- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101116075
感想・レビュー・書評
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「一本筋の通った人」の代表格である幸田文による、木にまつわるエッセイ。
<ひのき>
植林されたひのき林で、風雪によってねじまがった木と、良い環境でスラリと伸びたエリート木とを比較して、環境によって人となりがかわることへの洞察が鋭い。ねじまがった木の生命力の強さに感嘆しつつも、その生き方に息苦しさを感じ、エリート木によって心が和やかに開かれるのには同感。
人の成長における環境も同じことと思い悲哀に浸る自分に対して、作者はカラリとしているのは、やはり作者自身がエリートであるからか?しかし生命に対する愛情があるれているため嫌味がなく、素敵!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
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(2012.02.23読了)(2012.02.19購入)
☆幸田文の本(既読)
「崩れ」幸田文著、講談社文庫、1994.10.15
幸田文 コウダ・アヤ
1904年9月1日、東京生まれ(幸田露伴次女)
1928年、清酒問屋に嫁ぐ
1954年、『黒い裾』により読売文学賞を受賞
1956年、『流れる』により新潮社文学賞、日本芸術院賞受賞
1973年、『闘』により女流文学賞受賞
1990年10月31日、死去 -
きりっとした、簡潔で背筋の伸びるような文章。
日々の雑念や人間関係の煩わしさに疲れたときに幸田さんの本を読むと、心が本当に洗われる。
弱い人間なので、曖昧な暗さやふわふわとした希望に抗しがたく引き寄せられる毎日だけれど、もっとシンプルに生きたいと思える。
澄んだ空気の中に出てみたくなるから、冬にはおすすめ。 -
20110623
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著者と樹木のふれあいのエッセイ集。
木も人間と同列で見つめる著者の視線は鋭く、温もりがある。
まっすぐ育つのも、曲がって育つのも理由があるのだ。
著者はその美しさに感嘆し、嫉妬し、その瘤に慈愛を寄せる。
読後は樹木との距離が少し近づく。
幹や枝ぶりに生の記録をみつけ、思わず「頑張ったね」と語りかけたくなる。
何度読み返しても凛とした文章は清新で、マイナスイオンを浴びたように心地よい。
幸田文に興味を持った方は少女時代を描いたエッセイ「みそっかす」もおすすめ。 -
「国語の教科書に載った作品」で、それは、この作品の始めにある「えぞ松の更新」という章である。
木と木の周りで起きたことについて感じたことを丁寧に書かれており、「木」のことや作者の心の内を少しでも理解することができれば良いと思う。 -
年老いても感受性の豊かな人間でありたい。