壁 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 444
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121024

感想・レビュー・書評

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  • さすがである。星5つ。

  • 名前がイニシャルだなんて、おかしい人に決まっている。

  • 阿部公房にはまったきっかけの一冊!

    • kaizenさん
      阿部公房−>安部公房
      阿部公房−>安部公房
      2013/02/10
  • 状況は非現実的、登場人物は変なやつばかりで訳がわからなくなる。なのに淡々と、テンポよく綴られた文章のおかげでスラスラ読める。意味不明さが心地良くなってくる。とてもおもしろい。
    ただ物語の背後にある、作者の伝えようとしていたことはなにかと言われたら、おそらく半分も理解できた自信がない。

    以下、それぞれの話についての感想。

    第一部「S・カルマ氏の犯罪」
    主人公は朝目を覚ますと名前を失っていた。
    名前を失ったことで様々な理不尽な出来事に巻き込まれていく。
    名前があるから人間なのか、その逆なのか。病院の待合室で番号を呼ばれた主人公が安心する場面が印象的。

    第二部「バベルの塔の狸」
    主人公は影を喰われ肉体を失った。
    結局は自分を取り戻したが、もう元の詩人ではなかった。
    自分の妄想の現実化した世界に行った詩人が、最後には詩人でなくなっていた、というのがなんだか教訓的だと思った。

  • それにしても・・・。
    昭和25年、26年の初出で「ポケットから無線電話」とある。
    つまり、携帯電話のことだろう。
    安部公房は理系なのだろう。
    すべてのサイエンスフィクションの原点は彼にあったのだろうか。

  • 何度も買いなおして読み直します。覚めない夢のなかで さまよっている時の感覚。何故か懐かしい孤独感。文章は簡単な言葉なのに 何故惹かれるのか。

  • 徹底的に「訳のわからないもの」を創るのは難しい。人工的に作ろうとすると、どこかで養殖臭がするからだ。その点で、本作はとても乗り心地が快適で、よい。訳が分からないものを訳が分からないまま受け取れる。その座り心地の悪い状態を楽しんでみる。そこでは深読みとか倫理観とか作者の気持ちとかテーマのような、真っ直ぐなものを必要とされていない。訳が分からない世界をとくとご覧あれ。

  • いまひとつ作品世界に入り込むことができなくて、読むのにいつも以上の時間がかかってしまった。されど、夢のようなできごとに巻き込まれた主人公の心理が正常と異常の境界線で揺れ動く心情の描写は、とても楽しめました。

  • 軽快な読み口でどんどん進む。ライトノベルや星新一のショートショートを読んでいるかのような軽さ。ある日突然、不条理に(?)「存在権」を失う主人公たち、「存在しない者」から見た現実世界のおかしさ、そして壁と砂漠の同質性。その辺りのことは佐々木基一氏の解説が的確な名前付けをしていると感じた。この作品は現代版不思議の国のアリスのようである。

  • 一度挫折した安部公房の『壁』にリベンジ。

    第一部 なんとなく気持ち悪くて正直受け付けない‥。私には難解過ぎた。
    第二部 よくわからないのは一緒だけれどこちらは好み。世界観が合うか合わないかの差だと思う。
    第三部 短編が4つ入っていて,どれもとてもおもしろかった!(特に『魔法のチョーク』,『洪水』)
    安部公房の短編が面白いのは,短い文章で表現された世界が,あまりに奇妙でシュールで魅力的で,読み手の想像力をどこまでも膨らませるからではないだろうか。

    現実で生活する,ふとした瞬間にこの小説の世界を思い出す。
    それにしても安部公房の頭の中はどうなっているんだろう…

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著者プロフィール

安部公房(あべ こうぼう)
1924年3月7日 - 1993年1月22日
東京府北豊島郡滝野川町生まれ、満洲で少年期を過ごした。
1948年『終りし道の標べに』(「粘土塀」)により単行本デビュー。1951年「壁 - S・カルマ氏の犯罪」で芥川賞を受賞。その後は劇作も手がけた。1958年「幽霊はここにいる」で岸田演劇賞、1963年『砂の女』で読売文学賞、1967年『友達』で谷崎潤一郎賞、1975年「緑色のストッキング」で読売文学賞をそれぞれ受賞。他、受賞作多数。国内外に大きな影響を及ぼしており、ノーベル文学賞の候補者としても名前が挙がっていた。
主な代表作として『壁』『砂の女』『他人の顔』『箱男』など。

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