石の眼 (新潮文庫 あ 4-10)

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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121109

感想・レビュー・書評

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  • 観念的な要素のほとんどない著者の作品を読むのは初めてだが、ダム工事の現場に向かう未明のバスの車内の描写なんかに、いつもの雰囲気が出ていてうれしい。推理小説仕立てで、大団円への収束はうまいのだが、登場人物の誰が本当のことを言ってるか、という「藪の中」的な部分はあまりうまくいってない気がする。本作の「藪の中」のような嘘は、それぞれの人物の性格から生じるものというより、こうも考えられるああも考えられるというような一人の人物の論理の思考のような感じがするからと思う。

  • 一癖も二癖もある登場人物8人が、全員途中で起こる殺人未遂事件の容疑者であり、更に新たな殺人の計画を練るというミステリ。全員容疑者という設定はよくありがちなのだけど、そこは安部公房流に料理され、それぞれの人物目線での状況の描写、心理的な動きがあり、見えない部分がなかなか明らかにされず追い詰められていく。読み落としがあるだろうからまた再読したい。力強い表紙の絵は、奥さん作なのね。

  • 推理小説です

著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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