姫というのがインパクト大でした。

    ※収録作品
    人魚の涙/一寸法師の恋/白雪姫/世界の果ての泉/血で染めたドレス/鏡を見た王女/子供たちが豚殺しを真似した話/虫になったザムザの話/名人伝補遺/廬生の夢/養老の滝/新浦島/猿蟹戦争/かぐや姫/三つの指輪/ゴルゴーンの首/故郷/パンドーラーの壷/ある恋の物語/鬼女の島/天国へ行った男の子/安達ヶ原の鬼/異説かちかち山/飯食わぬ女異聞/魔法の豆の木/人は何によって生きるのか/解説:島田雅彦

  • 2010年から再販されているこの短篇集は、現在でも420円(税込)で購入できるが、柄澤齊(からさわひとし)の挿絵が無いらしい。
    僕はこの本をBOOK-OFFで見つけ、105円(税込)で購入した。
    平成10年に発行されたものなので、柄澤齊の不気味な挿絵も入っている。
    日焼けこそしているものの、それも味わいがあり、汚れらしい汚れも無く、とてもおトクな買い物をした。

  • 昔から気になって読んでみたが、可もなく不可もなくといったところ。

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著者プロフィール

1935年高知県生まれ。大学在学中に『パルタイ』でデビュー、翌年女流文学賞を受賞。62年田村俊子賞、78年に 『アマノン国往還記』で泉鏡花文学賞を受賞。2005年6月逝去。

「2012年 『完本 酔郷譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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