友達・棒になった男 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 908
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121192

感想・レビュー・書評

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  • 「安部公房だから」とちょっと気合いを入れて読み始めたのだけど、地の文がないためか案外さらさらと読めた。

    『友達』は実際に起こっても不思議がないような変な説得力があった。
    『棒になった男』のボクシングシーンは赤子に読み聞かせた。
    『榎本武揚』は俺にもうちょっとレディネスがあれば楽しめたのかも。

  • 初めての戯曲だっけど、そんなに違和感はなかった。

    「友達」は闖入者が原作とすぐわかったので、
    闖入者を読んだ時のほうがインパクトが強かった。

  • 『友達』が特にいい。家族の個性あふれる挙動・言動がおもしろい。「男」とその「婚約者」とのあいだの間もさすがだ。

  • 戯曲?初めて読む形式。世界観は安部公房

  • おすすめされて読んだ本。
    どれも不気味で、不条理で、それが面白くもあり。
    全5篇の戯曲形式のお話。
    表題作の「友達」は侵入してくる家族の理不尽な親切心が
    とても不気味。彼らが話す言葉は一見正論。
    だからこそ反論する余地がなく、受け入れさせられてしまう。
    それは「棒になった男」内の「鞄」も同様。
    登場人物たちのココロの有り様、揺れ動きの様が
    いつかどこかで見たような、感じたようなことがあるのだろう。
    それが不快感に繋がっているのかな?

    「棒になった男」も何故突然に棒に??と疑問が付きまとう。
    推測するしかないのだけれども、だからこそ地獄の男の
    最後の台詞にゾクッとさせられた。

    「友達」「棒になった男」ともに同じく新潮文庫から
    出ている「無関係な死・時の崖」に小説バージョンで
    収録されているらしい。
    いつかこちらも読んでみよう。

  • 古い読書記録より。

    象徴性が全面に出ている作品。中学時代、「モチーフを読みとく」ことの快感を教えてくれた一作。この作品をするする読みといたとき、物語をばらばらにしてふわけできた痺れのようなものが背筋をかけていったことをいまも覚えている。
    別話戯曲のほうも読んでみたけれど、劇場での展開が目に浮かぶようだった。普段戯曲を読むことがないのでいい体験だった。

  • 『友達』『棒になった男』『榎本武揚』の三部作からなる、安部公房の戯曲集。

    安部公房の戯曲集を読んだのは初めてですが、安部公房の地の文が好きな自分としては、いまひとつ物足りない。
    おそらく、セリフと簡単な舞台指定しかなされていない分、想像力が必要とされてくるからなんでしょうね。
    あらすじを読んで、『友達』にかなり期待をしていたのですが、ぱっと読んだ時点では理解が追いつきませんでした。
    もちろん、安部公房作品を読んだ時に理解できるなんてことは普段無いんですが、字を追うだけで終わってしまう、という点で。

    舞台で観たら観たで、きっと全く違う印象で面白かったんでしょうが、想像力の足りない自分に残念です。
    あと、安部公房の作品の中で『榎本武揚』という歴史上の人物をモデルにした戯曲があったことが、自分の中では意外でした。

  • 「友達」「棒になった男」「榎本武揚」の三作の戯曲が収録されています。

    表題作である「友達」は、『水中都市・デンドロカカリヤ』の「闖入者」が原型であり、「棒になった男」は『R62号の発明・鉛の卵』の「棒」が原型のようです。
    いずれも以前に読んでいるので、比較しながら読みました。
    戯曲のために登場人物の数などを一部変えてありますが、大筋は同じです。
    やっぱり、「友達」は理不尽で好きです。
    いや、嫌いなんだけど、好きです。

    「榎本武揚」はそんなに面白くなかった・・・というのが私の印象です。実際に劇で見たら全然違うと思います。
    読み手の問題ですが、登場人物が多すぎて、途中から混乱してしまいましたw

  • 戯曲3編集。相変わらず不思議な世界が繰り広げられている。「友達」に登場する謎の一家にはイライラしか感じられなかったが、もうそれは惹き込まれてしまった後の話。人間が理想として求める孤独とは何か?人間が美しいとする隣人愛とは何か?果たして、人間は1人では本当に生きていけないのか?社会の中での人間生活における「個」と「集団」という概念を、まったく斬新な視点から強く訴えかける作品。「棒になった男」は高校の現代文の授業で読んで意味不明だったので再チャレンジしてみたが、やっぱり難しい。でも戯曲化された文章だったので少し読みやすかった。これは是非、舞台を観てみたい!ありえない現実。非常識な常識。もっともっと著書を読んでいきたい。

  • 現実にはありえないような話ばかりだけど、それぞれに含まれたメッセージは非常に現実的なもの、という感じがしました。
    自分がもっと成長したときに、また読みたい。

著者プロフィール

安部公房(あべ こうぼう)
1924年3月7日 - 1993年1月22日
東京府北豊島郡滝野川町生まれ、満洲で少年期を過ごした。
1948年『終りし道の標べに』(「粘土塀」)により単行本デビュー。1951年「壁 - S・カルマ氏の犯罪」で芥川賞を受賞。その後は劇作も手がけた。1958年「幽霊はここにいる」で岸田演劇賞、1963年『砂の女』で読売文学賞、1967年『友達』で谷崎潤一郎賞、1975年「緑色のストッキング」で読売文学賞をそれぞれ受賞。他、受賞作多数。国内外に大きな影響を及ぼしており、ノーベル文学賞の候補者としても名前が挙がっていた。
主な代表作として『壁』『砂の女』『他人の顔』『箱男』など。

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