大人のための残酷童話 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 884
レビュー : 101
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101113166

感想・レビュー・書評

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  • ナンセンス。息抜きにはちょうどいい。一話ごとに「教訓」がついている。「異説かちかち山」は面白かった。

  • 本当に久しぶりの倉橋さん。そして珍しく装丁買い(と言っても古本なのですが)した作品です。
    新潮も力が入っている。カバーの質感も、中の挿絵も文庫とは思えない。
    しかし、中身はピンとこなかった。
    作者の想い=「論理的で残酷な超現実の世界を必要にして十分な骨と筋肉だけの文章で書いてみよう」と言う意図は判るのですが、どうもこの「骨と筋肉だけの文章」を私は苦手らしい。もっと余韻(トロッとした内臓?)が欲しい。
    それぞれの話の最後に付けられた”教訓”が(倉橋さんだからそんなことは有るはずもないが)何やら”悪乗り”に見えてしまった。

  • 残酷だ

  • 大人が童話に求めるコトは


     母が所望した『本当は恐ろしいグリム童話』と並べて置けば、面白い絵になるのではと考えて選んでみました。
     グリム、アンデルセン、ギリシャ神話、日本昔話、カフカのパロティまで、世界中のお伽話をダークにアレンジした短編集。倉橋由美子さんのゴシック嗜好が、古今東西の童話に蜜のごとく絡みついていて、いかがわしいムード満載です★

     しかし中身が分かってみると、『大人のための~』と『本当は恐ろしい~』を一緒に置くなんて、性質の悪い冗談でしかないですね。この二冊、品性が全然違います……。
     並べて論じるのもどうかと思うけれど強引に言うと、二冊読むと、大人が童話に求めるコトが浮かびあがってきます。

     たてまえとしては、童話と言ったら児童向けの話。だから、多くの「良識ある」大人は、子どもに見せたくない陰惨な要素を注意深く取り除いています。
     その分、こういう大人のためのと銘打った童話は、非常にむごたらしくて嫌らしいのです。比喩の裏にひそんでいる人間の邪(よこしま)さ、欲深さ、暴力性、嗜虐性が復活するから……。

     しかし、もともと童話に関心を持っている大人読者には、単に童話が残酷だというだけだと、意外と訴えるものが少ないでしょうね。残酷なのは知ってるよ、としか思わない★
     だから本書も、その残酷性は特別興味深いものだとは思わなかったのです……、がしかし、倉橋のインテリジェンスに触れられるのが、読む愉しみであり、救いでした。一旦、氷水をくぐらせたかのように冷たくひかる言葉で表されていて、芸術でした。
     どうしてもエロティックな会話をしなければならない時があったら、こんな風に(というのも何だが)気品のある、お高くとまった語り口なら何とか面白がれそう。

     とはいえ、これほど読書がストレスだったことってない。残酷な童話と銘打たれた本は、もう二度と読みたくないですね。エロ童話はこの世から滅びろ。

  • 人間が作った物語に淫猥な要素が入ってないものなんてない。

  • イソップやグリム童話、日本昔話を題材にした誰もが救われない物語集。
    傲慢や強欲は地獄行きですのよ

  • 100円棚でよく見かけるものの内容は倉橋由美子クオリティ。読み易いためか内容の記憶が曖昧。。。要再読

  • 昔読んだ。
    こういう系って惹かれて何冊か読んだと思うけど、内容は覚えてないな。

  • 恩田陸推薦本。『本当はおそろしいグリム童話』と間違えて読んだため、(あれ、グリム童話のはずが、一寸法師が入ってる?)と驚きました。
    似たコンセプトで作られたものかもしれませんが、こちらは恐ろしさや残酷さよりも、人間の小ささ、どうしようもなさや救いのなさを強く感じます。

    上向きの大団円で終わるオリジナルに比べて、どれも下降気味の尻つぼみの話になるため、がっかり感が生じるのは否めません。
    ただ、もしかすると元々の昔話は、こういうプリミティブな冷やりとした話がベースだったのかも、と思わせる凄味もあります。

    ビターな後味に、淫蕩味が含まれているところが、大人向けなのでしょう。
    おとぎ話のキラキラした幸せな明るさが肌に合わない人には、書庫の暗闇の奥にひっそりあるような、この本を暗い喜びで楽しめると思います。

  • 表題から想像される通りの内容。
    醜い人魚姫、マザコンの浦島、無様なかぐや姫…。-と、ひたすらにブラックでシュールな味付けである。原作への冒涜と言いたい処だが、ついニヤリとさせられる。
    毒とエロスのスパイスをたっぷりと塗してあるが、決して下品では無い。その辺りの匙加減が巧いなぁと感じた。
    数年前にブームがあり、同種の本が多数出版されたが、玉石混交と云うか、酷い内容のものもあった様に思う。ただ毒々しいだけなら、悪質なパロディーに過ぎない。本作はそれらとは一線を画している様に感じる。
    約25年前の古い作品だが、興味のある方は御賞味あれ。

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