- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101117096
感想・レビュー・書評
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徹底した調査に基づく記録文学の短編。大自然との戦いを描いた「艦首切断」「顛覆」は圧巻! 「敵前逃亡」「太陽を見たい」でやるせない気持ちになり、「最後の特攻機」の不条理...。「軍艦と少年」は『戦艦武蔵』の後日譚。240頁ほどだが心にずんっとくるどれも素晴らしい作品。
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面白かった。最初の日本海軍の艦船の設計ミスについての二篇は知らないエピソードだったので良かった。さすが吉村昭。他の作品もそれぞれ良かったけど、敵前逃亡だけがフィクションで、かつ別種の独特の読後感で居心地悪かった。読むものがなくて某所で困ってたら置いてあったので借りて読んだ。
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【目次】
「艦首切断」第四艦隊遭難事件
「顚覆」水雷艇友鶴遭難顚覆事件
「敵前逃亡」沖縄鉄血勤皇隊中学生
「最後の特攻機」宇垣纏海軍中将の突入
「太陽を見たい」沖縄伊江島の女子切込隊員の記憶
「軍艦と少年」戦艦武蔵設計図紛失事件
【再読】
2022年8月4日 -
3,4回目か。ちょうど、今頃に読むと、先人が悲惨な国情に伴い、命を捧げた時間に少しでも近づけ弔意の首を垂れることが出来たらと。
7編は長短あれど、重さはいずれ劣らぬ力作、熱く、するフド委痛みで突き刺さってくる。臨場感はとてつもなく、読み手の周囲の時間が停まったかのような想いを抱かせてくれる。
中身をそらんじられるほどに熟読した「艦首切断」は圧巻。吉村氏のペンはいつもながら、その場に居ないのになぜにこうまでと息をのむ想い。
下手な戦争追悼番組や政府の域が掛った様な追従モノより、中学生に読んでほしい・・難しくてもこうして日本の軍は新た貴重な命を散らして行ったのだと。 -
不合理
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P242
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素晴らしかった!
泣きながら読みました。
特に、『艦首切断』と『顛覆』(本書どおりの漢字がでなかったけれどてんぷくです)は感極まって一気に読むことができませんでした。
シンプルながらも的を射た表現が想像力をかき立てます。
大変よい本でした。
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