太陽の季節 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 119
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101119014

感想・レビュー・書評

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  • たしかに一義的と言えば一義的、裏を返せばよく踏みならされた道を歩くようなというか。登場したときには新しかったようだけど「こういう小説あるよな」って感じを受けた…むしろこの小説がそういうのを作ったのか?よくわかんないけど、現代では多分公的な場でおそらく多くの人が、偏ってるって言いそうな男女観を、ここまで全面に出されると、何よこの人とは思いつつ、一厘の留保があって、なんだか悔しいというか、、そして多分この小説は作者をおよそ投影してないってことは考え難いというところから、この人が都知事なのか、と…。描写能力に優れてることは言えると思うので、洞察力はあるのだと思うのだけど、その上でそれを上回って、自分の価値観に作り上げていくというか…そんな感じを受けた小説でした。

  • 有害図書を取り締まろうとする石原氏本人が書いていた著作に興味を持ち購入。
    生々しさはそれほどないものの、エロ・グロ・ナンセンスの要素は十分に備えている作品なのではないか。
    読んでいて面白いとは思えない。

    唯一すごいと思ったのは彼が在学中に執筆したという事実である。

  • 2012年現在東京都知事である石原慎太郎さん。
    彼が芥川賞作家である事を知っていますか?
    もしかしたら知らない方もいるかもしれません。
    様々な問題を提起している彼の作品とはどんなものか。

  • 表題作のみ。感想は「ダサッ( ゚∀゚)・∵. 」。まあ、昭和32年だつうから、こんなもんなんかね。賢いったって、学生の考えるレベルだしなぁ。今の作家のイマジネーションや表現力と比較しちゃうと、まったくそのレベルでないと思うけど、まあ、ほら、戦後だったし。当時の大人の批評の斜め上をいこうとする、そのあまのじゃく気質は評価に値すると思いますが。

  • 【読書その60】久しぶりの小説。専門書やビジネス書だけではなく、小説を読むことで想像力や感性を育むことができるというアドバイスを受け、以前から読んでみたいと思っていた現東京都知事の石原慎太郎氏の著書を読む。石原氏は大学の先輩にあたるが、本書を在学中に発表したというのは知らなかった。内容が内容なだけに今のタイミングで読むべきではなかったような内容だったが、その表現力にはすごいものを感じた。発表当時も賛否両論だったそうだが、在学中にこれを書いたというのは本当に衝撃的。やはり昭和30年代当時の時代にこの内容を出したことは相当の反響があったのだろう。

  • 表題の「太陽の季節」を含む短編集。
    太陽の季節もそうだけど、図太くまっすぐな直線を猪突猛進で生きている主人公が、図太くまっすぐだけど、多くの人の道、道徳から外れているから、最終的には崖底に落ちていくんだけど、崖底に落ちる時も、崖があるのがわかっていても、そこにも猪突猛進で突っ込んでいき、案の定落ちていく。けっこう救いようのない話が多かった。
    最後の2話「ヨットと少年」「黒い水」は他の話と少し違った。

  • 言わずと知れた石原都知事の代表作ですね。タイトルや太陽族なる言葉は知っていたのですが読んだことがなかったので図書館で借りて読んでみました。正直あまり好きな作品ではなかったです。表題作を読み他の作品を続けて読む気がしなかったのでこの作品だけの感想です。

    時間があってお金があって生きる目標の無い若者たちが集うとまあろくな結果にならないと言うことでしょうか。小人閑居して不善をなす、ですね。それにしてもブルジョワジーな若者たちだ。K学園って慶應のことかな(笑)。戦後必死な思いで復興を遂げた世代はしなくてはならない課題が山積みで一心不乱でしたがその次世代たちはやることが無くて金だけは親からせびり取り、そのありあまる若さや情熱を持て余していたのかな、と。
    この主人公は最後彼女を想い涙を流したわけでは無く、自分のお気に入りのオモチャを取り上げられた事実に泣いていた、と言う事実に恐怖しました。他人の痛みがわからない、自分の欲望に忠実に生きているだけのこういう若者が成長して今の日本を代表しているのか。そして作中では簡単に人を殺せても現実にはそう簡単に人間関係は片付かないと思う。だから犯罪が起きるのか。

    そしてさらに今の世代はそのやる気すらなくしてしまい好きなことだけに没頭する若者が増えた気がします。金の無い若者も増えましたが昔ほど貪欲にならなくても現状で満足することに慣れてしまったのかな。

    それにしてもこういう作品を書いていた人に今の若者はとか言われたくないなあ(笑)それ、あなたが若いころにもっとも反発していた大人の態度じゃないですか、と?モラルとか道徳観念の話をされてもお寒い感じがする。それこそ若気の至り、なのかな?

