- 本 ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101117348
感想・レビュー・書評
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「これは映像になる」
と、どなたかが感知して映画になったのかどうか
2,3前に映画が完成しブレイクしいたのを思い出す
たしかに読んでいて
雪の霏々と舞う中の惨劇を絶えず思い浮かべてしまう小説
日本史の勉強で
「安政の大獄」1859年(安政6年)
「桜田門外の変」 1860年(蔓延1年)
と暗記した昔が懐かしい
けれどもたった2行の年表事項、試験が終われば忘れてしまう
その歴史的事実を忠実に吉村昭さんは小説になさった
ルポルタージュでもない、創作でもない作品
ましていわゆる時代小説でもない
しかし
感動を呼び起こし夢中にさせる筆力
それはなんだろうなぁ、誠実な筆運びというのかな
と、わたしは夢中で読んでしまったのであったが
さてさて、この事件を肯定する気にもなれない
歴史は人々を幾人殺せばいいのかと思う
人間は殺し合いという遺伝子をたれながしつつ滅亡に向かう詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
襲撃シーンから始まる下巻。かなりのリアリティ感じます。後半は逃亡生活を描いてます。何にも報われずに行った行為は、現代に生きる私には辛いと映りました。
単純に後半は歴史の本筋とはズレるので個人的興味はあまり無かったです。 -
・井伊大老の初傷はピストルによる貫通銃創。
・襲撃時間は約3分程度。
・実際の斬り合いは剣術によるスマートなものは全くなく、泥臭い鍔元による押し合いで指、耳、鼻が斬られるケースが多く、襲撃後の現場にはそれらが散乱していた。
・幕府による逃亡者の逮捕捕獲技術の高さ。 -
20250308
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上巻の途中からはどんどん読める。
事件そのものの描写は100頁から133頁までしかない。
事件前後の緊迫した状況が、確かな筆致で描かれている。 -
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桜田門外の変が、現場を指揮した水戸藩士関鉄之助の視点から訥々と語られている。膨大な資料を基に徹底的にリアルに描かれており、読みながら大老井伊直弼は生かしてはおけぬと思わされるほどである。桜田門外での井伊大老の襲撃シーンは、鉄之助の横で観ていたかのような映像記憶が残る。事変後は、鉄之助はじめ関与者の過酷な逃避行には胸が締め付けられた。吉村昭の筆力に感動する。★5つでは足りない。
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桜田門外の変は、幕府と水戸藩の対立、諸外国どの向き合い方をめぐる立場の違いを背景としている。この作品は、水戸藩士の関鉄之介を主人公に事件の詳細を描く。明治維新のたった8年前。歴史のネジを巻くことになった事件。
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名作には違いないが、下巻は関鉄之助を中心とする生き残りメンバーの逃避行だけなので、途中でちょっと飽きてきた。ただ、緊張感が伝わってくる描写はさすが。
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徐々に鉄之介が追い詰められていくのが、苦しい。体調不良、情勢の変化や追われる者の精神的疲労、苦痛。信じたことを行い、貫き通すことは、難しい。
多様性が叫ばれる現代。正義は、皆違う。何処に落とし所をつけるか。そのためには、他者理解やコミュニケーションが必要か。
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