- 本 ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101123042
感想・レビュー・書評
-
図書館で一度読んで忘れられず、
絶版になっていたのですが
どうしても欲しくてオークションで入手。
遠藤周作の飾らない真髄が垣間見られる気がします。
ほの暗い、じっとりとした作品。
好き嫌いが分かれると思いますが、私は大好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
遠藤周作の短編集。戦時下から戦後くらいの時代設定でいろいろな話が収められているのだが、どれも男主人公が疲れ切っていて暗く息苦しい。人間の醜さ、弱さ、暴力性などを深い諦念とともに見守るような感覚だ。前の作品もそうだったが、フランス留学生の話が出てきたり、小説家である主人公に滔々と物語る老人が出てきたりとところどころに作者の体験をうかがわせる描写があり、その苦悩を読むにつけ遠藤周作の人間に向き合うことへの真面目さ、誠実さが分かってきた気がする。
文章はにおいや情景が浮かんでくるようでどっしりとしていながら読みやすく、はっとするような美しさもある。凄みを感じるのだが、一気に読むとちょっと疲れた。でも本当に、すごい短編集。 -
「文学とは何か」という問いに対する彼の苦悩や答えが描かれている。
表題作はSM小説として扱われているらしいけど、私には「小説家という道を選んだ君にはどれだけ卑しいやつであろうと僕のことを無視することはできない」という千曲の言葉がすごく響いた。
一番最初の作品の「文学とは真実で、生きた人間のナマの心の葛藤を描くものだ」も、自分の胸の内をはっきりと言語化してくれたようですとても好き。
あとがきの「彼の文士としての誠実さ」という言葉はそのとおりだと思った。すべての物事に彼は誠実で、私もそのようになりたい。
遠藤周作はいくつか読んできたけど、一番好き。 -
遠藤周作の『海と毒薬』が大好きで、ほかの作品も読んでみようと思い購入した。
読まなきゃな〜レベル⑤
(好きなものは半分は一番最初に、後の半分は最後にとっておく方なので^^) -
090422(m 090602)
著者プロフィール
遠藤周作の作品





