- 本 ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101121161
感想・レビュー・書評
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1924年3月7日生まれの安部公房は
今年生誕100年
遺作「飛ぶ男」文庫新刊
本屋で新潮文庫安部公房平積でアピール中
ただし、それほど盛り上がっていないのではと
私としては、どうせ理解できないのであれば
「百年の孤独」より 安部公房を推したい
そして、今年「箱男」まさかの映画化
ーそれは、人間が望む最終形態ー
「壁」で芥川賞、「砂の女」で読売文学賞
戦後派の代表的な一人となる
非現実的な世界の中に現実の不条理を浮かびあがらせる超現実主義的手法をとり
社会の中での人間の実存を追求した
(国語便覧より この文章の具体的な解説が欲しいけど その具体化が箱男かとも思う)
持っている文庫は、奥様の安部真知さんデザインの古いもの
ご夫婦とっても仲良しだったみたい
小説の中に何枚かの写真が入る
それらは 作者が自分で撮ったもの
カメラもお好きだったようで
なかなかのコレクターだった様子
ダンボールの箱を頭からかぶり、
都市を彷徨する箱男
一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで、彼は何を求めたのか
主には箱男のものとされる記録で語られるが
偽箱男が登場して 存在が一層曖昧になる
また 後半には 突然の独立したエピソードの挿入があり 時間場所とほぼ理解できなくなる
箱の中での生活
自ら情報の遮断
他社の視線からの隔離
にもかかわらず、他者への関心は残る
全くの孤独は望んでいないのかもしれない
経済成長が終焉となる時代の変わり目
上野でダンボールをかぶったホンモノの箱男を見たことで この作品を書いたらしい
だから、自由に読めばいいの
だってホンモノが居たのだもの
テーマは徐々に見出していくというところかな
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箱を被り生活する男、設定が最高に面白かった。内容は意外に複雑で噛み締めて読まないとなかなか理解できなかった。
永瀬正敏主演で映画もやるので絶対に観たい。-
schieleさん
コメントありがとうございます。
そうですね、ちょっと構成が複雑ですよね。この世界観をどう映画化されているのか今から楽しみ...schieleさん
コメントありがとうございます。
そうですね、ちょっと構成が複雑ですよね。この世界観をどう映画化されているのか今から楽しみです!
監督も好きな監督だし、キャストもいいですよね!2024/02/18 -
マサさん、おはようございます。
『箱男』の映画化は私もびっくりしました。
どう表現してくれるか、ワクワクです(^^)マサさん、おはようございます。
『箱男』の映画化は私もびっくりしました。
どう表現してくれるか、ワクワクです(^^)2024/02/28 -
ロカさん
コメントありがとうございます。
映画はだいたい好きな俳優さん出るので、とても楽しみです。27年前の企画みたいですからね!
是非とん...ロカさん
コメントありがとうございます。
映画はだいたい好きな俳優さん出るので、とても楽しみです。27年前の企画みたいですからね!
是非とんでもない世界を期待しちゃいます(^.^)2024/03/01
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映画公開と知って急遽読んでみた。
覗き見の秘密的なゾクゾク感、高揚感、罪悪感
それだけではないなにか
なかなか難しい。ダンボールを被ることで常に覗き見している自分がいて、周りからはただのゴミとなる。わかるようなわからないような、いったいこの話しの語りてはどこに行きつきたいのか?
真実がどこで、あるいは妄想なのか?
語りては、いま誰なのか?
混乱!
