贈る言葉 改版 (新潮文庫 し 10-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101120010

感想・レビュー・書評

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  • 【本の内容】
    あの時、あの場所で、ぼくの想いはどこまで君に伝わっただろう。

    そして君の願いを、ぼくはどれだけ受け止められただろう。

    時を経てなお、ぼくは繰り返し問いかける。

    あんなにも濃密な時を共有しながら、今はもうそばにいない君に-。

    学生運動に席巻された熱く激しい時代、理想を求めるほどに傷ついていった若者たち。

    その無垢さ未熟さ痛ましさに捧げられた、永遠のレクイエム。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    柴田翔。

    1960年代、70年代に青春を過ごした人たちにとって、この名前は、ある特別な輝きがあるだろう。

    圧倒的な反響を呼んだ64年の芥川賞作品『されど われらが日々――』(文春文庫)をはじめとした小説には、学生運動の時代の若者たちの青春と挫折の日々が克明に描かれ、ひりひりする読後感がある。

    本書は『されど――』に続く第2小説集だ。

    ここには「自由」「純粋」といった観念をひたむきに追い求め、その観念にがんじがらめになったあの青春がある。

    「純粋」を希求しながら、一方で、自らの内から突き上げてくる衝動を持て余し、のたうちまわったあの青春がある。

    ミリオンセラー文庫だったが、この数年は品切れ状態。

    それが新装版でよみがえった。

    解説は「柴田翔は青春のバイブルでした」「いかに生きるべきか……この単純な問いかけに対する、答えにならない答えが柴田翔の作品の中にはあった」という作家の小池真理子さん。

    ひたむきに何かを求めていた小池さんの青春時代と柴田作品が、独特な和音を奏でている。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 福岡などを舞台とした作品です。

  • 異性とつき合うのも学生運動をするのもなにか意味付けを求めようとする不器用な青春時代。懐かしさがこみ上げてきた。10.5.1

  • あの時、あの場所で、ぼくの想いはどこまで君に伝わっただろう。そして君の願いを、ぼくはどれだけ受け止められただろう。学生運動に席巻された熱く激しい時代、理想を求めるほどに傷ついていった若者たち。その無垢さ未熟さ痛ましさに捧げられた、永遠のレクイエム。
    全共闘の頃、学生たちのバイブルだったという名作を久しぶりに読んでみた。自分も大学生の頃はこんなにも青臭く、内省的で、観念的だったか…決してそうではないし、今さら共感できる部分はほとんどないけれど、何となく読んでしまった。

  • 5/26

  • これって、青春の本だな〜
    今読むと、すごく恥ずかしいよ

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著者プロフィール

作家、ドイツ文学研究者。
1935(昭和10)年1月 東京生まれ。
武蔵高校から東京大学へ進学、工学部から転じて独文科卒。
1960(昭和35)年 東京大学大学院独文科修士修了、同大文学部助手。
1961(昭和36)年「親和力研究」で日本ゲーテ協会ゲーテ賞。
 翌年より2年間、西ドイツ・フランクフルト大より奨学金を得て、留学。
1964(昭和39)年『されどわれらが日々─』で第51回芥川賞。
 東大助手を辞し、西ベルリンなどに滞在。帰国後、都立大講師、助教授を経て
1969(昭和44)年4月 東京大学文学部助教授、のち教授。文学部長を務める。
1994(平成6)年3月 定年退官、名誉教授。4月、共立女子大学文芸学部教授。
2004(平成16)年3月 同上定年退職。

「2019年 『〈改訂増補版〉詩に映るゲーテの生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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