太陽の季節 (新潮文庫)

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レビュー : 119
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101119014

感想・レビュー・書評

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  • 外観と内実が合わないことへの苛立ちがテーマとしてあるらしい。「先端的な学風」を押しつける学校とそれを装う学生達とか、理科の解剖の授業で「鰯」の代わりに「鯉」が配られるとか、あるいは「約束手形」の切り方とか、すべてがaccountの標準で裁かれる。それは人間関係においても同じで、だから「借りを返せよ、いや、俺の貸しを返してくれよ」というのが一つの「モラル」になり、そこから「抵抗される人間の喜び」というマゾ的な世界が広がる。障子にあれを突き立てるシーンだって、女が投げつけた本がペニスに当るところが重要なのであって、やっぱり貸借勘定なのである。西洋的なブルジョワ道徳の典型。

    故落語家や某芥川賞作家へ発言を見てると、いまだに著者は抵抗されるのを待ってるんじゃないかと思う。「借りを返せよ。いや、俺の貸しを返してくれよ」

  • 石原慎太郎のデビュー作、芥川賞を受賞したものの、倫理性を巡って揉めたとあるが、そりゃそうだと思った。

    人が持つ闇の部分がエスカレートしていき、行き着くところまで行ってしまう、そんな姿が描かれている。しかしそれは、気狂いというより、誰もが持ちうる闇だと思う。それがまた恐ろしい。

  • 時代錯誤といえばそれまで、この時代の青年がどれだけプライド高く、自分勝手で、欲に塗れているのかがズラズラと書き立てられる。この作品の文学性は、ギラギラとした衝動を、暴力的なまでに連々と、平静と書いていることだと思う。

  • 最期まで読んだら、読んだことあったかなぁと思った。気持ち的にはわかるようなわからないような。でも面白かったな。

  • 時代が違うので共感できないし、これがどういう層に受けたのかよくわからなかった。時代背景を理解しないと難しいと感じた。

  • もはや古典なのだが、描かれている学生による性暴力的”事件”は、まさに現代の今、発生しているものと同じ。。。

  • 大学の課題として読んだ。読んだ時期が選挙前だったのでお母さんに変に勘ぐられてしまったが、著者の個人的な考え云々よりも、このような内容の小説が若者の間で流行していたことに驚いた。

  • 80歳でなお元気のいい都知事が学生の時に書いた芥川賞作品。当時の大人たちは驚き、青年は共感したという。性と命と過激な暴力。

  • 〝限りなく透明に近いブルー〟思い出した。
    文学って、男と女のあれやこれや。

  • 「勃起した陰茎を外から障子に突き立てた」
    若い。

著者プロフィール

1932(昭和7)年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。『亀裂』『完全な遊戯』『死の博物誌』『青春とはなんだ』『刃鋼』『日本零年』『化石の森』『光より速きわれら』『生還』『わが人生の時の時』『弟』『天才』『火の島』『私の海の地図』『凶獣』など著書多数。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章。

「2019年 『湘南夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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