わたしの流儀 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2001年4月25日発売)
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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784101117409

感想・レビュー・書評

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  • 堅物の頑固親爺の風貌から、その筋の人(刑事が一番多く、大工の棟梁、配管工、八百屋の亭主など)とよく勘違いされた吉村昭(1927-2006)氏が、小説書きとして歳を重ねた想い、取材先の思い出、酒肴の愉しみ、人との出会いなど、作家冥利に尽きる体験やユーモアに富んだ日々の暮らしの風景を語り紡いだ115編の随筆集。 「・・・世に名作と呼ばれる作品に少しの感動を覚えぬ場合、自分の鑑賞眼が低いとなどとは決して思わぬことだ。 私の胸の琴線に触れてこない、自分とは相容れぬものと考えるべきである・・・」

  • 著者の穏やかな人柄、歴史への眼差しが
    伝わってくるエッセー集。

  • 旅に出て、人と出会い、酒肴を愉しみ、言葉を選び、小説を書き、歳を重ねる……。自らの流儀を守り、穏やかで豊かな生活から産まれる傑作の数々。その精密な取材と静謐な筆致は、読む者を虜にし深い感動を呼び起こす。作家冥利に尽きる体験、日常の小さな発見、ユーモアに富んだ日々の暮し、そしてあの小説の執筆秘話を綴る。作家・吉村昭の文章を紡ぐさまをかいま見る芳醇な随筆集。(アマゾン紹介文)

    『羆嵐』や『戦艦武蔵』、『隧道高熱』など、一時期立て続けに読んでいた吉村さんの随筆集。
    作風と同じく派手さはないが、確かな気概と意外なユーモラスもあり、面白い。読み進めるのが少しもったいなく感じた。

  • 非常に短いエッセーの数々から、著者の律儀で昔気質な性格が伺える。

  • 再読

    作家・吉村昭氏の随筆集。氏の作品の執筆秘話が多めでファンならば特に楽しめる。
    題名を付ける事の難しさ、容姿や編集者との会話から作家とは見られず警察関係者や何故か配管業者に間違われた話(そして勘違いを面白がり訂正しなかった事への妻・津村節子さんからの忠告も何だかおかしい)もユーモアがあり楽しい。
    個人的には、とある研究者宅にて飼われている大型犬2頭に挟まれて犬に超至近距離で見つめられながらの取材の話がおかしくてたまらない。

    氏の子育て論や女性の在り方については時代性もあったのかもしれないが、それは如何なものかと思う所あり。

  • この方の視点がいいなあ、読んでよかった

  •  すっかりファンになった氏のエッセイ集。氏の書斎のように自室を改造したい、となぜか思う。

  • エッセイ集。温厚な人柄がにじみ出ており、観察眼が鋭い。ユーモラスな話あり、胸にグッとくる話もあり、私にとっては非常に面白く一気読みした。著者のように歳を重ねたいものだと思う。

  • 吉村昭のエッセイ。「時間の尺度」などが参考になった。

  • 絵は本来題をつけるべきものではないものかもしれない わたしの仕事は机にむかうことで、考えてみると妙な職業である 私は長崎にそれらの貴重な物が数多く残っている理由を知り、安堵した

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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