- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101122144
感想・レビュー・書評
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日露戦争前に日本の陸軍が実施した冬季八甲田山縦走の悲劇を描いたドキュメンタリー的な小説。
日露戦争と太平洋戦争との違いこそあれ、「失敗の本質」と共に日本組織の問題点を可視化した良著だと思う。
『失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫 と 18-1)』 https://booklog.jp/item/1/4122018331-
2022/08/28
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おはようございます。
確かに!
職場でも上司の横槍や準備・調査不足、他部署との連携不足でのトラブルが多いですもんね ^_^;おはようございます。
確かに!
職場でも上司の横槍や準備・調査不足、他部署との連携不足でのトラブルが多いですもんね ^_^;2022/08/28 -
2022/08/28
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何度目の再読だろうか。
エンタメとしても一級品だが、やはりどうしても組織論、リーダーとはとか、第二次大戦前の日本という国のあり方の問題点等の視点で読んでしまう。色んな読み方が出来るのが本書のすごいところ。
確か昨年遭難事故の真実を描いた作品が出てるはずなのでそちらも読んでみたい。 -
史実を基にしたフィクション作品ですが、行軍の様子や雪山の厳しさ、備えの大切さ、リーダーの資質など様々なものがリアルに迫り、物語に引き込まれていきました。読後感はおおいに学びになった、そんな印象です。オススメ!
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組織論やリスク管理などのビジネスの視点でも興味深い本でした。
参加者ほぼ全滅という結果になってしまった無謀な八甲田山の冬季軍事訓練。
メディアで見たことがある「ほぼ全滅」したのは青森の5聯隊であり、5聯隊と逆ルートで八甲田山越えを目指した弘前の31聯隊は「全員生還」したといいます。
この事実を知っている人は少ないのかもしれません。
最近読んでいた『ゴールデンカムイ』で、八甲田山の生存者といわれるアイヌの兵士が出てくるのですが、きっと31聯隊だったんだなあ...
この本は、八甲田山越えを成功させた31聯隊のストーリーのあとに5聯隊が描かれており、いわゆる「成功と失敗」の対比のようでわかりやすかったです。とはいえ31聯隊の徳島大尉の傲慢とも思える行動に違和感を感じることもあり、成功と言われている31聯隊にも組織の体質など問題があることがわかります。
5聯隊は、読者としては結末を知っていることもあり、読んでいて感情を揺さぶられます。
この遭難事件の失敗の原因は複数あるけれど、どうしても感じてしまうのは階級型組織の闇。
『失敗の本質』を読んで、日本の組織の体質は現代にも色濃く残っていると感じましたが、それ以前に八甲田山の失敗は大東亜戦争で生かされなかったということに虚しさを感じてしまいました。 -
こんな小説を読んだ後に、なんと感想を書いていいのかわからない。思ったことが上手く文章で表せる自信なく、もどかしい…でもレッツトライ↓
八甲田はBCで数回訪れたことがあって、その土地を舞台にした小説に興味はありながら、私の中の楽しい思い出とは真逆の、「雪中行軍」(字面ですでに恐ろしい!)の厳しい印象、プラス、「八甲田山死の彷徨」という題名の厳しさに恐れ慄いて、なかなか手が出ず、こちらもまた長ーい積ん読状態の本を、先日の剱岳の点の記の波に乗って、読んでみた。今新田次郎きてます!
八甲田山の雪中行軍ね、と事件についてなんとなく知ってる気でいたけど、読み終わって思うのは1%も知ってはなかった。日露戦争に向かう事件当時明治35年の気風や、日本陸軍の階級制度、指揮官の統率、各個人の性質、、とても複雑に事象が絡んでいて一口に誰々が悪いとか単純な話じゃない。色んな気持ちから読み解ける小説はやっぱり良書ですねぇ。
決して明るい話ではないです、結論見えてるし。でも久しぶりに本の中に入ったし、読んでよかった。
よく練られたであろうタイトルに、一口言うのはおこがましいけど、やっぱり「死の彷徨」なんて(しかも明朝体で!)ついてなかったら、もう少し早く手に取ってたかもなぁ。
2021.6.1 -
新田次郎作品は、どれも読み始めから没頭までに少し時間を要していたのだが、本作は最初から一気に没入してあっという間に読み終えた。
登山経験があるだけに、夫々の登場人物の立場に立って自分ならどうしたかという視点でも読むことが出来、最後まで非常にドキドキさせられた。
生還した第二十一聯隊のその後の人生も衝撃の一言。