海と毒薬 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 6777
レビュー : 792
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101123028

感想・レビュー・書評

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  • 戦前の内容ですね。捕虜が解剖される事件を題材にしているようです。とても重い内容で、後味が悪いですね。

  • H30.09.30 読了。

    とても難しいテーマだなぁ、という印象。
    そしてそこで終わらせるんだ、と驚き。

    読めたのは読めたが、楽しい作品ではなかった。

  • P196
    新潮社 文学賞 受賞作品

  • 導入部分と過去の事件へのつながり部分がよくわからなかった。
    なぜ生体解剖に向かったのかは、丁寧に描かれていた。

  •  すごく暗い小説だった。アメリカ人捕虜を人体実験として使用した実話が元になっており、全編を通して重苦しさがあった。ちょっと希望が無さ過ぎたと思う。人間の醜悪さばかりが描かれ、うんざりしてしまうものがあった。

     書きたいものはわかるんだけど、テーマが社会派なので、今の自分にはあまり響かなかった。戦争の時代というのは自分には遠すぎて現実感がなく、どうしても別の世界の出来事にしか思われないというのもある。少なくとも若い人間が好んで読む小説では無いだろうとは思う。

  • 56点。戦争末期の米軍捕虜の生体解剖事件を小説化し、神なき日本人の罪の意識の不在を描く。解剖に参加した者は異常者でもないならば何がこのような行為に駆りたてたのか。
    彼らには決定権限もなかったかもしれないし、今更やめられないという空気に抗えなかったのかもしれない。こういうところって今も全く変わっていない。近代資本主義を生んだのは特殊な宗教的な営みが導く倫理観であるとよく言われるが、神なき日本人だから倫理に欠けこのような行為に及んだわけではないんじゃないの。
    罪の定義が神に背くことだとして、絶対神がないから日本人には罪の意識がないというのは認めるとしても、キリスト教を参照し批判するのはいささか出鱈目な感が否めない。
    それに神を持つ人間の、神の意に背いていないと主張するものの罪のほうはどうなのさ。
    小説に賞味期限はないがこの小説はもうとっくに過ぎていると思う。

  • この小説に、日本人だから、無宗教だから、という説明はそぐわないと思う。毎日大勢の人間が空襲や病で死んでいく中、倫理観が麻痺し状況に流されてしまうというのは、宗教に関わらずあらゆる人間に起こり得ることだろう。勝呂や戸田が、世間の罰を受けた後己の犯した罪をどう感じたのかも描いて欲しかった。

  • もっとグロテスクな描写があると思ってた。
    自分の周りに人を殺したことがいるかも知れない。日常の中に潜む猟奇性はある意味グロテスクかもしれない。

  • どんな名作かと思いきや、ちょっとがっかり。
    ただのホラーか。

    罰は意識しても罪には無頓着、そう言いたいの?
    キリスト教とか信仰してても悪いことするでしょ。

  • 大学の倫理の授業でこれを原作とした映画を見るということで、「どうせならこの機会に原作も読んでおこう」と思い購入。
    生協になかったので書店にて定価で買ったものの、数日後の教科書販売にて渡されるという悲劇があったのは秘密。

    授業内では医学の進歩と生体実験の関係などを強調して紹介していたが、原作の内容としてはその倫理観よりも、人の持つ醜さや弱さが、生体実験に関わった人間それぞれの視点から浮き彫りになっていくという印象が強かった。

    それでも考えさせられる作品であることは確か。

    戦時下の、人の命を人が奪うということが当然の状況を、紛争などもない、長寿大国である現在の日本に暮らす私たちが理解することはとても困難である。

    最善を尽くしても助けられなかった命も、実験のために犠牲にされる命も、手術台の上でメスを入れられたという点では両者に差はない。

著者プロフィール

遠藤 周作(えんどう しゅうさく)
1923年3月27日 - 1996年9月29日
東京生まれ。父親の仕事で、幼少時代を満洲で過ごす。帰国後にカトリックの洗礼を受けた。1941年上智大学予科に入学したが、中退。慶應義塾大学文学部仏文科入学・卒業後、カトリック文学を学ぶためにフランスへの留学。帰国後の1954年『アデンまで』を発表し小説デビュー。1955年『白い人』で芥川賞を受賞し「第三の新人」として脚光を浴びた。
1958年『海と毒薬』で第5回新潮社文学賞及び第12回毎日出版文化賞、1966年『沈黙』で第2回谷崎潤一郎賞、1979年『キリストの誕生』で第30回読売文学賞評論・伝記賞、1980年『侍』で第33回野間文芸賞などそれぞれ受賞。1995年に文化勲章を受章している。
上記受賞作のほか、1993年刊行『深い河』もキリスト教と日本人をテーマにした代表作と見なされており、映画化された。60年代以降「狐狸庵山人」(こりあんさんじん)を名乗り、様々なエッセイを記した。数々の作品が欧米で翻訳され高い評価を受けており、存命中ノーベル文学賞候補だったこともよく知られている。

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