イエスの生涯 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.75
  • (129)
  • (132)
  • (217)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 1309
レビュー : 141
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101123165

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 解説に書いてあるようなことそのままになってしまうが、やはり人間としてのイエスが、どう考え、どう行動したか?について書かれた本。
    キリスト教入門、という言葉がいいかどうかわからないが、興味のある人にとってとっかかりになる本でもあると思う。

  • イエスの人物像が少しは見えてきた気がする。遠藤周作は無能力者としてのイエス像を描いている。不治の病にかかっている病人を治癒する特殊能力があった訳でもないし、最後は弟子にまで裏切られ、悲惨な結末に終わるのが、イエスの生涯であったと。
    よく絵画などでは、イエスを美化しすぎているため、最も神に近い存在と思っていたが、あれは単に画家の想像上に過ぎないことがよく分かった。聖書には読者の人生を投影した色々な解釈があるから、一義的には言えないんだけど。

  • 『「西欧キリスト教」というだぶだぶの洋服を、長い年月をかけて和服に仕立て上げた作品』だとの解説がありましたが、キリスト教とは全く無縁でも、イエスの人間性やその背景がひしひしと伝わってくる、そして小説だからこそ発見のある、貴重な一冊。遠藤周作氏以外に書ける人は無論いないでしょう。

  • ぼくは、他の多くの日本人がそうであるように信心薄き無宗教者だ。強いて言うなら、いざという時の神頼み教信仰といえるかもしれないが、これもまた多くの日本人がそうであるように、その時ですら神のイメージはもっていない。神を拠り所にするということへの関心とか、そもそもこれだけ多くの人の信仰心を駆り立てるキリスト教へのあまりな無知からこの本を手にとった。
    これを読み通したところで、ぼくですら知っている断片的な逸話が整理されるわけでもないし、ほく程度の知識しか持ち合わせなければ、当たり前の様に作中で使われる4つの福音書とは?旧約、新約とは?にはじまり、様々な疑問すらわくが、この本を読む価値はそんなところにあるのではなく、現代を生きる日本人には到底想像し得ない、イエスの時代の人々の思想、永く虐げられたユダヤの地の人々の歴史、世界観、いつか現れるだろう救世主への期待など、ひとことでは表せぬ時代背景をも含めてイエスの生涯を綴っていることにある。
    第4章冒頭で著者の述べるとおり、イエスと同時代を生きたわけではないため、誰かの目を通し語られるイエス像しか知ることができずそれらがすべて歴史的事実かどうかというと、そうではないものもあることは聖書も然りではあるが、語り継いだ人々の信仰心の産物もまたひとつの真実だ。
    誤解を恐れず言うなら、キリスト教は弱き者の宗教だとおもう。キリスト教におけるイエスとは母なるイエス、永遠の同伴者イエスであり、ぼくたちが苦しい時、イエスはともに苦しみ痛みを分かち合っている、むしろイエスは弟子に見捨てられ民衆に罵倒され極限の肉体的苦痛を受け、惨めな最後を遂げ、この世の苦しみをすべて理解し引き受けてくださるという愛がぼくたちを救うのだとおもった。
    同著の「死海のほとり」も読んでみよう。

  • 日本人のキリスト教理解、宗教理解の手がかりに!(船田真里子先生)

  • 違う視点からのイエスの生涯。新書にありそうな感じで、文庫で読むには違和感があった。

  • キリスト教信者でもないかぎり日本人にとってイエスのことはあまり知らないと思います。
    遠藤周作は伯母の影響から幼くしてキリスト教徒になりましたが悩んでいた時期もあったそうです。

    例えば「最後の晩餐」や「死後の復活」などその真実に迫ろうと、数多ある文献から作者なりの答えを導き出そうとしています。
    キリスト教信者以外の日本人にとっても興味深い一冊です。

  • 上京時に母からもらった本。重い。とにかく重い(ハードカバーだったので物理的にも)。なにを伝えたかったんだろう...?wイエスの生涯を淡々と。

  •  福音書に記されている事実ではなく、真実から、人間の「永遠の同伴者」としてのイエス像に迫る。とくにユダとペテロに関する省察は非常に興味深いが、俗情に流れ気味になる箇所があるのが少々気になる。

  • カトリック教徒である遠藤周作氏が人としてのイエスの内面に迫って書いた本。あくまで人としての内面に注目をしている。

    また、イエスだけでなく、イエスを取り囲んでいた弟子たちの心理、ユダヤの大衆たちの心理、パリサイ派などの心理などの描写も加えている。

    四つの福音書をもとにそれらを総合的に踏まえたうえでイエスの生涯のひとつの解釈を表現している。

全141件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

遠藤 周作(えんどう しゅうさく)
1923年3月27日 - 1996年9月29日
東京生まれ。父親の仕事で、幼少時代を満洲で過ごす。帰国後にカトリックの洗礼を受けた。1941年上智大学予科に入学したが、中退。慶應義塾大学文学部仏文科入学・卒業後、カトリック文学を学ぶためにフランスへの留学。帰国後の1954年『アデンまで』を発表し小説デビュー。1955年『白い人』で芥川賞を受賞し「第三の新人」として脚光を浴びた。
1958年『海と毒薬』で第5回新潮社文学賞及び第12回毎日出版文化賞、1966年『沈黙』で第2回谷崎潤一郎賞、1979年『キリストの誕生』で第30回読売文学賞評論・伝記賞、1980年『侍』で第33回野間文芸賞などそれぞれ受賞。1995年に文化勲章を受章している。
上記受賞作のほか、1993年刊行『深い河』もキリスト教と日本人をテーマにした代表作と見なされており、映画化された。60年代以降「狐狸庵山人」(こりあんさんじん)を名乗り、様々なエッセイを記した。数々の作品が欧米で翻訳され高い評価を受けており、存命中ノーベル文学賞候補だったこともよく知られている。

イエスの生涯 (新潮文庫)のその他の作品

イエスの生涯 Kindle版 イエスの生涯 遠藤周作
イエスの生涯 単行本 イエスの生涯 遠藤周作

遠藤周作の作品

ツイートする