月光のドミナ (新潮文庫)

  • 新潮社 (1972年1月1日発売)
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感想 : 6
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  • 本 ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101123042

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で一度読んで忘れられず、
    絶版になっていたのですが
    どうしても欲しくてオークションで入手。

    遠藤周作の飾らない真髄が垣間見られる気がします。
    ほの暗い、じっとりとした作品。
    好き嫌いが分かれると思いますが、私は大好き。

  • 遠藤周作の短編集。戦時下から戦後くらいの時代設定でいろいろな話が収められているのだが、どれも男主人公が疲れ切っていて暗く息苦しい。人間の醜さ、弱さ、暴力性などを深い諦念とともに見守るような感覚だ。前の作品もそうだったが、フランス留学生の話が出てきたり、小説家である主人公に滔々と物語る老人が出てきたりとところどころに作者の体験をうかがわせる描写があり、その苦悩を読むにつけ遠藤周作の人間に向き合うことへの真面目さ、誠実さが分かってきた気がする。
    文章はにおいや情景が浮かんでくるようでどっしりとしていながら読みやすく、はっとするような美しさもある。凄みを感じるのだが、一気に読むとちょっと疲れた。でも本当に、すごい短編集。

  • 「文学とは何か」という問いに対する彼の苦悩や答えが描かれている。
    表題作はSM小説として扱われているらしいけど、私には「小説家という道を選んだ君にはどれだけ卑しいやつであろうと僕のことを無視することはできない」という千曲の言葉がすごく響いた。
    一番最初の作品の「文学とは真実で、生きた人間のナマの心の葛藤を描くものだ」も、自分の胸の内をはっきりと言語化してくれたようですとても好き。
    あとがきの「彼の文士としての誠実さ」という言葉はそのとおりだと思った。すべての物事に彼は誠実で、私もそのようになりたい。
    遠藤周作はいくつか読んできたけど、一番好き。

  • 結局、ドミナってなんだったんだっ~ ただの語感かよ~イヌの命名じゃないんだぞ(←それも失礼)

    表題作よりいいのがたくさんあって、おトクおトク☆

    私にとって狐狸庵先生は、モーリヤック好きの同志、ってくらいの認識だったんですが、なかなか面白かった。友人が英訳する小説を探しているので薦めてみよう~

    先日、モーリヤックのお孫さんの女優さんに会って、昨日読んだランキングに「テレーズ・デスケルー」がインしてて、最近とみに縁がある ♪♪

  • 遠藤周作の『海と毒薬』が大好きで、ほかの作品も読んでみようと思い購入した。
    読まなきゃな〜レベル⑤
    (好きなものは半分は一番最初に、後の半分は最後にとっておく方なので^^)

  • 090422(m 090602)

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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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