はたして映像化されたらどうなるのか?怖くもあり、のぞいてみたくもある。 -
◯大変面白いが難解だった。
◯なんとなく箱男という匿名性と、「見る、見られる」の関係性がテーマであるということは読んでいて分かったが、中盤以降顕著になる語り手の入れ替わりが難解であった。
◯この辺り、文庫本巻末の解説が非常に明快で分かりやすく、箱男という小説の面白さを増してくれる効果すらある。
◯個人的な感想としては、書かれた当時とは時代が経っていても、変わらずに現代を風刺していると感じた。ネットなどの匿名性文化がまさに箱男であり、覗き見ることの快感は共通して理解できる部分である。
◯人間の心理的な部分を独特の筆致で暴いている点が新しく、しかし人間の心理だけに普遍であり、とても興味深い普及の傑作。 -
『箱男』
映画化により、購入。
段ボールをかぶり、その中に生活の一切を仕込んで歩き回る『箱男』。
覗くことに魅せられ、箱の前面にあけた窓から外の世界を覗き、その限定された世界に魅せられる。
見ること、見られること…
『贋箱男』が現れ…『贋医者』も…
途中から何が現実で、何が幻想なのかが…
自作のアングルスコープで、女教師のトイレを覗く少年D。たが、見つかってしまい、罰として、女教師から『覗かれる』…
『箱男』イコール『覗く』なのか…
『覗く』ことによって見える世界。
限定的で、『覗く』ものにとって、中毒性があるのだろう。
『箱男』から見た世界、を想像していたが…
そんな単純なものではなかった…
とにかく難解…
これをどう映画化するのだろう…
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映画の公開に先駆けて読んでみた、安部公房の作品は「砂の女」に続き2冊目。
うーーん、難しい話だった。
書き手がコロコロ変わるから、今は誰目線のどの話なのか(それもどこからが現実でどこまでが妄想なのか)が分からない。分かりづらいじゃなくて全く分からない、如何様にも解釈し得るように見える。
文章の主体はAなのかBなのかCなのかはたまたDなのか、カメラマンなのか軍医殿なのか贋医者なのか、文中の「ぼく」は本当に書き手なのか、「きみ」は誰を指すのか、箱男なのか贋箱男なのか、そもそも誰が本物の箱男だったのか。
何も分からないまま映画「複製された男」を観終わった時のような読後感に包まれた。
「見られずに相手を見る」に固執した究極形態が箱男。覗き見の最上級。「ニュースを追いかける」ことに固執していた箱男が出て来るけど、「ニュースを見る」という行為もある種「見られずに(世界を)見る」の一つなのかもしれない。
作品冒頭の箱男の描写はとても細かく巧みで具体性に富んでいて、箱男になることの麻薬的な魅力が伝わって来る文章だった。もし手元に適当なサイズの段ボール箱があったら、試しに被ってしまっていたかもしれない。危なかった。 -
どこまでが現実で
どこからが空想?
読みやすいんだけど
虚を突かれる
なんだか長い間夢の中を
さまよっているような感じ
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読んでいて迷路に迷いこんでいく感じで、それに関して難しいとかよりも面白いという気持ちが勝ってどんどん先を読んでしまう。それも明確な解決に向かうというよりは、どんどん迷宮の深部に入り込むような感じで抜け出せなくなっていく。
解説を読んでなるほどなるほどとはなりました。
誰が語り手で誰が語られていて、誰が見ていて見られているのか。もっと言えば誰が書いていて誰が書かれているのか。主が明確でいて不明確。メタ系のような違うような不思議な読書体験でした…!江戸川乱歩が好きなので、所々にフェティシズムや奇々怪々な感じが漂っていて個人的には好きでした。 -
万華鏡の中にいるような、前後左右がなくなるような不思議な気持ちになった。
新聞記事風のフォーマットのページや作者自身が撮った写真も数多く掲載されている複合的な作品でびっくりした。
全体的な流れをつかめなかったので、再読する予定。
【再読後の感想】
登場人物を整理しながら読んだら、ぼんやりと各節のつながりがわかってきた。
メインのストーリーを様々な角度から描いていて、それこそ1つのカラクリ装置を前後左右から見ているような作品であった。
箱を被るという安心感、誰からも自分を見られないという安心感は、Twitterの匿名垢と通ずるものがあるような気がした。
著者プロフィール
安部公房の作品






浅野忠信好きです
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魍魎の匣思い出すなあ…みつちり
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でもあんまりヒットしてないみたい
暗いしね
でもあんまりヒットしてないみたい
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