  • 友情と言うことにせよ、彼等は仲間同士で大層仲は良かったが、それは決して昔の高等学校の生徒たちに見られたあのお人好しの友情とはおよそかけ離れたものなのだ。彼等の示す友情はいかなる場合にも自分の犠牲を伴うことはなかった。その下には必ず、きっちり計算された貸借対照表がある筈だ。何時までたっても赤字の欄しか埋まらぬ仲間はやがては捨てられて行く。彼等の言動の裏には必ず、こうした冷徹で何気ない計算があった。
    <33頁>

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    著者のビッグマウスたるルーツを知ろうと読んでみました。
    内容としては暴力とセックス。
    当時、太陽族という語まで生んだほど社会現象を起こしたらしい。

    正直、最初は、「暴力とセックス」にばかり意識が向いてしまって、女性としては多少不愉快な内容もあるので、面白くないという印象でした。
    けれど、ここでレビューを書くにあたって、他の方の引用を読んで、その部分を再読してみると、なんだか不思議とすとんと落ちたかもしれない。

    「暴力とセックス」はただの表層であって、子どもから大人への、または大人になってもなお抱える自分自身のもつ理想と現実のギャップへの葛藤とか、鬱屈した感情を、叩きつけているような印象を抱きました。

    石原氏自身も若い頃があったのだなぁと(当然ですが)、なんだか不思議な気分になりました(笑)

    ただ、石原氏が先日、「面白くないからやめる」と言って話題になりましたが、それは石原氏がこういう鬱憤を乗り越えた「オトナ」になって、共感しにくくなってしまったから、「面白ない」と感じるのでは?と思ってしまいました。
    つまり、最近の受賞者の質が落ちたとか、面白くないのではなく、ただ単に石原氏自身が、最近の受賞者世代の書かれる「感情」やら「環境」やらに共感できないからではないかと。

    そう思った所以を抜粋してみます。

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    人々が彼等を非難する土台となす大人たちのモラルこそ、実は彼等が激しく嫌悪し、無意識に壊そうとしているものなのだ。彼等は徳と言うものの味気なさと退屈さをいやと言うほど知っている。大人達が拡げたと思った世界は、実際には逆に狭められているのだ。彼等はもっと開けっ拡げた生々しい世界を要求する。一体、人間の生のままの感情を、いちいち物に見たてて測るやり方を誰が最初にやりだしたのだ。
    <34頁>

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    大人たちのモラル
    (=最近の若者は貧弱だから皆自衛隊に入って訓練しろと言う、若者が貧弱であるという論理の根拠って結局、勝手な価値観とかモラルだよね)

    大人達が拡げたと思った世界
    (=今の日本の経済的豊かさとか?)

    石原氏が若かりし頃の「戦い方」と、今の若者の「戦い方」が違っているだけで、根本みたいなものは一緒だと思う。「日本はすき。すばらしい国だと思う。でも、日本が徴兵制になったら、いやだな。戦争になったら海外逃亡しよう」って思う。それは貧弱だからとかじゃない。時代の流れによるもので、ただその若者たちの感情を石原氏が理解できなくなっただけ。でも、それは石原氏だからとかではなく、当たり前のこと。それが世代の違いってやつで、それが時間の流れの中では自然なことだと思った一冊でした。

  • 女を暴行して得意がってという話ばかり。さらに石原慎太郎の「はじめに」には現在にも通じる表現とか、この作品に対して後ろめたいことなどないと堂々と自分大好きで自信家っぷりを現している。

    今との時代の違いを考慮しても理解し難い。

  • 言葉は時代と共に変わって行くものだけど、少し前の時代の人はみんなこんなしゃべり方してたんだろうか。耳で聞いたら聞きやすいんだろうけど、字面にしたらまぁ読みにくい。

    内容については、みんながみんなこうではないだろうし、誇張もあるのだろうけど、こう言った作品を書かせるにはそれなりの時代背景があるわけで、そう思うとこの作品に出てくるような若者達が年齢を重ねて今の日本を支えてるのだとしたら、少し複雑。

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著者プロフィール

1932(昭和7)年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。『亀裂』『完全な遊戯』『死の博物誌』『青春とはなんだ』『刃鋼』『日本零年』『化石の森』『光より速きわれら』『生還』『わが人生の時の時』『弟』『天才』『火の島』『私の海の地図』『凶獣』など著書多数。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章。

「2019年 『湘南夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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