北愁 (新潮文庫 B 1-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101116051

感想・レビュー・書評

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  • 幸田文が描き出す女性は、等身大ながらも力強い。それをはっきりと感じさせる一冊。飾らない文章が魅力的。

  • 今パワーが有り余ってるわたしには役不足かなと思ったら、全然そんなことなかった。ものすごく染みいった。あそぎちゃんと順治さんと。あっわたしも結局浅はかであった、と反省したのは単純なラブストーリーと考えてしまった自分をどんどん裏切っていく重みのある展開。もっと新鮮で、読み応えのある人間ドラマだった。自分が情けない&恥ずかしい。ということもあって余計にしみいった。それでも日々が続いていくことに対する厚かましさやがむしゃらさは愛おしいと考えるよりも、薄汚れていて情けなくなる。そこにある、交流というのも複雑な気持ちにさせられる。ひとつのやさしさを心いっぱいで受け止める、というのにも立場がいり、飛び出すにも抱えているものの大きさよ。思いは果てしなく、腕には限りがある。も っ と

  • 言いたいことばっか言いまくってるのが結婚生活ではないのよ
    というような戒めでもあり、そんななかの些細な気付きで支えられる生活とか。

    相変わらず、気持ちの描写がうまい。
    私は、旦那もじゅんじさんも苦手なタイプかと。
    おうちで家庭を守って、夫を立てることが当然な時代で
    ぎすぎすしようとも、自分を貫く杉子さんのオーラもすげーなと。

    どろどろしつつも、芯が一本とおっている方々は
    文章にしても強く見られます。

著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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