大黒屋光太夫(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117478

感想・レビュー・書評

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  • 2017年12月4日、読み始め。
    2017年12月10日、98頁まで読んだ。

    2021年5月15日、追記。

    大黒屋光太夫、どのような人物か?
    ウィキペディアで見てみた。

    大黒屋 光太夫(だいこくや こうだゆう、宝暦元年(1751年) - 文政11年4月15日(1828年5月28日))は、江戸時代後期の伊勢国奄芸郡白子(現在の三重県鈴鹿市)の港を拠点とした回船(運輸船)の船頭。

    天明2年(1782年)、嵐のため江戸へ向かう回船が漂流し、アリューシャン列島(当時はロシア領アラスカの一部)のアムチトカ島に漂着。ロシア帝国の帝都サンクトペテルブルクで女帝エカチェリーナ2世に面会して帰国を願い出、漂流から約9年半後の寛政4年(1792年)に根室港入りして帰国した。

    幕府老中の松平定信は光太夫を利用してロシアとの交渉を目論んだが失脚する。その後は江戸で屋敷を与えられ、数少ない異国見聞者として桂川甫周や大槻玄沢ら蘭学者と交流し、蘭学発展に寄与した。甫周による聞き取り『北槎聞略』が資料として残され、波乱に満ちたその人生史は小説や映画などで度々取りあげられている。

  • 急死に一生の目など遭ったことのない身としては、漂流の絶望感は想像を絶する。生き延びることのみが目的となる日々。陸の姿に恋焦がれる。いざ、たどり着いた島。そこはロシア領。命あることだけに感謝する。たとえ定住となってでも・・・とは、ならない。今度は、再び故郷の土地を踏むことを希う。東端の島から「シベリアのパリ」への流転。国の思惑があるとしても、出会う人々の親切さと情の深さには感心する。ロシアは近くて遠い国。過酷な旅に次々と命を落とす乗組者たち。生き残っている人の名前を確認し、下巻へと進める。

  • 江戸時代の18世紀末、伊勢の国から江戸へ向かう予定であった大黒屋光太夫一行は嵐にあり、アリューシャン列島のアムチトカ島に漂着。同島はアメリカが1960年代後半から 地下核実験を行った島である。
    当時鎖国下にあった日本に 帰るにも帰られず、また島をでるにもでられす、
    次々と仲間たちが死んでいく中 光太夫らはペテルブルグのエカテリーナ2世に謁見をゆるされ、約10年後に帰国する。
    同じ題材を取材した井上靖の「おろしや国酔夢譚」と比較して読みたい本である。
    吉村昭晩年の作だが漂流のほうが人間がよく描けていたと思う。

  • 1985年にTBSのシベリア大紀行と言う番組で椎名誠が大黒屋光太夫の足跡を辿ってるのを観た。その番組が印象深く、その影響で井上靖のおろしや国酔夢譚を読み、後に映画化されたものも観た。でもなぜか椎名誠のシベリア追跡やTBS取材班のシベリア大紀行は読んでいない。その後、2003年に吉村昭の大黒屋光太夫が発行されたので読みたいと思っていたのだが、ようやく読み始めた。

  • 感想は下巻で

  • 下巻にまとめます

  • 先讀過漫畫,這本書其實是一本無比悲傷的書。31歲的光太夫是世襲船頭大黑屋養子,神昌丸上17人在遇到風暴漂流七個月(在船上這段真的很可怕,讓我想起漂流那本書。沒想到彦根藩的畳表可以拿來當藩用)漂到阿留申群島的小島上待了四年,開始學露西亞話跟露人溝通。原住民與露人交惡,露人要回國,來接的馬上破船,結果又撿漂流木(好有既視感)造船。好不容易回到堪察加半島,遇到漂流民(磯吉和妹妹喇季...),萌生上京直訴回國之意,也開始學寫俄文。接下來這一段又是苦難之旅,又有慘烈的飢餓,移動過程裡面描寫的寒冷真的令人恐懼至極(掛在樹上的馬,還有庄藏的受寒之慘烈)。到達伊爾庫次克時認識了老學者拉克斯曼,拉克斯曼建議他上書繼續求情。

  • 「凄まじい」の一言。江戸中期に紀州から江戸を目指した商船が暴風雨に巻き込まれ、アリューシャン列島まで漂流した後、ロシア人に助けられる。その後、帰国の願いを訴え続けるが、鎖国下の日本との交渉役に仕立てたいロシアとしてはなかなか許さない。時の女王エカテリナの許しを得てようやく帰国したのは、紀州を出発してから10年の歳月が経ち、17名の船員のうち、帰国できたのは3名だった。航海技術も海図も不十分、海外に出るなんて夢にも思わない、言語も慣習も何も情報がない、栄養状態も医療技術も現代とは全く異なる状況で、10年間も帰国の望みを持ち続け、ロシア人と日本人の双方から賞賛される態度をとり続けた主人公に大きな感銘を受ける作品。

  • 2018年3月16日読了

  • 江戸時代に船が難破してアリューシャン諸島(シベリアとアラスカの間の島)に漂着したあとロシアに脱出し,エカテリーナⅡ世に謁見した後に日本に帰ってきた実在の船乗りの話。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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